キャッシュレス化は外食産業にメリットあるの? リクルートと経産省が対談
リクルートライフスタイルは9月11日、外食・中食市場の概況の説明、加えて経産省のキャッシュレス推進担当者を招いて「キャッシュレスに向き合う外食産業」と題したパネルディスカッションを行った。
まず始めに、ホットペッパーグルメ外食総研の稲垣昌宏上席研究員が2018年における東名阪の外食&中食産業の概況と、増税直前の消費者動向について、リクルートライフスタイルの調査をもとに解説した。
2018年の外食市場(夕食)は、前年比1.5%増の4兆1350億円まで拡大したと推計し、その背景に「女性の就業率増加」「男性の子育て参加」「働き方改革」など社会の変化により、外食の傾向も「会社・学校関係」を相手にした食事が減少し、家族や一人で食事する傾向にあることや、飲食を伴う外食が減り、「食事の提供が主体」な飲食店の利用増加傾向にあることなどを上げた。
また、中食(夕方以降の食事で、外で買ってきたもの、あるいは出前や宅配を利用して飲食すること)市場も前年比4.9%増の1兆2188億円と推計している。
増税直前の消費者動向について、稲垣上席研究員は「増税の際、節約を意識している人は全体の約7割。女性は20~60代まで概ね節約派だが、50~60代の男性は節約の意識がやや薄く4割強が増税の節約を考えていないようだ」と述べた。
さらに、増税前の準備、いわゆる「買いだめ」や「前倒し購入」に関し、食料品や日用品の買いだめをしておく人が37.1%、物品(家電・自動車など)を前倒し購入しておく人が17.6%となった。
何も準備するつもりがない人は約37.8%存在している中、事前の準備として、政府が主導するポイント還元事業に対応したキャッシュレス事業各社のキャンペーン内容の確認や検討を行う人が20.8%、キャッシュレス決済でポイントが還元されるカードやアプリを実際に申し込む人が19.3%、外食店を含む中小店舗でポイント還元される制度や方法を事前に調べる人が18.9%など、キャッシュレス決済に伴うポイント還元制度に向けて何らかの準備を行う人が約2割ほど存在している事が明らかになった。
次に、リクルートライフスタイルの塩原一慶Airペイサービス責任者、ホットペッパーグルメ外食総研の竹田クニ・エヴァンジェリストと稲垣昌宏上席研究員が経済産業省の津脇慈子商務・サービスグループキャッシュレス推進室長を交え、「キャッシュレスに向き合う外食産業」をテーマにパネルディスカッションを開催。
津脇室長は、「残念ながら、国内のキャッシュレス普及率は24.1%と、主要国と比較して低い。もう少し利便性を高めるため、2025年6月までにキャッシュレス利用者4割の普及を目指す。キャッシュレス決済は、消費者だけでなく事業者側にもメリットがあり、例えばレジ締め・釣銭準備時間の短縮や現金の搬出入回数の減少など、効率化を促し、生産性向上につながる」と説明。
加えて、「消費者からは、自動家計簿や消費行動の管理など、支出の管理がしやすいなど良い点はあるが、なかなか手を出しづらい傾向にある。政府が行うキャッシュレス・ポイント還元事業は試しにキャッシュレス決済を使ってもらい、ポイントをためてみよう、という感覚で利便性を確認してもらうきっかけにしたい」と語った。
また、塩原Airペイサービス責任者は「予測では、2030年に訪日外国人が6000万人となり、インバウンドに対する期待が高まっている中、既にキャッシュレスが進んでいる中国・米国などの訪日客が、日本円の現金しか使えないとなると、売り上げの機会損失につながる。キャッシュレスは事業者にとっても効率化とコストダウンにつながり、インバウンドによる売り上げも上がる」と、増え続けるインバウンド需要に対する事業者側の導入メリットを解説した。
最後に津脇室長は、「今年はキャッシュレス元年だと思っている。政府としても官民一体として初めての1年。外食産業というキャッシュレス決済の文化がなかなか広がっていかない中、いかに付加価値を付けて提供していくか、を考える1年にしたい」と締めくくった。
まず始めに、ホットペッパーグルメ外食総研の稲垣昌宏上席研究員が2018年における東名阪の外食&中食産業の概況と、増税直前の消費者動向について、リクルートライフスタイルの調査をもとに解説した。
2018年の外食市場(夕食)は、前年比1.5%増の4兆1350億円まで拡大したと推計し、その背景に「女性の就業率増加」「男性の子育て参加」「働き方改革」など社会の変化により、外食の傾向も「会社・学校関係」を相手にした食事が減少し、家族や一人で食事する傾向にあることや、飲食を伴う外食が減り、「食事の提供が主体」な飲食店の利用増加傾向にあることなどを上げた。
また、中食(夕方以降の食事で、外で買ってきたもの、あるいは出前や宅配を利用して飲食すること)市場も前年比4.9%増の1兆2188億円と推計している。
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増税直前の消費者動向について、稲垣上席研究員は「増税の際、節約を意識している人は全体の約7割。女性は20~60代まで概ね節約派だが、50~60代の男性は節約の意識がやや薄く4割強が増税の節約を考えていないようだ」と述べた。
さらに、増税前の準備、いわゆる「買いだめ」や「前倒し購入」に関し、食料品や日用品の買いだめをしておく人が37.1%、物品(家電・自動車など)を前倒し購入しておく人が17.6%となった。
何も準備するつもりがない人は約37.8%存在している中、事前の準備として、政府が主導するポイント還元事業に対応したキャッシュレス事業各社のキャンペーン内容の確認や検討を行う人が20.8%、キャッシュレス決済でポイントが還元されるカードやアプリを実際に申し込む人が19.3%、外食店を含む中小店舗でポイント還元される制度や方法を事前に調べる人が18.9%など、キャッシュレス決済に伴うポイント還元制度に向けて何らかの準備を行う人が約2割ほど存在している事が明らかになった。
次に、リクルートライフスタイルの塩原一慶Airペイサービス責任者、ホットペッパーグルメ外食総研の竹田クニ・エヴァンジェリストと稲垣昌宏上席研究員が経済産業省の津脇慈子商務・サービスグループキャッシュレス推進室長を交え、「キャッシュレスに向き合う外食産業」をテーマにパネルディスカッションを開催。
津脇室長は、「残念ながら、国内のキャッシュレス普及率は24.1%と、主要国と比較して低い。もう少し利便性を高めるため、2025年6月までにキャッシュレス利用者4割の普及を目指す。キャッシュレス決済は、消費者だけでなく事業者側にもメリットがあり、例えばレジ締め・釣銭準備時間の短縮や現金の搬出入回数の減少など、効率化を促し、生産性向上につながる」と説明。
加えて、「消費者からは、自動家計簿や消費行動の管理など、支出の管理がしやすいなど良い点はあるが、なかなか手を出しづらい傾向にある。政府が行うキャッシュレス・ポイント還元事業は試しにキャッシュレス決済を使ってもらい、ポイントをためてみよう、という感覚で利便性を確認してもらうきっかけにしたい」と語った。
また、塩原Airペイサービス責任者は「予測では、2030年に訪日外国人が6000万人となり、インバウンドに対する期待が高まっている中、既にキャッシュレスが進んでいる中国・米国などの訪日客が、日本円の現金しか使えないとなると、売り上げの機会損失につながる。キャッシュレスは事業者にとっても効率化とコストダウンにつながり、インバウンドによる売り上げも上がる」と、増え続けるインバウンド需要に対する事業者側の導入メリットを解説した。
最後に津脇室長は、「今年はキャッシュレス元年だと思っている。政府としても官民一体として初めての1年。外食産業というキャッシュレス決済の文化がなかなか広がっていかない中、いかに付加価値を付けて提供していくか、を考える1年にしたい」と締めくくった。