自宅にいながら自転車レースに参加可能! 運動と交流を楽しめる自転車フィットネスサービス「Zwift」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は収まる気配を見せておらず、外出に気を遣う生活が続きそうだ。そんな状況下という理由もあるのだろう、「リングフィット アドベンチャー」をはじめ、自宅内でフィットネスを楽しむデバイスやサービスへの人気が高まっているように思える。
そんな折、筆者がよく通う自転車店では、自宅でサイクリングを楽しめるフィットネスサービス「Zwift(ズイフト)」と、Zwift用の機材が展示されていた。特別に使わせてもらったところ、これがなかなか面白い。そこで本稿では、Zwiftとはどういうサービスで、実際に始めるにはどういう機材が必要かについてざっくり紹介したい。
使用するローラー台によっては、坂道を登っていれば負荷が重くなったり、走行中の人の真後ろにつくとスリップストリーム効果により負荷が軽くなったりと、リアルに近い感覚で走れるのも特徴だ。そのうえ、他のユーザーとリアルタイムで競い合えたり、グループで走れるイベントも日々開催されていたりと、モチベーションを維持しやすい。
Zwiftを使ったバーチャルレースも活発に催されている。直近の大きなバーチャルレースといえば、「バーチャル ツール・ド・フランス」だ。これは、世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」の開催が8月に延期したことを受けて、本来の開催期間である7月に行うというもの(7月4日から3週連続にわたって週末に開催)。2019年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたエガン・ベルナル選手なども参戦する、気合いの入ったプロレースだ。日本でも、ヒルクライムレースとして有名な「Mt.富士ヒルクライム」の中止に伴い(9月に延期を検討中ではある)、6月に「Virtual Mt.Fuji Hill Climb」が開催された。このように、大規模なレースでも使われるほど支持されているサービスである。
スポーツバイクはクロスバイク・ロードバイクなど、ローラー台にセットできるものであればなんでもいい。とりあえずはじめてみるなら、通勤に使っていたり、買ってみたはいいものの埃を被ってしまっていたりするスポーツバイクで十分だろう。
ローラー台は価格も製品も幅広い。予算が十分にあり、Zwiftを本格的に楽しみたいなら「スマートトレーナー」と呼ばれる機材を選ぶと良いだろう。自動で負荷を変更してくれるので、実走に近い感覚でバーチャルライドを楽しめる。また、価格帯によって搭載される機能は異なるが、ユーザーのケイデンス(1分間あたりにクランクを回す回数)やスピード、パワーなどの測定も可能だ。なお、スマートトレーナーは、後輪を外して代わりに装着する「ダイレクトドライブ式」が多い。このタイプは静音性も高く、便利なのは間違いないのだが、たいてい10万円をオーバーする。ポンと買えるものではない。
価格を抑えて楽しむなら、後輪のシャフトを固定し、タイヤをローラーに押しつける「タイヤドライブ式」の「固定ローラー」が良い。クラシックなスタイルのローラー台で、およそ1万円台から入手できる。その代わり、スマートトレーナーのような自動負荷調整機能などは非搭載、ダイレクトドライブ式よりも発生する音が大きい、タイヤが削れてカスが飛散する、といった欠点もある(タイヤドライブ式のスマートトレーナーもあるにはある)。価格とのトレードオフだと考えてほしい。
スピードやパワーなどを測定するセンサーについては、先述の通りスマートトレーナーであれば搭載されていることが多いが、何をどこまで測定してくれるのかは製品ごとに異なる。あらかじめチェックしておこう。固定ローラーを使うなら、センサー類は自転車に取り付ける必要があることも覚えておこう。
あとは、スマートトレーナーでも心拍データは取れないので、専用のデバイスも用意しよう(Apple Watchなど心拍データが取れるスマートウォッチ類でも連携可能)。センサーが取得したデータをPCやスマホに飛ばす際の通信方式は、ANT+かBluetoothである。スマートトレーナーはたいてい両対応で、自転車に付けるタイプのセンサーはモノによってまちまち。また、ANT+で通信するなら、PC側にはANT+通信を可能にするUSBドングルが必要である。スマホ・タブレットを利用するなら、Bluetooth対応のセンサーを選んでおこう。
あとは、振動や音を軽減するためのマットや、体温が上がりすぎないように、扇風機・サーキュレーターも用意した方が無難である。環境構築に手間取りそうだが、すでにスポーツバイクを持っていて、自室内のスペースに余裕があるなら、Zwiftの導入を検討してみてはいかがだろうか。
「Acerのスマートトレーナー最新機種『Xplova NOZA S』は、初回ロットだと注文開始から2日で完売、2回目のロットもあっという間に完売しました。Xplova NOZA Sはコストパフォーマンスに優れた製品なので、すべて捌けるとは思っていましたが、まさかここまで早く売り切れるとは予想していませんでした。弊社は自転車店に卸売しているので、完売=すべてのXplova NOZA Sがエンドユーザーへ行き渡っている、と断言できるわけではありません。しかしながら、自転車店に話を聞くと完売しているケースが多いため、ほぼその通りと考えて良さそうです。Zwiftをしたいからスマートトレーナーとスポーツバイクのフレームがほしい、と仰るお客さまもいたそうです」と話す。(浦辺制作所・藤縄 優佑)
そんな折、筆者がよく通う自転車店では、自宅でサイクリングを楽しめるフィットネスサービス「Zwift(ズイフト)」と、Zwift用の機材が展示されていた。特別に使わせてもらったところ、これがなかなか面白い。そこで本稿では、Zwiftとはどういうサービスで、実際に始めるにはどういう機材が必要かについてざっくり紹介したい。
自宅に居ながら他のユーザーと競い合えるZwift
Zwiftは、屋内でスポーツバイクによるフィットネスを楽しめるサービスだ。スポーツバイクやローラー台と連携することで、3Dグラフィックで描かれたコース上を、ペダルを踏んで走り回れる。当然ながら実走時のように信号待ちなども発生しないので、ひたすら自転車をこぐことになり、短時間でもかなりの運動量になる。使用するローラー台によっては、坂道を登っていれば負荷が重くなったり、走行中の人の真後ろにつくとスリップストリーム効果により負荷が軽くなったりと、リアルに近い感覚で走れるのも特徴だ。そのうえ、他のユーザーとリアルタイムで競い合えたり、グループで走れるイベントも日々開催されていたりと、モチベーションを維持しやすい。
Zwiftを使ったバーチャルレースも活発に催されている。直近の大きなバーチャルレースといえば、「バーチャル ツール・ド・フランス」だ。これは、世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」の開催が8月に延期したことを受けて、本来の開催期間である7月に行うというもの(7月4日から3週連続にわたって週末に開催)。2019年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたエガン・ベルナル選手なども参戦する、気合いの入ったプロレースだ。日本でも、ヒルクライムレースとして有名な「Mt.富士ヒルクライム」の中止に伴い(9月に延期を検討中ではある)、6月に「Virtual Mt.Fuji Hill Climb」が開催された。このように、大規模なレースでも使われるほど支持されているサービスである。
Zwiftを楽しむために必要な機材
Zwiftに必要な主な機材は、「デバイス(PCもしくはスマホ)」「スポーツバイク」「センサー」「ローラー台」の4つ。ZwiftはWindows/Mac/Android/iOS/Apple TVに対応しているので、デバイスはPC(+ディスプレイ)もしくはスマホ・タブレットがあればOKだ。なお、Zwiftは月額1650円(税込)かかる。アカウントを登録し、走り出してから7日間または25kmまでは無料で利用可能だ。スポーツバイクはクロスバイク・ロードバイクなど、ローラー台にセットできるものであればなんでもいい。とりあえずはじめてみるなら、通勤に使っていたり、買ってみたはいいものの埃を被ってしまっていたりするスポーツバイクで十分だろう。
ローラー台は価格も製品も幅広い。予算が十分にあり、Zwiftを本格的に楽しみたいなら「スマートトレーナー」と呼ばれる機材を選ぶと良いだろう。自動で負荷を変更してくれるので、実走に近い感覚でバーチャルライドを楽しめる。また、価格帯によって搭載される機能は異なるが、ユーザーのケイデンス(1分間あたりにクランクを回す回数)やスピード、パワーなどの測定も可能だ。なお、スマートトレーナーは、後輪を外して代わりに装着する「ダイレクトドライブ式」が多い。このタイプは静音性も高く、便利なのは間違いないのだが、たいてい10万円をオーバーする。ポンと買えるものではない。
価格を抑えて楽しむなら、後輪のシャフトを固定し、タイヤをローラーに押しつける「タイヤドライブ式」の「固定ローラー」が良い。クラシックなスタイルのローラー台で、およそ1万円台から入手できる。その代わり、スマートトレーナーのような自動負荷調整機能などは非搭載、ダイレクトドライブ式よりも発生する音が大きい、タイヤが削れてカスが飛散する、といった欠点もある(タイヤドライブ式のスマートトレーナーもあるにはある)。価格とのトレードオフだと考えてほしい。
スピードやパワーなどを測定するセンサーについては、先述の通りスマートトレーナーであれば搭載されていることが多いが、何をどこまで測定してくれるのかは製品ごとに異なる。あらかじめチェックしておこう。固定ローラーを使うなら、センサー類は自転車に取り付ける必要があることも覚えておこう。
あとは、スマートトレーナーでも心拍データは取れないので、専用のデバイスも用意しよう(Apple Watchなど心拍データが取れるスマートウォッチ類でも連携可能)。センサーが取得したデータをPCやスマホに飛ばす際の通信方式は、ANT+かBluetoothである。スマートトレーナーはたいてい両対応で、自転車に付けるタイプのセンサーはモノによってまちまち。また、ANT+で通信するなら、PC側にはANT+通信を可能にするUSBドングルが必要である。スマホ・タブレットを利用するなら、Bluetooth対応のセンサーを選んでおこう。
あとは、振動や音を軽減するためのマットや、体温が上がりすぎないように、扇風機・サーキュレーターも用意した方が無難である。環境構築に手間取りそうだが、すでにスポーツバイクを持っていて、自室内のスペースに余裕があるなら、Zwiftの導入を検討してみてはいかがだろうか。
サイクルトレーナーの売れ行きは?
最後に、余談ではあるがサイクルトレーナーの売れ行きについてに聞いてきた。答えてもらったのは、自転車関連製品ブランド「Xplova」を取り扱う日本コンピュータ・ダイナミクスの社員。「Acerのスマートトレーナー最新機種『Xplova NOZA S』は、初回ロットだと注文開始から2日で完売、2回目のロットもあっという間に完売しました。Xplova NOZA Sはコストパフォーマンスに優れた製品なので、すべて捌けるとは思っていましたが、まさかここまで早く売り切れるとは予想していませんでした。弊社は自転車店に卸売しているので、完売=すべてのXplova NOZA Sがエンドユーザーへ行き渡っている、と断言できるわけではありません。しかしながら、自転車店に話を聞くと完売しているケースが多いため、ほぼその通りと考えて良さそうです。Zwiftをしたいからスマートトレーナーとスポーツバイクのフレームがほしい、と仰るお客さまもいたそうです」と話す。(浦辺制作所・藤縄 優佑)