【記者のひとこと】SaaSの販売は儲からない?

コラム

2020/08/17 10:00

 これまでIT投資にあまり意欲のなかった企業の間でも、今年ばかりはテレワークに対応すべく、コラボレーションツールに代表されるSaaS型クラウドサービスを導入する動きが盛んになっています。ITベンダー各社に「御社で扱っているSaaSの調子はどうですか」と聞いても、「今は飛ぶような売れ行き」という返事がほとんどです。

 ただ、重ねて「SaaS再版の収益性はどうですか」と質問すると、途端に渋い表情を見せる担当者が多いのも事実。どのベンダーから購入しても同じ内容のSaaSならば、結局のところ価格勝負になってしまい、利幅を削る競争にならざるを得ないからだといいます。

 バックアップ製品で知られるアクロニス・ジャパンは今年、データ保護や端末の管理・運用といった機能をSaaS型で提供する新サービス「Cyber Protect」を開始しました。同社の嘉規邦伸社長はこのサービスについて、SaaS単体を提供するものではなく「パートナーが独自の付加価値を提供するためのプラットフォームを提供」すると強調。販売パートナー各社が特色のある提案をできる仕組みになっており、価格ではなく価値の競争でエコシステムを活性化していきたいとしています。
(日高 彰)

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アクロニス・ジャパン パートナーの「サブスク化」を支援する新サービス
【KeyPerson】アクロニス・ジャパン 代表取締役 嘉規邦伸