ハイレゾ市場の救世主になるかも、音楽に本気の「Amazon Echo Studio」の勝算
小型モデルやディスプレイ搭載モデルなど、多彩なバリエーションがそろってきたスマートスピーカー。その中で各社が最注力しているのが、音楽再生に特化した高音質モデルだ。Echoシリーズが2019年の“大取”として投入する「Amazon Echo Studio」も、音楽再生を極めることに重点を置いたフラグシップモデル。12月4日には、Amazonが翌日に発売を控えたAmazon Echo Studioの体験会を開催。実演と合わせて、販売戦略を説明した。
搭載しているスピーカーユニットは五つ。3方向に向いた2インチのミッドレンジスピーカー×3、前方を向いた1インチのツイーター、そして下部に備わった5.25インチのウーファーという構成だ。最大出力は330W。しかも、24bit/帯域幅100kHzのパワーアンプまで搭載している。
また、シリーズで初めてDolby AtmosとSony 360 Reality Audioを採用していることも特徴。包み込まれるような3Dオーディオを体験することができる。従って、音楽再生だけでなく、テレビ用のスピーカーとしても高いポテンシャルを発揮することができる。
Amazon Music HDは、HDとUltra HDという2種類のロスレスミュージックを提供するサブスクリプションサービスで、CD音質と同等(16bit/44.1kHz)の楽曲を6500万曲以上、それより優れた24bit/192kHzの楽曲として数百万曲を配信している。5日からは、3Dオーディオの楽曲も配信開始する予定だ。
Amazonの音楽配信サービスには、プライム会員の特典である「Amazon Music」、追加で月額980円(プライム会員なら780円)で利用できる「Amazon Music Unlimited」があるが、Amazon Music HDはその上位互換という位置づけだ。価格は、月額1980円(プライム会員なら1780円)と割高だが、現在のロスレス音源の価格を考えればかなりコスパが良い。
アマゾンジャパンのAlexaエクスペリエンス&デバイス事業部リージョナルディレクターAlexaアジアパシフィックの大木聡氏によると、日本のAmazon Echo購入者の87%が「音楽再生」を利用しているという。しかも、平均して5時間/週(Alexa Cast機能による再生除く)再生しており、すでにAmazon Echoによる音楽リスニングは日常生活の一部となっている。
かつて華々しく登場したハイレゾ音源は期待以上の広がりはみせず、現在も一部のマニアに愛好される程度にとどまっている。対応デバイスは増えたものの、1曲あたりの単価は高く、カジュアルに音楽を楽しむ大多数のユーザーが“贅沢品”と捉えているように思える。
一方、今回のAmazon Echo StudioとAmazon Music HDのコンビは、本体で2万4980円、サービスで月額1980円と、そこまでハードルが高くない。「日常生活の一部をアップグレードできるなら」「大量の楽曲を楽しめるなら」といった、スマートスピーカー&サブスクならではの要素もプラスに働くはずだ。ハイレゾ市場は、まだ広がることができるのか。その答えを握っているのは、Amazonかもしれない。(BCN・大蔵大輔)
ビックな筐体に贅沢な音響設計 3Dオーディオにも初対応
まず、Amazon Echo StudioはこれまでAmazonが発売してきたラインアップと比較すると、かなり大きい。形状は、円柱型でスタンダードなAmazon Echo(第3世代で直径99mm)がそのまま巨大化したイメージ(直径175mm)だ。その分、内部の設計はサイズに見合うリッチなものになっている。搭載しているスピーカーユニットは五つ。3方向に向いた2インチのミッドレンジスピーカー×3、前方を向いた1インチのツイーター、そして下部に備わった5.25インチのウーファーという構成だ。最大出力は330W。しかも、24bit/帯域幅100kHzのパワーアンプまで搭載している。
また、シリーズで初めてDolby AtmosとSony 360 Reality Audioを採用していることも特徴。包み込まれるような3Dオーディオを体験することができる。従って、音楽再生だけでなく、テレビ用のスピーカーとしても高いポテンシャルを発揮することができる。
本当の価値は「Amazon Music HD」で発揮される
ハードウェアとして高品質のサウンドを再生することができるEcho Studioだが、最大の強みといえるのは「Amazon Music HD」というコンテンツを持っていることだろう。Amazon Music HDは、HDとUltra HDという2種類のロスレスミュージックを提供するサブスクリプションサービスで、CD音質と同等(16bit/44.1kHz)の楽曲を6500万曲以上、それより優れた24bit/192kHzの楽曲として数百万曲を配信している。5日からは、3Dオーディオの楽曲も配信開始する予定だ。
Amazonの音楽配信サービスには、プライム会員の特典である「Amazon Music」、追加で月額980円(プライム会員なら780円)で利用できる「Amazon Music Unlimited」があるが、Amazon Music HDはその上位互換という位置づけだ。価格は、月額1980円(プライム会員なら1780円)と割高だが、現在のロスレス音源の価格を考えればかなりコスパが良い。
アマゾンジャパンのAlexaエクスペリエンス&デバイス事業部リージョナルディレクターAlexaアジアパシフィックの大木聡氏によると、日本のAmazon Echo購入者の87%が「音楽再生」を利用しているという。しかも、平均して5時間/週(Alexa Cast機能による再生除く)再生しており、すでにAmazon Echoによる音楽リスニングは日常生活の一部となっている。
かつて華々しく登場したハイレゾ音源は期待以上の広がりはみせず、現在も一部のマニアに愛好される程度にとどまっている。対応デバイスは増えたものの、1曲あたりの単価は高く、カジュアルに音楽を楽しむ大多数のユーザーが“贅沢品”と捉えているように思える。
一方、今回のAmazon Echo StudioとAmazon Music HDのコンビは、本体で2万4980円、サービスで月額1980円と、そこまでハードルが高くない。「日常生活の一部をアップグレードできるなら」「大量の楽曲を楽しめるなら」といった、スマートスピーカー&サブスクならではの要素もプラスに働くはずだ。ハイレゾ市場は、まだ広がることができるのか。その答えを握っているのは、Amazonかもしれない。(BCN・大蔵大輔)