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ノジマの2020年3月期決算、接客の質を高めて営業利益が17.5%増の大幅増益

経営戦略

2020/05/13 18:00

 ノジマが5月12日に発表した2020年3月期連結決算は増収増益を確保した。売上高は5239億6800万円(前期比2.1%増)、営業利益は225億8200万円(17.5%増)、経常利益は242億1800万円(15.1%増)、親株会社に帰属する当期純利益は159億1100万円(7.4%増)の増収減益となった。


 部門別にみるとデジタル家電事業は、売上高は2161億3500万円(0.2%減)とわずかに減収だったが、セグメント利益は136億6100万円(17.9%増)と大幅な増益となった。

 冷夏や暖冬の影響があったもののエアコンが横ばいで推移したほか、冷蔵庫や洗濯機が堅調に推移し、オリンピックに向けたテレビの買い替えや、Windows 7のサポート終了や新型コロナウイルスによる在宅勤務の広がりでPC本体などが好調だった。

 また、利益面の改善は、顧客の要望に沿ったコンサルティングセールスによる接客が質を求める顧客ニーズと合致して、売上総利益(粗利)が伸長したことによる。ただ、期末における新型コロナの影響で足下の状況は非常に厳しい状況にあるという。

 キャリアショップ事業は、2019年10月の電気通信事業法の一部改正で、販売競争の抑制と買い替えサイクルの長期化の影響を受けて需要が低迷。人材育成へと投資として採用や教育、研修などを充実させたものの、主要子会社のアイ・ティー・エックスが市場の冷え込みや新型コロナ対策で一部店舗の休業を行ったことから、売上高は2074億4100万円(12.9%減)、セグメント利益は67億7300万円(3.5%増)となった。

 インターネット事業は、NTT東日本とNTT西日本のフレッツ光の卸サービス「@nifty光」をグループ店舗で販売したり、効率的な新規顧客の獲得を進めた。また、ウェブサービス事業部門でマーケットプレイス領域での成果報酬型広告が堅調に推移したことなどにより、売上高は479億900万円(4.8%減)、セグメント利益は34億3800万円(24.5%増)となった。

 前年度末から開示した海外事業は、これまでの自社クレジットの供与を強みとした戦略を転換し、構造改革による販管費の削減や過度なクレジット販売の抑制などにより、売上高は466億900万円、セグメント損失は1億2300万円と低調だった。

 2021年3月期の業績予想は、新型コロナの影響の合理的な把握が困難として非公表とした。