【記者のひとこと】アキバの動きも無縁じゃない

コラム

2020/04/27 10:00

 世界有数の電気街として名をはせる東京・秋葉原(アキバ)。今では、ゲームやアニメなどサブカルチャー関連のイメージの方が強いかもしれませんが、ラジオ部品の販売に始まった電子機器の流通も、店舗数こそ少なくなったとはいえまだまだ健在です。例えば、マザーボードなどのPCパーツだけを見ても、それらが店頭で豊富に陳列され、目で見て手にとって選べる街は、世界の中でもこの秋葉原が随一といえるでしょう。

 そんな秋葉原のPCパーツ売り場で近年目立った成長を見せているのが、AMDのCPU「Ryzen(ライゼン)」です。昨年6月にCPU単体の販売でインテルを抜き(※)、念願のシェア逆転を果たしたことは話題になりました。加えて、メーカー製PCでの採用も拡大しているといいます。(※「BCNランキング」の実売データによる)

 AMDはRyzenに続いて、サーバー用CPUの「EPYC(エピック)」も発売しています。秋葉原の店頭の動きとサーバー市場は一見すると無関係に思えますが、日本AMDの林田裕代表によると、実はEPYCは、Ryzenと同じチップを複数並べることで最大64コアを実現しているとのこと。Ryzenがたくさん売れると、量産効果でEPYCのコストも下がります。秋葉原の店頭の動きが、サーバーの価格にも影響し得るというのは興味深い話です。(日高 彰)

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