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家に眠るスマホの査定はAIにおまかせ、エディオンの自動査定サービスを試した

 エディオンが国内初の取り組みとして2019年12月7日から順次店舗に導入しているスマートフォン(スマホ)の「AI自動査定・買取サービス」は、ユーザーが専用端末の画面に沿って操作するだけで、わずか3分間で査定や買取価格が表示される画期的なサービスだ。タンスに眠る未使用のスマホを査定してその場で売却して買い替えの足しにできるし、店舗にとってもスピーディーな査定業務が実現できる。さっそくエディオン広島本店を取材して試してみた。

エディオンのスマートフォン「AI自動査定・買取サービス」。
2019年12月7日から順次導入が進んでいる

 専用端末の導入は「エディオンなんば本店」や「中環東大阪店」の2店舗を皮切りに、横浜市のモザイクモール港北店(横浜市)、ららぽーと三郷店、豊田本店など次々と進んでいる。エディオン広島本店のスマホ売り場に設置されたのは19年12月20日。その翌日に店舗を訪れてみると、興味津々で試している顧客の姿があった。記者も並んで試してみることにした。
 
設置した翌日にはすでに興味を持つ顧客で賑わい話題になっていた

 使い方は簡単だ。まずは画面の指示に従ってUSBケーブルやLightningケーブルでスマホを接続する。「このコンピューターを信頼しますか?」という確認が求められるのでスマホのパスコードを入力して「信頼」をタッチする。
 
スマホを専用端末のケーブルに接続して画面の指示に従う

 次にスマホのケーブルを外して、設定メニューからWi-Fiを選んで画面に表示されているのと同じSSIDを選ぶ。あとはスマホをボックスに入れて、画面の査定スタートをタッチするだけ。1、2分待てば買取価格が表示される。
 
ケーブルを外してWi-Fiに接続
 
スマホをボックスに入れると1、2分で査定が終わる

たった1、2分で外観やバッテリ容量をチェック

 記者の場合、割賦支払いを完済したiPhone 5Sで自分なりにはキレイに使っていたつもりだが査定価格は700円。少ししょんぼりしていると、取材対応してもらった企画管理課の田村淳企画課主任に「画面をキレイにすると少し査定が上がるかもしれない」と慰めてもらった。

 もちろん、AI査定はそんなに甘くなく、わずかな時間ながらも多くの項目をチェックしている。バッテリ最大容量、割賦支払い完済状況、修理履歴、BluetoothやWi-Fiの動作確認、指紋認証確認などだ。

 さらにボックスの中に入れたスマホの外観をチェックするAI機能では、ディスプレイの割れ、欠け、ドット抜け、にじみ、液晶漏れ、きょう体の傷、へこみ、汚れなどを確認する。

 ユーザーにとってのメリットは、短い査定時間や気軽さだけでなく、キャリアの下取り価格と比較できるため選択肢が広がる。また、どこに持ち込めばいいかという悩みもなくなるし、試しに査定してみるだけでも使える。スマホの買い替えのきっかけとして多いバッテリの消耗状態をチェックできるのもうれしい。

 そのまま売却して家電製品の購入の足しにするのもいいだろう。なお、買取する際は本人確認書類(運転免許証か健康保険証のいずれか)が必要だ。

 エディオンにとっては、新しいスマホの買い方が提案できるほか、新しいスマホに買い替えるきっかけづくりにつながったり、査定に人手や時間がかからずに接客に集中できたりするなど業務効率の改善が期待できる。

 スマホの査定となると個人情報などに関する不安がよぎるが、その点もエディオンというブランドが安心感を与えるのだろう。

 リユースモバイル・ジャパンの資料によると、中古スマホは携帯キャリアの下取りが30.8%、廃棄・保管(退蔵)が56.9%で、ユーザーの自宅などに保管されているケースが多い。中古スマホの国内流通量がわずか7.7%にとどまっている大きな要因でもある。エディオンのAI自動査定・買取サービスは、そうした停滞する中古スマホ市場に風穴を開ける可能性も期待できる。(BCN・細田 立圭志)