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単価は爆下げ ドコモ「ギガホ増量キャンペーン」は乗るべきか

オピニオン

2020/01/08 19:30

 NTTドコモは、1月1日からスマートフォン(スマホ)向けに「ギガホ増量キャンペーン」を開始した。このキャンペーンの損得勘定と狙いを考察する。

終了時期は未定。
終了する場合、1か月前までに告知するという

家族3人以上で最安4980円の「ギガホ」が何と月間60GBに増量!

 キャンペーンの対象は19年6月1日開始、10月1日一部変更を行った新料金プラン「ギガホ/ギガライト」の「ギガホ」のみ。旧料金プランは対象外という時点で、狙いは新料金プランへの移行にある点は明らかだ。
 
たっぷり使える月間60GB。他キャリアから家族3人以上で乗り換えるなら、
月額4980円または5980円×3で、毎月の通信料金は2万円以下に収まる

 また、キャンペーンの発表は年末の12月27日だった。1月1日~3日の三が日は休業のドコモショップもあり、「オンライン手続き」の利用促進も兼ねていると考えられる。わざわざショップに出向かなくとも可能な手続きは、出来る限り、オンラインで済ませてほしいのだ。
 
ショップでの待ち時間短縮のため、PCやスマホから手続きできる「My docomo」の利用を推進している。
慣れれば簡単なので未経験者はトライしてみよう

16年時点では300円だった1GBあたりの単価は116.3円に

 今回のギガホ増量キャンペーンは申し込みが不要。自動的に月間データ容量の上限が30GBから60GBにアップする。よって1GB当たりの単価は232.6円から116.3円まで大幅に下がる。ユーザーにとって不利益はないが、終了時期は未定となっており、例えば、たくさん動画を見るようになり、毎月平均50GB消費するようになった頃にキャンペーンが終了し、急に2GB分の利用(動画視聴)をやめられず、有料の追加チャージ料金分だけ、支出が増える可能性がある。

 ただ、通常30GB、キャンペーン期間中は60GBの上限を超過しても、ギガホ契約者なら送受信最大1Mbpsの通信速度で利用できる。1Mbpsなら動画視聴には支障はないと考えるなら、先に挙げた懸念は無用であり、まさに乗るべきキャンペーンといえるだろう。

各社とも囲い込みを強化 スマホ1回線のみの契約だと割高に

 「通信料金と端末代金の完全分離」義務化を受け、大手3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)は、家族割引が適用になる、家族3回線以上の契約を前提に料金例を提示するようになった。しかし、親族もパートナーもいない単身者や、月額料金の安さに惹かれて夫だけがMVNOに乗り換えた3人家族などは、「音声回線3回線以上」の条件を満たせないため、実際の支払額は料金例より高くなる。

 本来、「こうあるべき」と記者が考える順に紹介すると、ギガホの税別料金は月額6980円(2年間の定期契約あり、契約解除料1000円)、契約解除料のない定期契約なしだと月額7150円。ただし、同一「ファミリー割引」グループ内の対象音声回線数が「2」なら「みんなドコモ割」適用で月額6480円、「3以上」なら月額5980円まで下がる。

 さらに、同一「ファミリー割引」グループ内に固定回線(光ファイバー)の「ドコモ光」を契約している回線がある場合、「ドコモ光セット割」として、新料金プランでは回線ごとにずっと毎月1000円割引となり、料金例で提示された「月額4980円」となる。ドコモの「ファミリー割引」は、別居していても3親等以内なら最大20回線まで適用可能だが、注意事項を読む限り、なかなかハードルは高い。
 
新料金プランへの移行をうながす、複数のキャンペーンが走っているが……

 消費者が求める「料金値下げ」は、家族3回線以上・固定回線とのセット割適用といった条件付きではなく、あくまでも通常料金の引き下げにある。確かに1GBあたりの単価は3年前より下がり、新料金プランに移行しても、しなくともさほど変わらない水準になったが、今回の「ギガホ増量キャンペーン」にはあえて「NO」を突きつけると、よりお得なキャンペーンが始まるかもしれない。(BCN・嵯峨野 芙美)