税率が8%から10%へ、消費増税から2カ月が過ぎた。家電量販店のPOSデータを集計した「BCNランキング」をもとに算出した指数によると、デジタル家電市場全体は駆け込みによる反動減と台風による店舗休業の影響を受けて落ち込みから戻りつつあるが、勢いは鈍い状況にある。
本体価格10万円なら消費税分は1万円となり、支払額は合計11万円。やはり増税前の9月中に買っておけばよかった、と後悔する向きは、クレジットカード会社や銀行、スマホ決済サービスなどが実施しているキャンペーンに目を向けよう。「抽選で当たる」「もれなくキャッシュバック/ポイントバック」「即時〇%割引」など、内容はさまざまだが、年間で最もデジタル家電が売れる12月は、キャンペーン競争も熱い時期だ。
共通する条件は、2019年12月21日・22日・23日の3日間に、店舗独自の割引クーポン適用・値引き交渉後で税別10万円(税込11万円)の4K対応液晶テレビ(40型以上、配送料や設定サービス料などは含まない)を店頭またはインターネット注文・店頭受け取りで、キャッシュレス決済で購入すること。ただし、店舗独自のポイントサービスを展開している場合は、付与される独自ポイント分だけ元の価格が高いと仮定する。
1. dポイントカード提示&d払いでエディオンで購入・店舗で受け取り
エディオン・100満ボルトは、エントリーのうえ、dポイントカードを提示し、ドコモのスマホ決済サービス「d払い」で支払うと、dポイントが通常の最大30倍もらえる「dポイント最大+30倍還元キャンペーン」を20年1月6日まで実施している。
・詳細はこちら
https://www.bcnretail.com/market/detail/20191202_147293.html
d払いはキャリアフリーで利用できるが、初期設定の手間がかからない「電話料金合算払い」「ドコモ口座払い」はドコモ契約者しか利用できず、クレジットカード払いも「dカード」以外は各種キャンペーンの対象外となるケースが目立ち始めてきた。
実は、先に挙げた条件は、公式キャンペーンページの還元例を踏襲したもの。10万円(税込11万円)の4K液晶テレビを購入すると、通常分として1050ポイント、キャンペーン分として20年3月(予定)に1万6000ポイント、合計1万7050ポイント付与されるので、実質負担は9万2950円まで下がる計算だ。しかも、ポイント進呈の上限額はないので高額商品ほど、もらえるdポイントは増える。もし自宅から行ける範囲にエディオンの店舗があればラッキーだ。
2. PayPayのキャンペーン「家電量販7Days」に主要家電量販店で購入
PayPayは、エディオン/上新電機/ビックカメラ/ヤマダ電機グループ各社とケーズデンキの店舗で購入してPayPayで支払うと、1回当たり1000円、キャンペーン期間中合計5000円を上限に、決済額の10%相当のPayPayボーナスを付与するキャンペーン「家電量販7Days」を実施している。なお、期間は12月22日まで。
対象は、アカウント連携済みのソフトバンク/ワイモバイルユーザーのみ。税別10万円の4K液晶テレビでは、1000円しか戻らないものの、例えば5000円のゲームソフトやBDタイトルを計5本買うといったケースでは、1日に5店舗買い回るか、5日に分けて連続して購入すれば最大額まで還元されるので得する計算になる。
PayPayで高額商品を買うなら、店舗ではなく、20年3月31日まで「PayPayモールで100億円相当あげちゃうキャンペーン」の延長が決まった「PayPayモール」がおすすめだ。ソフトバンク/ワイモバイルユーザーが全ての条件を満たせば還元率は最大20%となり、誰でもPayPay残高で支払うだけで11%相当が戻る。
3. Origami Payのクーポンを併用してヤマダ電機で購入
12月25日まで、スマホ決済サービス「Origami Pay」を提供するOrigamiは、ヤマダ電機グループの各店でOrigami Payを使ったことがない場合に限り、会計金額3万円までは10%オフに、それ以上は3000円オフとなるクーポンを配布している。
税別10万円の4K液晶テレビを10%オフクーポン適用で購入すると、銀行口座払いの場合は9万4090円、クレジットカード/デビットカード払いの場合は9万7000円となり、後者は別途、クレジットカード/デビットカードのポイントが付与される。Origami Payはウォレットアプリ「Kyash」と組み合わせると実質的な還元率は上がる(19年12月20日時点では+最大1%)。10万円未満程度の買い物なら、今なお高還元の狙い目の家電量販チェーンといえるだろう。
4. J-Coin PayでビックカメラなどのJ-Coin Pay加盟店で購入
みずほ銀行が提供する、全国の地方銀行の口座と連動したスマホ決済サービス「J-Coin Pay」は利用者全員で2020万円を山分けする「使ってもらえる!祝2020キャンペーン」を20年1月31日まで実施している。
通常、J-Coin Payで支払っても何も還元はないが、キャンペーン期間中に限り、決済金額の最大15%、上限1万円がキャッシュバックされるので、試しに使ってみるチャンスだ。J-Coin Pay加盟店の家電量販店は、ビックカメラグループ(ビックカメラ・コジマ・ソフマップ)、ヤマダ電機グループ、エディオングループ。他のカテゴリーでは、ドラッグストアが比較的多い。
5. 官製キャッシュレス還元5%還元対象のECサイト・店舗で購入
経済産業省が推進するキャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗で、対象キャッシュレス決済手段で支払えば税込支払額の5%がポイントや現金で戻る(予算に達し次第終了予定)。1カ月当たりの還元上限額はキャッシュレス決済手段によって異なるが、おおむね1万円は超えており、税込11万円の4Kテレビの場合、きっちり5500円が戻るはずだ。
家電量販店で5%還元対象店は、埼玉県を中心に展開するデンキチのみ。一方、インターネット通販なら、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」などのECモール、「Amazon.co.jp」のマーケットプレイスにも5%還元対象店舗がちらほら出店しているので探してほしい。
実際には「元の価格」がどの店でも同じということはないので、あくまで机上の計算だが、六つの候補の中なら、リアルではダントツで最初に取り上げたエディオン、ECではキャッシュレス還元事業で5%還元の店舗が安いと分かった。より現実的な節約テクニックとしては、身近な店舗で価格交渉してできるだけ価格を下げ、クレジットカード/デビットカードを含め、ためたいポイントがたまるスマホ決済サービス、使いやすい決済サービスを利用するといいだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
本体価格10万円なら消費税分は1万円となり、支払額は合計11万円。やはり増税前の9月中に買っておけばよかった、と後悔する向きは、クレジットカード会社や銀行、スマホ決済サービスなどが実施しているキャンペーンに目を向けよう。「抽選で当たる」「もれなくキャッシュバック/ポイントバック」「即時〇%割引」など、内容はさまざまだが、年間で最もデジタル家電が売れる12月は、キャンペーン競争も熱い時期だ。
意外に還元が渋いキャンペーンばかり……競争のピークは終了!?
今回は、主要なスマートフォン(スマホ)決済サービスをピックアップし、同一条件で比較してみた。入会に際して審査のあるクレジットカードの還元キャンペーンや抽選でキャッシュバックが当たるキャンペーンなどは考慮していない。共通する条件は、2019年12月21日・22日・23日の3日間に、店舗独自の割引クーポン適用・値引き交渉後で税別10万円(税込11万円)の4K対応液晶テレビ(40型以上、配送料や設定サービス料などは含まない)を店頭またはインターネット注文・店頭受け取りで、キャッシュレス決済で購入すること。ただし、店舗独自のポイントサービスを展開している場合は、付与される独自ポイント分だけ元の価格が高いと仮定する。
1. dポイントカード提示&d払いでエディオンで購入・店舗で受け取り
エディオン・100満ボルトは、エントリーのうえ、dポイントカードを提示し、ドコモのスマホ決済サービス「d払い」で支払うと、dポイントが通常の最大30倍もらえる「dポイント最大+30倍還元キャンペーン」を20年1月6日まで実施している。
・詳細はこちら
https://www.bcnretail.com/market/detail/20191202_147293.html
d払いはキャリアフリーで利用できるが、初期設定の手間がかからない「電話料金合算払い」「ドコモ口座払い」はドコモ契約者しか利用できず、クレジットカード払いも「dカード」以外は各種キャンペーンの対象外となるケースが目立ち始めてきた。
実は、先に挙げた条件は、公式キャンペーンページの還元例を踏襲したもの。10万円(税込11万円)の4K液晶テレビを購入すると、通常分として1050ポイント、キャンペーン分として20年3月(予定)に1万6000ポイント、合計1万7050ポイント付与されるので、実質負担は9万2950円まで下がる計算だ。しかも、ポイント進呈の上限額はないので高額商品ほど、もらえるdポイントは増える。もし自宅から行ける範囲にエディオンの店舗があればラッキーだ。
2. PayPayのキャンペーン「家電量販7Days」に主要家電量販店で購入
PayPayは、エディオン/上新電機/ビックカメラ/ヤマダ電機グループ各社とケーズデンキの店舗で購入してPayPayで支払うと、1回当たり1000円、キャンペーン期間中合計5000円を上限に、決済額の10%相当のPayPayボーナスを付与するキャンペーン「家電量販7Days」を実施している。なお、期間は12月22日まで。
対象は、アカウント連携済みのソフトバンク/ワイモバイルユーザーのみ。税別10万円の4K液晶テレビでは、1000円しか戻らないものの、例えば5000円のゲームソフトやBDタイトルを計5本買うといったケースでは、1日に5店舗買い回るか、5日に分けて連続して購入すれば最大額まで還元されるので得する計算になる。
PayPayで高額商品を買うなら、店舗ではなく、20年3月31日まで「PayPayモールで100億円相当あげちゃうキャンペーン」の延長が決まった「PayPayモール」がおすすめだ。ソフトバンク/ワイモバイルユーザーが全ての条件を満たせば還元率は最大20%となり、誰でもPayPay残高で支払うだけで11%相当が戻る。
3. Origami Payのクーポンを併用してヤマダ電機で購入
12月25日まで、スマホ決済サービス「Origami Pay」を提供するOrigamiは、ヤマダ電機グループの各店でOrigami Payを使ったことがない場合に限り、会計金額3万円までは10%オフに、それ以上は3000円オフとなるクーポンを配布している。
税別10万円の4K液晶テレビを10%オフクーポン適用で購入すると、銀行口座払いの場合は9万4090円、クレジットカード/デビットカード払いの場合は9万7000円となり、後者は別途、クレジットカード/デビットカードのポイントが付与される。Origami Payはウォレットアプリ「Kyash」と組み合わせると実質的な還元率は上がる(19年12月20日時点では+最大1%)。10万円未満程度の買い物なら、今なお高還元の狙い目の家電量販チェーンといえるだろう。
4. J-Coin PayでビックカメラなどのJ-Coin Pay加盟店で購入
みずほ銀行が提供する、全国の地方銀行の口座と連動したスマホ決済サービス「J-Coin Pay」は利用者全員で2020万円を山分けする「使ってもらえる!祝2020キャンペーン」を20年1月31日まで実施している。
通常、J-Coin Payで支払っても何も還元はないが、キャンペーン期間中に限り、決済金額の最大15%、上限1万円がキャッシュバックされるので、試しに使ってみるチャンスだ。J-Coin Pay加盟店の家電量販店は、ビックカメラグループ(ビックカメラ・コジマ・ソフマップ)、ヤマダ電機グループ、エディオングループ。他のカテゴリーでは、ドラッグストアが比較的多い。
5. 官製キャッシュレス還元5%還元対象のECサイト・店舗で購入
経済産業省が推進するキャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗で、対象キャッシュレス決済手段で支払えば税込支払額の5%がポイントや現金で戻る(予算に達し次第終了予定)。1カ月当たりの還元上限額はキャッシュレス決済手段によって異なるが、おおむね1万円は超えており、税込11万円の4Kテレビの場合、きっちり5500円が戻るはずだ。
家電量販店で5%還元対象店は、埼玉県を中心に展開するデンキチのみ。一方、インターネット通販なら、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」などのECモール、「Amazon.co.jp」のマーケットプレイスにも5%還元対象店舗がちらほら出店しているので探してほしい。
実際には「元の価格」がどの店でも同じということはないので、あくまで机上の計算だが、六つの候補の中なら、リアルではダントツで最初に取り上げたエディオン、ECではキャッシュレス還元事業で5%還元の店舗が安いと分かった。より現実的な節約テクニックとしては、身近な店舗で価格交渉してできるだけ価格を下げ、クレジットカード/デビットカードを含め、ためたいポイントがたまるスマホ決済サービス、使いやすい決済サービスを利用するといいだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。