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ファーウェイがApple、Googleに次ぐ「第三極」に名乗り、独自アプリストアの普及目指す

 「アプリストアのAppGalleryは、Google Play、AppStoreに次ぐ第3の選択肢になる」。ファーウェイ・ジャパンが6月2日に開催したスマートフォン「HUAWEI P40 Pro 5G」などの新製品発表会の中で、AppGalleryが今後のファーウェイモバイルサービス(HMS)の中核を担っていくことをアピールした。

AppGalleryで示されたアプリの一例

 ファーウェイがAppGalleryのビジョンを発表したのは2020年3月2日。同月26日に日本に先行する形で発表したAndroidスマートフォン「HUAWEI P40」シリーズは、AndroidをベースにしたEMUIというOSを搭載するが、Googleが提供するGmailやGoogle MAP、Google Driveに対応していなかった。また、アプリもGoogle Playからダウンロードすることができなかった。

 そのときファーウェイがアピールしたのがAppGallaryという「第三の選択肢」なのだが、まだ国内のユーザーにおなじみのアプリはメルカリやU-NEXT、TikTokぐらいしかなかった。

 しかし今回、それからわずか2カ月で身近なアプリが増えていることが明らかになった。カテゴリーは18に及び、例えば、ソーシャルでLINE、ショッピングで楽天、Amazon、ビックカメラ、ツールでマイクロソフトのOffice、トラベルでナビタイム、ブッキング・ドットコム、トリバゴ、、ライフスタイルでクックパッドやヤマト、ZARAといったように多くのユーザーが知るアプリが急増していたのだ。
 
AppStore、Google Playに次ぐ「第三の選択肢」に名乗りをあげたファーウェイ

 ファーウェイのAppGalleryは、170カ国以上でサービスを展開し、月間アクティブユーザーが4億人超、アプリの開発者登録数が140万人以上に上るという。
 

 また、会見で披露されたデモで興味深かったのが「HUAWEI Quick App」という機能。AppGalleryのアプリをインストールするためのアイドルタイムが不要で、アプリをタップするだけですぐに使えるのだ。「インストールが不要なため、ちょっとした空き時間でも簡単にゲームすることができる」といった使い方に最適だ。

 さらに、インストールするために内蔵メモリを消費しない仕組みのため、ハード側のスペックによってアプリの数が制限されることもないという。
 
AppGalleryのエコシステムの普及を狙うファーウェイ

 会見では、AppGalleryのアプリ開発者からのコメントも紹介。U-NEXTのマーケティング部の前田弘之部長は「ファーウェイは、日本にも専門の技術チームがあり、直接サポートを受けられるため、円滑にアプリの開発が進められた」と、スムーズなアプリ開発によって国内で増えているファーウェイ端末のユーザーにリーチできるメリットを説明した。

 同じくパートナーでお絵描きアプリ「アイビスペイント」を開発するアイビスのモバイル事業部の井亦大典部長は、「中国市場に強いファーウェイと組むことで中国のユーザー獲得を期待したい」と、新しい市場開拓の足掛かりとして期待を寄せる。

 米中貿易摩擦のはざまで左右されるファーウェイだが、今回の発表会では最先端のテクノロジーを豊富に搭載した端末を他社のプラットフォームに頼るのではなく、AppGalleryによる独自のエコシステムの普及をあらためて表明した形だ。スマートフォンプラットフォーマーの第三極の座を狙うための第一歩を踏み出したといえる。(BCN・細田 立圭志)