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ソニーが10年以上かけたAIの「音源分離技術」、LINE MUSICのカラオケに搭載

販売戦略

2020/08/27 21:00

 ソニー・ミュージックソリューションズは、ソニーが開発した「音源分離技術」のライブラリをLINE MUSICに提供し、LINE MUSICが同ライブラリを使用して音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」内でカラオケを楽しめる追加機能を8月から提供している。

「LINE MUSIC」におけるカラオケ機能の利用イメージ

 音源分離技術は、音楽からボーカルや楽器の音を取り出せる技術で、音の特性を理解したAIを組み込むことで、クリエーターからフィードバックを受けながら10年以上にわたって開発を行っている。

 同技術は、国際的なコンペティションのSignal Separation Evaluation Campaign(SiSEC)において3回連続でベストスコアを獲得した。

 LINE MUSICでは、楽曲のボーカルをオフにして、ユーザーの歌声を音源にミックスして再生させることによって、カラオケさながらの体験を楽しめるカラオケ機能を提供しており、ソニーの音源分離技術を利用することで楽曲からボーカルだけを消すことが可能になっている。

 音源分離技術を使えば、過去の録音からボーカルを抜き出してリミックスしたり、モノラル録音から楽器を抜き出して最新の空間音響フォーマットで空間を再配置したりできる。さらに、音楽以外でもセリフや効果音が混ざった状態でしか残っていない古い映画を個々の音に分離して、ドルビーアトモス方式で空間に再配置することによって、臨場感のある音場を再現するといった応用が期待される。
 
「音源分離技術」の利用イメージ

 ソニー・ミュージックエンタテインメントは、ソニーグループが持つブロックチェーンやAIなどのテクノロジーと、ソニーミュージックグループが持つ音楽制作や権利情報処理のノウハウを活用して、創作活動を支援する音楽プラットフォーム「Soundmain(サウンドメイン)」の開発を行っており、「Soundmain」でも音源分離技術を音楽制作作業の補助に使用して、音楽クリエーターの創作活動を支援するサービスの実現を目指している。