総務省が6月30日に発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査」によると、日本のスマートフォン(スマホ)の月額料金はMNOとMVNOのいずれも、世界6都市と比較して中位から高い水準にあることが分かった。データ容量月20GBに限ってみれば、MNOは6都市の中で最も高く、MVNOは2位の高さだった。
調査は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの世界6都市で2020年3月に実施したもの。日本の調査対象事業は、スマホのMNOがNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社、スマホのMVNOが楽天モバイル(MNOの楽天モバイルではない)となっている。
スマホのMNOの場合、上位3社のうち最も安いポストペイド型の一般コンシューマ向け(新規契約)月額料金で、1カ月のデータ容量2GBは東京で2758円となり、ニューヨーク(5740円)とソウル(2830円)に次ぐ3位だった。月のデータ容量5GBは東京で3858円となり、やはりニューヨーク、ソウルに次ぐ3位でいずれも中位となった。
一方でデータ容量月20GBの大容量プランだと、東京は6877円で世界トップ。ニューヨーク(6865円)やソウル(6004円)よりも高かった。一番安いパリ(2055円)との差は約3倍だった。
ちなみに、18年9月の同じ調査でも、東京の月20GBは7022円で、パリ(2460円)の約3倍。2年前から状況は変わっていない。
<関連記事>
総務省調べ、日本の携帯料金は月7000円でパリの3倍
https://www.bcnretail.com/market/detail/20180920_86509.html
シェア1位のNTTドコモに絞ってみると、月2GBは東京が5150円でニューヨーク(6302円)に次ぐ2位、月5GBも6250円でニューヨーク(6865円)に次ぐ2位となった。月20GBは東京で8175円となり、ニューヨーク(7990円)を上回る1位の高さとなった。
スマホのMVNOの調査対象事業者は楽天モバイル。東京で月2GBで2455円となりニューヨーク(2926円)に次ぐ2位、月5GBで3302円となりニューヨーク(4051円)に次ぐ2位、月20GBで6162円となりニューヨーク(6302円)に次ぐ2位だった。
菅義偉官房長官は6月30日の会見での、この調査についての質問に「東京の料金水準は諸外国と比べて依然として高い水準にあり、大手3社の利益率も20%と高止まりしていることから大幅な引き下げの余地がある。大手3社がシェア9割の寡占状態はまったく変わっていない」と応えた。
菅官房長官は2年前の2018年8月にも「携帯料金は4割下げる余地がある」と発言。このときも「内外価格差調査」をベースにしたのではないかと取りざたされた。そして、菅官房長官の発言が引き金となり、総務省による19年10月1日の電気通信事業法の改正につながり、携帯端末と通信料金の完全分離がスタートした。
「大幅な引き下げの余地がある」発言は、以前と状況がまったく同じように重なって見えるのだが、菅官房長官は会見で「具体的には、まだまだこれからだ」と料金水準の引き下げへの意欲を示した。(BCN・細田 立圭志)
調査は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの世界6都市で2020年3月に実施したもの。日本の調査対象事業は、スマホのMNOがNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社、スマホのMVNOが楽天モバイル(MNOの楽天モバイルではない)となっている。
スマホのMNOの場合、上位3社のうち最も安いポストペイド型の一般コンシューマ向け(新規契約)月額料金で、1カ月のデータ容量2GBは東京で2758円となり、ニューヨーク(5740円)とソウル(2830円)に次ぐ3位だった。月のデータ容量5GBは東京で3858円となり、やはりニューヨーク、ソウルに次ぐ3位でいずれも中位となった。
一方でデータ容量月20GBの大容量プランだと、東京は6877円で世界トップ。ニューヨーク(6865円)やソウル(6004円)よりも高かった。一番安いパリ(2055円)との差は約3倍だった。
ちなみに、18年9月の同じ調査でも、東京の月20GBは7022円で、パリ(2460円)の約3倍。2年前から状況は変わっていない。
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スマホのMVNOの調査対象事業者は楽天モバイル。東京で月2GBで2455円となりニューヨーク(2926円)に次ぐ2位、月5GBで3302円となりニューヨーク(4051円)に次ぐ2位、月20GBで6162円となりニューヨーク(6302円)に次ぐ2位だった。
菅義偉官房長官は6月30日の会見での、この調査についての質問に「東京の料金水準は諸外国と比べて依然として高い水準にあり、大手3社の利益率も20%と高止まりしていることから大幅な引き下げの余地がある。大手3社がシェア9割の寡占状態はまったく変わっていない」と応えた。
菅官房長官は2年前の2018年8月にも「携帯料金は4割下げる余地がある」と発言。このときも「内外価格差調査」をベースにしたのではないかと取りざたされた。そして、菅官房長官の発言が引き金となり、総務省による19年10月1日の電気通信事業法の改正につながり、携帯端末と通信料金の完全分離がスタートした。
「大幅な引き下げの余地がある」発言は、以前と状況がまったく同じように重なって見えるのだが、菅官房長官は会見で「具体的には、まだまだこれからだ」と料金水準の引き下げへの意欲を示した。(BCN・細田 立圭志)