コロナ禍で一気にテレワークが広がり、オンライン会議が当たり前になった。面と向かったリアルな会議との違いは、会話のしにくさ。意思疎通がままならず、ストレスに感じる場面も多いだろう。しかし、ちょっとした工夫で快適な環境に近づく。会議の大半は、「発言する」「発言を聞く」の二つが占めている。ポイントは「音」だ。「マイクとスピーカー」を整備すれば、自然な感覚でオンライン会議に参加できる。
音楽を聴くにはスピーカーにこだわっても、会議だからとおざなりになっていないだろうか。「どうせ声だけだから」と聞き取りにくいPC内蔵スピーカーですませるとストレスがたまる。会議の声も、しっかりした品質の高い外部スピーカーで聞くようにすると、格段に聞き取りやすくなる。会議室で普通に会話する感覚だ。マイクも同様。品質のいいマイクを使えば、相手に自然な声が届き、コミュニケーションの質が高まる。
ゲーミングヘッドセットでオンライン会議に臨むというパターンもある。ヘッドセット付けた姿を画面に映し出せば「本格感・本気度」は伝わるが、必ずしも快適とはいい難い。ヘッドホンを付けて会話をすると、自分の声が聞こえにくく、違和感がぬぐえない。時間が長引けば耳も痛くなってくる。
実は、マイクの音質も会議向きではない。ゲーミングヘッドセットのマイクは、人の声が確実に伝わるよう、1kHz付近を強調し高音と低音をカットした製品が多い。会話の快適さよりも、確実性重視の連絡用だ。言葉は伝わるが、耳に刺さるような音質になってしまう。
通話用に設計された、スマートホン(スマホ)用のイヤホンマイクは、音質も自然で会議に使っても違和感は小さい。最も安価にオンライン会議の音の質を上げるのは、スマホ購入時に付属するイヤホンマイクを使うことだ。ただ、イヤホンをしたままの会話にも、多少違和感は残り、あまり快適とはいえない。マイクも、PC内蔵のものよりは多少ましだが、音質はそれなりだ。
オンライン会議でおすすめなのは、Bluetoothスピーカーと外付けUSBマイクとの組み合わせ。音楽好きなら、多少いい音が出るBluetoothスピーカーの一つや二つは持っているだろう。これを活用すれば、リラックスしてオンライン会議に参加できる。音質が良ければ、聞き取りやすくなりストレスも和らぐ。スピーカーの有線接続は何かと面倒なので、Bluetooth接続がいい。線がないので、置き場所を選ばないのも便利だ。
マイクは、単体の製品がいい。さすがに、単体のマイクを持っている人はごくわずかだろう。新しく購入、となれば製品選びは重要だ。価格は、数千円から数十万円までとさまざま。音質の良し悪しも傾向もかなり違う。購入前にマイクの音質を試すの難しいが、YouTubeに多数投稿されているマイクのレビュー動画が参考になるだろう。問題は接続方法。PCのUSB端子に接続するだけで使えるUSBマイクが、数多く販売されている。手軽に使うならUSBマイクがいい。
オンライン会議で、実際に手持ちのBluetoothスピーカー、BOSEの「Sound Link Mini」と、新たに購入した中国メーカーFIFINEのコンデンサーマイク「K669B」の組み合わせを試した。Sound Link Miniは、旅の友として多用しているスピーカーで、低音の豊かさに定評がある。K669Bは、YouTuberに大量にばらまいてプロモーションをかけたため、あちこちでレビューを見かけ評価も高い。
実際に使ってみると、評判にたがわぬ高音質だった。数万円のマイクともいい勝負だ。日本の通販サイトで3000円を切る価格で購入できた時期もあったが、コストパフォーマンスが高いと評判になり、あっという間に倍以上の価格に値上がりしてしまった。到着までほぼ1カ月かかったが、安さ重視で中国のFIFINから3000円余りで直接購入した。
マイクといえば、カラオケなどで使われている「ダイナミックマイク」が一般的。感度が低めで、周辺の雑音は拾いにくい。近づいて使うことを想定したマイクだ。多少騒がしい場所なら、ダイナミックマイクがいいだろう。
一方、今回試した「コンデンサーマイク」は感度が高く繊細な音が拾えることに加え、周囲の生活音も拾いやすい。音楽やナレーションなどプロのレコーディングでも多用されている。昔なら、数万円数十万円というのが当たり前の高級品だった。それが、3000円程度で手に入るなら、会議用に使ってみても面白い。高感度なコンデンサーマイクなら、20~30cm程度離れて話しても自然な感じで音を拾うことができる。
オンライン会議中マイクを持ったままでは疲れる。握りなおすと、雑音も入りやすい。マイクスタンドやアームは必要だ。机にマイクを置くと、キーボードの音だけでなく振動も拾ってしまうので、「ショックマウント」という、振動を軽減するアタッチメントもほしい。
場合によっては、パ行などの破裂音がマイクに入らないように防ぐ「ポップガード」という、金魚すくいのようなオプションも付けたくなる。気が付くとスタジオ機材のようになってしまう。マイクの環境整備はいろいろと大変だ。しかし、それだけの効果はあるだろう。
在宅勤務で家族もいる環境だと、スピーカーを使ってのオンライン会議はなかなかやりにくい。しかし、もし可能なら、スピーカーとマイクを使ったオンライン会議の音改善、ぜひ試してみてほしい。(BCN・道越一郎)
音楽を聴くにはスピーカーにこだわっても、会議だからとおざなりになっていないだろうか。「どうせ声だけだから」と聞き取りにくいPC内蔵スピーカーですませるとストレスがたまる。会議の声も、しっかりした品質の高い外部スピーカーで聞くようにすると、格段に聞き取りやすくなる。会議室で普通に会話する感覚だ。マイクも同様。品質のいいマイクを使えば、相手に自然な声が届き、コミュニケーションの質が高まる。
ゲーミングヘッドセットでオンライン会議に臨むというパターンもある。ヘッドセット付けた姿を画面に映し出せば「本格感・本気度」は伝わるが、必ずしも快適とはいい難い。ヘッドホンを付けて会話をすると、自分の声が聞こえにくく、違和感がぬぐえない。時間が長引けば耳も痛くなってくる。
実は、マイクの音質も会議向きではない。ゲーミングヘッドセットのマイクは、人の声が確実に伝わるよう、1kHz付近を強調し高音と低音をカットした製品が多い。会話の快適さよりも、確実性重視の連絡用だ。言葉は伝わるが、耳に刺さるような音質になってしまう。
通話用に設計された、スマートホン(スマホ)用のイヤホンマイクは、音質も自然で会議に使っても違和感は小さい。最も安価にオンライン会議の音の質を上げるのは、スマホ購入時に付属するイヤホンマイクを使うことだ。ただ、イヤホンをしたままの会話にも、多少違和感は残り、あまり快適とはいえない。マイクも、PC内蔵のものよりは多少ましだが、音質はそれなりだ。
オンライン会議でおすすめなのは、Bluetoothスピーカーと外付けUSBマイクとの組み合わせ。音楽好きなら、多少いい音が出るBluetoothスピーカーの一つや二つは持っているだろう。これを活用すれば、リラックスしてオンライン会議に参加できる。音質が良ければ、聞き取りやすくなりストレスも和らぐ。スピーカーの有線接続は何かと面倒なので、Bluetooth接続がいい。線がないので、置き場所を選ばないのも便利だ。
マイクは、単体の製品がいい。さすがに、単体のマイクを持っている人はごくわずかだろう。新しく購入、となれば製品選びは重要だ。価格は、数千円から数十万円までとさまざま。音質の良し悪しも傾向もかなり違う。購入前にマイクの音質を試すの難しいが、YouTubeに多数投稿されているマイクのレビュー動画が参考になるだろう。問題は接続方法。PCのUSB端子に接続するだけで使えるUSBマイクが、数多く販売されている。手軽に使うならUSBマイクがいい。
オンライン会議で、実際に手持ちのBluetoothスピーカー、BOSEの「Sound Link Mini」と、新たに購入した中国メーカーFIFINEのコンデンサーマイク「K669B」の組み合わせを試した。Sound Link Miniは、旅の友として多用しているスピーカーで、低音の豊かさに定評がある。K669Bは、YouTuberに大量にばらまいてプロモーションをかけたため、あちこちでレビューを見かけ評価も高い。
実際に使ってみると、評判にたがわぬ高音質だった。数万円のマイクともいい勝負だ。日本の通販サイトで3000円を切る価格で購入できた時期もあったが、コストパフォーマンスが高いと評判になり、あっという間に倍以上の価格に値上がりしてしまった。到着までほぼ1カ月かかったが、安さ重視で中国のFIFINから3000円余りで直接購入した。
マイクといえば、カラオケなどで使われている「ダイナミックマイク」が一般的。感度が低めで、周辺の雑音は拾いにくい。近づいて使うことを想定したマイクだ。多少騒がしい場所なら、ダイナミックマイクがいいだろう。
一方、今回試した「コンデンサーマイク」は感度が高く繊細な音が拾えることに加え、周囲の生活音も拾いやすい。音楽やナレーションなどプロのレコーディングでも多用されている。昔なら、数万円数十万円というのが当たり前の高級品だった。それが、3000円程度で手に入るなら、会議用に使ってみても面白い。高感度なコンデンサーマイクなら、20~30cm程度離れて話しても自然な感じで音を拾うことができる。
オンライン会議中マイクを持ったままでは疲れる。握りなおすと、雑音も入りやすい。マイクスタンドやアームは必要だ。机にマイクを置くと、キーボードの音だけでなく振動も拾ってしまうので、「ショックマウント」という、振動を軽減するアタッチメントもほしい。
場合によっては、パ行などの破裂音がマイクに入らないように防ぐ「ポップガード」という、金魚すくいのようなオプションも付けたくなる。気が付くとスタジオ機材のようになってしまう。マイクの環境整備はいろいろと大変だ。しかし、それだけの効果はあるだろう。
在宅勤務で家族もいる環境だと、スピーカーを使ってのオンライン会議はなかなかやりにくい。しかし、もし可能なら、スピーカーとマイクを使ったオンライン会議の音改善、ぜひ試してみてほしい。(BCN・道越一郎)