全国の家電量販店やECショップからPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、7月のコンパクトデジタル(レンズ一体型)カメラのメーカー別販売台数シェアで、富士フイルムのシェアが2ケタに急増したことが分かった。3位のソニーに肉薄している。けん引したのは、6月に発売した“新時代チェキ”「instax mini LiPlay(リプレイ)」だ。
2018年7月からのシェア推移をみると、19年5月までほぼ横ばいで、リコー、パナソニック、オリンパスとシェア1ケタ台で競っていた。しかし、instax mini LiPlayが発売した19年6月に突然集団から飛び出し、7月にシェア13.2%のソニーと0.8ポイント差までつめた。シェア増に大きく寄与したのは、instax mini LiPlayと19年3月発売の「FinePix XP140」だ。
7月のコンパクトデジタルカメラのシリーズ別ランキングで
5位と6位に「instax mini LiPlay」と「FinePix XP140」が入った
instax mini LiPlayは、7月のコンパクトデジタルカメラのシリーズ別ランキングでシェア5.2%を獲得し、5位に付いた製品。撮影した写真は、microSDなどに記録し、写真を選んで、何度でも同じ写真を印刷することができる。「一点モノ」という、これまでのチェキの概念を変えた。最大10秒の音声を同時に記録可能で、QRコードとして撮影画像と一緒にプリントする。
富士フイルムがシェアを増やす一方で、キヤノンのシェアは低下している。ただ、同社は8月にEVFが飛び出す「PowerShot G5 X Mark II」やライブ配信可能な「PowerShot G7 X Mark III」など、税別価格が10万円近いハイエンドな製品を投入した。8月のシェアはどのように推移するのか、引き続き注視していきたい。(BCN・南雲 亮平)