【記者のひとこと】大型上場にも米中関係が影響

コラム

2019/12/03 10:00

 アリババグループが11月26日、香港証券取引所に株式を上場しました。中国メディアによると、資金調達額は約1兆2000億円となり、現時点で今年最大になったそうです。アリババは、2013年に香港取引所への上場を計画していました。当時は上場を断念しましたが、その後も検討を続け、ようやく上場が実現した形になりました。

 アリババにとっては悲願達成ともいえる上場ですが、目的は、米中の緊張が続く中、資金調達先を分散させる狙いがあるとみられています。香港は現在、一連の抗議活動で混乱が続いています。国際金融センターとしての先行きを不安視する声も出ており、中国メディアは、アリババの上場で香港市場が活性化することを期待しています。(上海支局 齋藤秀平)

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