インバウンドは“蒸発”でも過去最高、PPIHの2020年6月期決算
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、8月13日に2020年6月期の決算・事業説明会を開催した。19年7月1日~20年6月30日の連結業績は、売上高が前期比26.6%増の1兆6819億円、営業利益が20.4%増の760億円、経常利益が10.2%増の752億円、親会社に帰属する純利益が6.9%増の503億円だった。
消費増税や新型コロナウイルス感染拡大による影響は大きかったものの、連続増収増益は途切れなかった。89年以来、今期で31期連続で達成。伸び幅は、売上高・営業利益・経常利益のいずれも2ケタ増となっており、外部要因に対する底力の強さをみせた。
インバウンドについては、“蒸発”と表現するほどの大打撃を受けた。前年は単月で50億~60億円の売上高があったが、今年は2月以降、急落して4~6月にかけてはほぼ壊滅した。一方で、マスクや除菌・殺菌グッズ、巣篭もり需要カテゴリは好調で落ち込みを穴埋めした。
代表取締役社長の吉田直樹CEOが「一段落」としたユニーグループの業態転換や既存転換の底上げが順調に推移していることも、押し上げ要因となった。稼働一年未満の店舗では平均して売上高が40%増、客数が25%増、粗利益高が36%増を記録。加えて、海外店舗も地元のニーズを捉えて、前期比18.1%増と好調だ。
業績は数字の上では堅調だが、消費スタイルの変化や新型コロナの影響が長引く懸念から来期以降の見通しには慎重だ。吉田CEOは、「従来通りにはいかない。今までうまくやっていたことも変えていく必要がある」と抜本的な改革を加速する姿勢をみせた。
PPIHのお家芸ともいえる新規出店とM&Aによる拡大方針にも、見直しをかける。今後は、システム投資に力を入れ、買い場もロジスティックに改革し、さらに販売体制の強化を狙う考えだ。12日に発表された人事では、ファミリーマート取締役の久保勲氏を社外取締役に迎えたことに象徴されるように、外部資本との連携にも意欲的だ。
32期の通期連結業績見通しは、売上高が1兆7000億円(1.1%増)、営業利益が770億円(1.3%増)、経常利益が760億円(1.1%増)、親会社に帰属する純利益が503億円(6.9%増)。30年までに売上高が3兆円、営業利益が2000億円という中長期的な計画に変更はない。(BCN・大蔵大輔)
消費増税や新型コロナウイルス感染拡大による影響は大きかったものの、連続増収増益は途切れなかった。89年以来、今期で31期連続で達成。伸び幅は、売上高・営業利益・経常利益のいずれも2ケタ増となっており、外部要因に対する底力の強さをみせた。
インバウンドについては、“蒸発”と表現するほどの大打撃を受けた。前年は単月で50億~60億円の売上高があったが、今年は2月以降、急落して4~6月にかけてはほぼ壊滅した。一方で、マスクや除菌・殺菌グッズ、巣篭もり需要カテゴリは好調で落ち込みを穴埋めした。
代表取締役社長の吉田直樹CEOが「一段落」としたユニーグループの業態転換や既存転換の底上げが順調に推移していることも、押し上げ要因となった。稼働一年未満の店舗では平均して売上高が40%増、客数が25%増、粗利益高が36%増を記録。加えて、海外店舗も地元のニーズを捉えて、前期比18.1%増と好調だ。
業績は数字の上では堅調だが、消費スタイルの変化や新型コロナの影響が長引く懸念から来期以降の見通しには慎重だ。吉田CEOは、「従来通りにはいかない。今までうまくやっていたことも変えていく必要がある」と抜本的な改革を加速する姿勢をみせた。
PPIHのお家芸ともいえる新規出店とM&Aによる拡大方針にも、見直しをかける。今後は、システム投資に力を入れ、買い場もロジスティックに改革し、さらに販売体制の強化を狙う考えだ。12日に発表された人事では、ファミリーマート取締役の久保勲氏を社外取締役に迎えたことに象徴されるように、外部資本との連携にも意欲的だ。
32期の通期連結業績見通しは、売上高が1兆7000億円(1.1%増)、営業利益が770億円(1.3%増)、経常利益が760億円(1.1%増)、親会社に帰属する純利益が503億円(6.9%増)。30年までに売上高が3兆円、営業利益が2000億円という中長期的な計画に変更はない。(BCN・大蔵大輔)