ビックカメラの「電子棚札」がまた進化! 作業負担軽減からコミュニケーションツールへ
8月28日にオープンした「ビックカメラ イトーヨーカドーたまプラーザ店」では、電子棚札の新しい取り組みが披露された。同店では、「アプリでGO!」という店舗コンセプトを前面に掲げながら、ビックカメラ公式アプリとの連携を強化した「アプリでタッチ」を訴求。これまで店員が手作業で張り替えていたプラスカードの作業負担の軽減ツールから、来店客とのコミュニケーションツールとして進化を遂げている。使い方と合わせてレポートしよう。
電子棚札は、型番単位で変更させることが可能。システム上は店舗別に変えることも可能だという。ただ、ビックカメラではネット通販「ビックカメラ・ドットコム」と店頭の価格を同一にしている。
ほかにも、「ネット取り置きサービス」で威力を発揮する。ネットから注文が入ると電子棚札のLEDが光る仕組みになっており、売り場担当者は商品をピックアップしてカウンターに持っていけば作業が完了する。
従来は作業工程が逆で、カウンターで打ち出された取り置き伝票をもとに、店員が売り場で伝票を見ながら商品を探すという手間が生じていた。電子棚札の仕組みなら、この無駄がなくなり、店員はほかの来店客の接客にあたることができる。
このように、ビックカメラの他の店でも導入が進んでいる電子棚札だが、新しいアプリでタッチは、電子棚札にビックカメラ・ドットコムに書き込まれた商品レビューやユーザーによる星印の5段階評価が表示できるようになった。例えば、アイロボット製ロボット掃除機「ルンバe5」は130件のレビューがあり、4.6の評価がついてる。
同じような価格や性能で商品購入に迷った際、レビュー件数や星評価が判断を後押しする材料になる。イトーヨーカドーたまプラーザ店は、売り場面積が約2000平方メートルとビックカメラにとって小規模な店舗で店員の数も限られるため、来店客のセルフ購入にもつながる。ちなみに、レビューが1件も付いていない商品はその部分が空白になる。
「お客様の中には店員の説明を受けずに自分でじっくり選びたいという方もいる」と、宮嶋社長は顧客ごとの接客対応ができるメリットを挙げる。
使い方はこうだ。まず、ビックカメラの公式アプリをスマホにダウンロードして、検索窓の右端にあるボタンをタップするとスマホのカメラを使ったスキャン画面が起動する。
そのまま気になる商品の電子棚札にスマホをかざすと、スキャンした商品がリストに入る。例えば、象印マホービンの炊飯器でどれにするか迷ったときに、商品ごとの電子棚札をスキャンすれば、それがリストに保存される。もちろん、他社製品との比較・検討にも使える。
スマホに表示された商品をタップすると、ビックカメラ・ドットコムの商品画面に飛び、レビュー内容を確認。実際に電子棚札のレビュー件数と星評価が、スマホに表示されたものと同じであることが確認できる。
ほかにも、細かな改善が見られる。電子棚札のデメリットとして、サイズが同じで無機質な感じになるため、価格の安さが打ち出せないというものがある。この点は、従来のような黄色の大きなプライスカードに赤字で価格を表示するなどして対応。黄色のプライスカードの商品に電子棚札がないのは、その店舗限定や台数限定だったりするためだ。特に、オープン特価やワゴン販売の商品などは、従来の紙のプライスカードなどうまく使い分けている。
さらに、店の「オススメ1位」など順位付けしたり、黄色に赤字で「お買得」と記したりと、電子棚札をPOPで装飾しているのも選びやすくするための工夫といえるだろう。もっとも、これをやりすぎると電子棚札の導入前に逆戻りしてしまうが、少なくとも価格変動のたびに店員が振り回されるといったことはないだろう。
電子棚札を巡ってはコストの兼ね合いから導入を躊躇する小売企業も少なくないが、ビックカメラは「効果は絶大」とトップが判断し、日々走りながら改善を加えていくことで他社との引き離しを狙う。(BCN・細田 立圭志)
「ネット取り置きサービス」の効率化に電子棚札
ビックカメラの宮嶋宏幸社長は、「電子棚札の効果は絶大だ」と絶賛する。これまで毎日、ネット通販の価格変動に合わせて、店舗の店員は何千枚というプライスカードを変更する作業に追われていた。単純にこの負担がなくなる。電子棚札だと、本部で指定商品の価格を変えるだけで一斉に店頭の価格を変更することができるからだ。電子棚札は、型番単位で変更させることが可能。システム上は店舗別に変えることも可能だという。ただ、ビックカメラではネット通販「ビックカメラ・ドットコム」と店頭の価格を同一にしている。
ほかにも、「ネット取り置きサービス」で威力を発揮する。ネットから注文が入ると電子棚札のLEDが光る仕組みになっており、売り場担当者は商品をピックアップしてカウンターに持っていけば作業が完了する。
従来は作業工程が逆で、カウンターで打ち出された取り置き伝票をもとに、店員が売り場で伝票を見ながら商品を探すという手間が生じていた。電子棚札の仕組みなら、この無駄がなくなり、店員はほかの来店客の接客にあたることができる。
このように、ビックカメラの他の店でも導入が進んでいる電子棚札だが、新しいアプリでタッチは、電子棚札にビックカメラ・ドットコムに書き込まれた商品レビューやユーザーによる星印の5段階評価が表示できるようになった。例えば、アイロボット製ロボット掃除機「ルンバe5」は130件のレビューがあり、4.6の評価がついてる。
同じような価格や性能で商品購入に迷った際、レビュー件数や星評価が判断を後押しする材料になる。イトーヨーカドーたまプラーザ店は、売り場面積が約2000平方メートルとビックカメラにとって小規模な店舗で店員の数も限られるため、来店客のセルフ購入にもつながる。ちなみに、レビューが1件も付いていない商品はその部分が空白になる。
「お客様の中には店員の説明を受けずに自分でじっくり選びたいという方もいる」と、宮嶋社長は顧客ごとの接客対応ができるメリットを挙げる。
電子棚札の使い分けと目立たせる工夫
電子棚札はNFC(近距離無線通信)に対応し、NFC対応のスマートフォン(スマホ)をかざせばレビュー内容をその場で確認したり、家に帰ってから検討してネットで購入したりといったことができる。使い方はこうだ。まず、ビックカメラの公式アプリをスマホにダウンロードして、検索窓の右端にあるボタンをタップするとスマホのカメラを使ったスキャン画面が起動する。
そのまま気になる商品の電子棚札にスマホをかざすと、スキャンした商品がリストに入る。例えば、象印マホービンの炊飯器でどれにするか迷ったときに、商品ごとの電子棚札をスキャンすれば、それがリストに保存される。もちろん、他社製品との比較・検討にも使える。
スマホに表示された商品をタップすると、ビックカメラ・ドットコムの商品画面に飛び、レビュー内容を確認。実際に電子棚札のレビュー件数と星評価が、スマホに表示されたものと同じであることが確認できる。
ほかにも、細かな改善が見られる。電子棚札のデメリットとして、サイズが同じで無機質な感じになるため、価格の安さが打ち出せないというものがある。この点は、従来のような黄色の大きなプライスカードに赤字で価格を表示するなどして対応。黄色のプライスカードの商品に電子棚札がないのは、その店舗限定や台数限定だったりするためだ。特に、オープン特価やワゴン販売の商品などは、従来の紙のプライスカードなどうまく使い分けている。
さらに、店の「オススメ1位」など順位付けしたり、黄色に赤字で「お買得」と記したりと、電子棚札をPOPで装飾しているのも選びやすくするための工夫といえるだろう。もっとも、これをやりすぎると電子棚札の導入前に逆戻りしてしまうが、少なくとも価格変動のたびに店員が振り回されるといったことはないだろう。
電子棚札を巡ってはコストの兼ね合いから導入を躊躇する小売企業も少なくないが、ビックカメラは「効果は絶大」とトップが判断し、日々走りながら改善を加えていくことで他社との引き離しを狙う。(BCN・細田 立圭志)