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冬暖房のファンヒーター、「石油」と「ガス」で使い方の違いは?

時事ネタ

2019/12/28 19:00

【家電コンサルのリテールマーケティング 特別編】冬の寒い部屋を暖めるファンヒーター(FH)は、立ち上がりが早く部屋全体を暖められる優れものだ。「石油FH」と「ガスFH」は、どんな家庭に向いているかを考えてみよう。


 まずFHをお得に購入するのは、12月末~1月末がねらい目だ。家電量販店では、気温が大きく低下する12月にFHの販売が集中するため、年内に在庫をさばいて年明けから展示・在庫処分に入りたいと考えるからだ。

 もちろん、在庫や展示品が店頭に残っていればの話だが、FHの展示品は展示期間が短いうえ、未使用であるケースが大半なので、なんら新品と変わらない品質で購入できるだろう。

石油FHに向いている家庭

 さて、石油FHに向いている家庭は、(1)ペットを飼っている家庭、(2)若い夫婦二人暮らしなどが挙げられる。

 ペットがいる家庭が向いている理由は、ガスFHが電気以外にガスコンセントが必要になるため、長い専用ガスホースを使わなければならない。長いホースが部屋にあると、ペットが引っ掛かったり、噛んだりするため気を遣うが、石油FHならそうした心配はない。電気コンセントがある部屋ならどこでも使えるのも便利だ。

 若い夫婦で特に共働きの場合、FHの使用頻度が少ないことから、機種によるがイニシャルコストやランニングコストが抑えられる石油FHが金銭的な節約メリットが期待できる。

 ほかに、ガスコンセントがないオール電化住宅に住む家庭でも、石油FHは簡単に使用できるメリットがある。ただ、オール電化住宅専用の火災保険に加入していると、石油FHはNGのケースがあるので確認する必要があるだろう。

ガスFHに向いている家庭

 では、ガスFHに向いている家庭はどうだろうか。(1)高齢者の家庭、(2)小さい子どものいる家庭などが挙げられる。

 ガスFHの最大の魅力の一つに「給油の不要」がある。高齢者にとって、定期的な灯油の購入や給油作業は相当な負担になる。手元が定まらずに灯油がこぼれたり、あふれたりする危険性もないわけではない。

 ガスFHならこのような手間が一切不要になるため、燃料補給を気にすることなく、ストレスフリーで使い続けることができる。

 また、小さい子どもだけで留守番するときは、安全だと分かっていても灯油が入っている石油FHは不安が残るだろう。ガスFHは、このような不安の払拭に加えて、急な灯油切れで留守中の子どもに寒い思いをさせることがないなどの安心感が得られる。

 さらに最近では、空気清浄機と一体になって「ダニのふんや死がいの浮遊アレル物質」などを除去できる商品もある。空気清浄機が要らず、部屋を広く使えるメリットもあり、より高齢者や小さな子どものいる家庭に向いているといえるだろう。

 ガスFHや石油FHのメリットやデメリットは他にもあるが、代表的なものを図にまとめているので、どちらが向くのか、ぜひ商品選びの参考にしていただきたい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。