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テレビ、10月最終週は再び前年比二桁割れ、やはり増税後は消費冷え込みか

 【BCN速報値】全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」の速報値によると、10月第3週、第4週と2週連続で前年を上回り、消費増税後の反動減から急回復ぶりを見せたテレビ市場だったが、10月第5週(10月28~11月3日)は再び前年同週比88.3%の前年割れとなった。10月は、それまでより単価の安いモデルが多く売れたことから、増税後に財布の紐を締める消費者の行動が浮き彫りになった。


 テレビの10月の月次データをみても、販売台数は前年同月比89.1%の二桁減だった。平均単価が9月から1万5000円以上下落したり、4K比率や平均画面サイズも軒並み低下したりしていることから、比較的高額で大画面のモデルは増税前に購入し、増税後は単価の安いモデルが売れるようになっている。

 実際に9月より販売台数シェアを伸ばしたメーカーは、単価の安い東芝とハイセンス。下げ幅が大きかったのは、単価の高いソニーだった。ソニーのシェアは、9月の18.3%から14.1%に4.2ポイントも下落した。10月は各社とも単価ダウンの圧力があり、高額製品の単価が下がる中、ソニーはほとんど下げなかった。「強気のソニー」とみるべきか。

 気になる11月第1週(11月4~10日)はどうなるのか。先週の記事で10月第5週に二桁割れの「腰折れ」を予想したBCN総研の木下智裕部長は、「11月第1週は前年同週より休日が1日多いため、前年比で110%程度になるのではないか」と予想する。本格的な回復に向けて、依然として不安定な動きが続きそうだ。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。