ヤマダ電機と大塚家具がコラボレーションした店舗が2月7日にオープンした。東京の池袋と大井町、大阪のなんばと千里の都市型店舗「LABI」4店での同時リニューアルオープンとなった。「LABI1 日本総本店 池袋」にはヤマダ電機の三嶋恒夫社長と大塚家具の大塚久美子社長が報道陣の囲み取材に応じ、家電とリフォーム、家具を合わせたシナジー効果が出せる売り場になったことをアピールした。
LABI1 日本総本店 池袋では、リフォームや健康機器、照明などを販売していた地下1階のフロアを「YAMADA×IDC OTSUKA」のフロアに全面改装した。3階の白物家電売り場や4階のテレビ売り場の一部にも同様のコーナーを設けた。年明けから約3週間かけてリニューアルしたという。
ヤマダ電機の三嶋社長は、「3年前から『家電住まいる館』で家電製品を売るだけでなく、生活シーンをどのようにして売っていくかに取り組んできた。家電と親和性の高いインテリアや家具を、色で結び付けてきたが、どうしてもボリュームゾーン中心の品揃えで家具のブランド力が弱かった。今回、大塚家具と一緒になったことで、お客様に満足いただけるシーン提案ができるようになった」と、より具体的で高級感のある提案ができるようになったと語った。
以前は、60型の大型テレビと低価格のソファを設置して、ちぐはぐな感じのコーナーもあったが、例えばソファなら、大塚家具の中では中級から低価格ゾーンにあたる30万円から10万円未満のものと組み合わせることで、他の家電量販店の売り場とは違う高級感を演出できるようになったという。
また三嶋社長は、今回のリニューアルが、これまでヤマダ電機が取り組んできたことの結実の一つとなったことをアピールした。
「2011年の地デジ移行に伴うテレビの買い替え需要が終わってから、少子高齢化や商品のコモディティ化で家電市場が縮小するとして住宅やリフォーム、不動産、金融などを手掛けてきた。お客様から見たら、さらにその上になんで家具なの?と不思議に思われたかもしれないが、ヤマダ電機はお客様の家の中で発生することのすべてを手掛けたいということで2011年からずっと取り組んできた。9年間かけて作り上げてきたことが、ようやくお客様に形として表現できるようになった」と語った。
大塚家具の大塚社長は、「われわれも家具だけ販売してきた中で、本来はインテリア全体がなければいけなかった。その要素である内装、リフォーム、家電のすべてが揃ったことで完成度の高い売り場になった。今後もさらに進化させていきたい」と語った。
三嶋社長と大塚社長が語ったことは、今回新たに打ち出した「CRAFT」というブランドに込められている。それぞれの頭文字はC(Color=色)、R(Renovation=リフォーム)、A(Appliance=家電)、F(Funiture=家具)、T(Total Cordination=全体コーディネート)を意味し、トータルパッケージ提案につなげる。
各シーンの提案は、CRAFTという統一コンセプトに基づいて五つのシリーズに落とし込んでいる。高級感のある「Forest Brown」、落ち着いた雰囲気の「Calm Brown」、ナチュラルテイストの「Nordic Nature」、清潔感あるホワイトを基調にした「Urban White」、シックでモダンな空間を提案する「Dawn Black」といった具合だ。
また、リニューアルに伴って、家電や住宅、リフォーム、保険・金融、家具・インテリアのすべてを提供するグループ全体のキャッチフレーズを「くらしをシアワセにする、ぜんぶ。」とした。
4階のテレビ売り場にも大塚家具のソファを大胆にレイアウト。50型以上のテレビの前にさまざまなタイプの高級ソファを展示した。
実際に座ることで、ソファの座り心地を確かめるとともに、自宅に設置したときのイメージもしやすいだろう。50型以下の小型サイズのテレビ売り場と一線を画すことで、ボリュームゾーンの40型の購入層のインチアップや単価アップを図る狙いがある。
課題がないわけでもない。来店客に夢を抱かせるショールーム化してしまうことと、実際の「売り」につなげられるかは別問題だからだ。メーカー別にテレビだけを並べた売り場よりは、例えばカップルなどが実際に座った時に満足すればセットで購入するなど、成約率を高めるための仕掛けは用意されている。それを生かすにも、スムーズに商談しながらクロージングまでもっていく販売員の提案力が求められそうだ。(BCN・細田 立圭志)
LABI1 日本総本店 池袋では、リフォームや健康機器、照明などを販売していた地下1階のフロアを「YAMADA×IDC OTSUKA」のフロアに全面改装した。3階の白物家電売り場や4階のテレビ売り場の一部にも同様のコーナーを設けた。年明けから約3週間かけてリニューアルしたという。
ヤマダ電機の三嶋社長は、「3年前から『家電住まいる館』で家電製品を売るだけでなく、生活シーンをどのようにして売っていくかに取り組んできた。家電と親和性の高いインテリアや家具を、色で結び付けてきたが、どうしてもボリュームゾーン中心の品揃えで家具のブランド力が弱かった。今回、大塚家具と一緒になったことで、お客様に満足いただけるシーン提案ができるようになった」と、より具体的で高級感のある提案ができるようになったと語った。
以前は、60型の大型テレビと低価格のソファを設置して、ちぐはぐな感じのコーナーもあったが、例えばソファなら、大塚家具の中では中級から低価格ゾーンにあたる30万円から10万円未満のものと組み合わせることで、他の家電量販店の売り場とは違う高級感を演出できるようになったという。
また三嶋社長は、今回のリニューアルが、これまでヤマダ電機が取り組んできたことの結実の一つとなったことをアピールした。
「2011年の地デジ移行に伴うテレビの買い替え需要が終わってから、少子高齢化や商品のコモディティ化で家電市場が縮小するとして住宅やリフォーム、不動産、金融などを手掛けてきた。お客様から見たら、さらにその上になんで家具なの?と不思議に思われたかもしれないが、ヤマダ電機はお客様の家の中で発生することのすべてを手掛けたいということで2011年からずっと取り組んできた。9年間かけて作り上げてきたことが、ようやくお客様に形として表現できるようになった」と語った。
大塚家具の大塚社長は、「われわれも家具だけ販売してきた中で、本来はインテリア全体がなければいけなかった。その要素である内装、リフォーム、家電のすべてが揃ったことで完成度の高い売り場になった。今後もさらに進化させていきたい」と語った。
三嶋社長と大塚社長が語ったことは、今回新たに打ち出した「CRAFT」というブランドに込められている。それぞれの頭文字はC(Color=色)、R(Renovation=リフォーム)、A(Appliance=家電)、F(Funiture=家具)、T(Total Cordination=全体コーディネート)を意味し、トータルパッケージ提案につなげる。
各シーンの提案は、CRAFTという統一コンセプトに基づいて五つのシリーズに落とし込んでいる。高級感のある「Forest Brown」、落ち着いた雰囲気の「Calm Brown」、ナチュラルテイストの「Nordic Nature」、清潔感あるホワイトを基調にした「Urban White」、シックでモダンな空間を提案する「Dawn Black」といった具合だ。
また、リニューアルに伴って、家電や住宅、リフォーム、保険・金融、家具・インテリアのすべてを提供するグループ全体のキャッチフレーズを「くらしをシアワセにする、ぜんぶ。」とした。
4階のテレビ売り場にも大塚家具のソファを大胆にレイアウト。50型以上のテレビの前にさまざまなタイプの高級ソファを展示した。
実際に座ることで、ソファの座り心地を確かめるとともに、自宅に設置したときのイメージもしやすいだろう。50型以下の小型サイズのテレビ売り場と一線を画すことで、ボリュームゾーンの40型の購入層のインチアップや単価アップを図る狙いがある。
課題がないわけでもない。来店客に夢を抱かせるショールーム化してしまうことと、実際の「売り」につなげられるかは別問題だからだ。メーカー別にテレビだけを並べた売り場よりは、例えばカップルなどが実際に座った時に満足すればセットで購入するなど、成約率を高めるための仕掛けは用意されている。それを生かすにも、スムーズに商談しながらクロージングまでもっていく販売員の提案力が求められそうだ。(BCN・細田 立圭志)