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JVCケンウッドのアマチュア無線機が国際宇宙ステーションに搭載決定

時事ネタ

2020/03/16 17:30

 JVCケンウッドのアマチュア無線機「TM-D710GA」が、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されることが決定した。

アマチュア無線機「TM-D710GA」

 同社では、長年培った「無線」技術を生かして、警察・消防・救急などで使用される業務用無線からアマチュア無線まで、高品質・高信頼性を実現した無線システムをグローバルに供給してきた。これらの実績が評価され、同社のアマチュア無線機は旧ソビエト連邦が打ち上げた「MIR(ミール)」に搭載された。

 96年に「TM-733E/A」、次いで98年に「TM-V7A」が採用となり、それぞれパケット通信サービスや静止画像送信といった目的を果たした。

 また、宇宙でのアマチュア無線機の運用を通して科学/宇宙教育の振興を図るために設立されたARISS(Amateur Radio on the International Space Station)からの要望を受け、03年に同社製アマチュア無線機「TM-D700E」がISSに搭載されて以来、ISSへの搭載に向けたARISSからの仕様変更要望に対応した特別仕様モデルを提供してきた。

 今回、ISSに搭載されるTM-D710GAは、ARISSから次世代無線機として指名されたもので、重力がほとんどない状況での運用を想定した放熱性能や操作機能の向上・追加・変更を実施するなど、ISSでの使用を想定した特別仕様となっている。同機は、3月7日にSpaceXのCRS-20(Falcon9ロケット)で打ち上げられ、ISSの欧州実験棟「Columbus(コロンバス)」に搭載される予定。

 Columbusでは、世界中の子どもたちが宇宙との交信を体験するARISSのプログラム「スクールコンタクト」で活用されるとともに、静止画像を送信するSSTVやパケット通信、音声レピーターなどさまざまなシーンで運用されるほか、地球とISSの間の通信ネットワーク障害が生じた際にはバックアップの通信手段という重要な役割も担う予定。

 なお、同機は、20年末にISSのロシア・サービスモジュール「Zvezda(ズヴェズダ)」にも搭載される計画。