【今週のキャッシュレスニュースまとめ】「7pay」が波乱のスタート、スマホ決済の安全性が再び問われる
7月1日にスマホ決済市場に参入したセブン-イレブンとファミリーマート。小売業者の運営としては初となる試みに注目が集まったが、アクセス集中によるトラブルや不正利用問題で波乱のスタートとなった。大手コンビニ2社の動向を中心に、6月30日~7月6日に話題になったキャッシュレスニュースを振り返る。
「7pay」は1日~10日に登録すると、税込160円未満のおにぎり1個の無料クーポン(引き換えは17日まで)、22日~31日に登録するとセブンカフェ1杯の無料クーポンを付与。期間中に1000円をチャージすると、同じクーポンを再度付与する。また、10月31日まで付与されるnanacoポイントが2倍の1.0%になるキャンペーンも実施する。
「ファミペイ」はバーコード決済機能「FamiPay」にチャージした金額の最大15%を還元するキャンペーンを展開。現金の場合は、2万円までのチャージに10%相当のFamiPayボーナスを付与。ファミマTカードでチャージした場合は、さらに5%相当(上限2万円)のFamiPayボーナスを付与する。期間は7月31日まで。
また、7月3日には7月5~7日と13日~15日の2回に分けて、「ファミペイすげー得チャレンジ」を実施予定。香取慎吾さんを起用したTVCMと連動し、CM放送から48時間に公式Twitterアカウントをフォローしてキャンペーン告知ツイートをリツイートすると、抽選でファミチキなど人気商品のファミペイ無料クーポンを最大10万人にプレゼントする。ユーザーのリツイート数が増えるたびに、ファミペイ無料クーポンの当選人数が増えていくという仕掛けも用意されている。
セブン&アイ・ホールディングスによると、被害額は約5500万円。約900人が第三者の不正なアクセスにより被害を受けた。なお、これらは4日6時における試算で、今後拡大する恐れもあるという。同社は全ての被害を補償する意向だ。
7月5日には経済産業省が、今回の問題においてキャッシュレス推進協議会が策定した不正利用防止のための各種ガイドラインが遵守されていなかったことを指摘。スマホ決済事業者に改めてガイドラインの徹底とセキュリティ対策の向上を促した。
キャンペーンは、各社で時期・内容ともに異なる。iDを展開するドコモは、対象加盟店でiDを税込3000円以上使うと抽選で合計2000人に1万円分をキャッシュバックする「iD夏トクキャンペーン」を7月1日~8月31日に実施。モバイルWAONは「モバイルWAON新規ご入会・ご利用キャンペーン」を7月1日~8月31日23時59分まで実施する。
セブン&アイグループの電子マネーであるnanacoモバイルは、「nanacoモバイル新規入会で1500ポイントを500名にプレゼント!」と、おサイフケータイを使うとゲームに挑戦できるAndroid用アプリ「ラッキータッチ」の当選確率が上がる「nanacoモバイルでラッキータッチキャンペーン」を7月1日~8月18日23時59分まで実施する。
楽天Edyは「楽天Edyアプリ新規登録キャンペーン」を7月1日~31日23時59分まで実施する。8月には各社の第二弾キャンペーンを予定しており、内容は追って発表される。
提携と合わせて、「セブン銀行でペイペイ現金チャーーーーーーージがはじまるキャンペーン」を実施。期間中に全国のセブン銀行ATMの上部画面に表示されるQRコードをスキャンし、エントリーすると総額5000万円分を山分けし、最大200円相当のPayPayボーナスを付与する。期間は8月10日まで。
また、7月5日には由比ガ浜海水浴場と横浜中華街発展会協同組合との提携を発表。前者では由比ガ浜の海の家、約20店舗でPayPayに対応。これらの店舗は7月と8月に開催する「PayPayランチ」の対象で、11時~14時のランチタイムの決済であれば最大20%のPayPayボーナスが戻ってくる。
後者では、独自のキャンペーンとして最大20%のポイントを還元する「熱烈歓迎!横浜中華街おトクな夏祭り」を開催。期間は8月1日~31日。付与上限は1回の会計当たり5000円相当(ソフトバンク/ワイモバイルのユーザーもしくはYahoo!プレミアム会員は10000円相当)、月間の期間中合計上限は1万円相当。通常のキャンペーンよりも1回あたりの金額上限が高く設定されているのが特徴だ。なお、最大1,000円相当のPayPayボーナスが当たる「PayPayチャンス」の対象にもなる。
7月2日にICT総研が発表した「2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」では、18年度に約1.1兆円だったモバイル電子マネー・QR/バーコード決済額は、20年度に2.9兆円規模に拡大すると試算。10月1日に開始する「キャッシュレス・消費者還元事業」が追い風になることも予測されるが、今回の「7pay」の不正利用は、普及のために解決しなければならない「安全性の確保」という課題を改めて示した。業界全体の動きも含め、キャンペーン情報以上に注視する必要があるだろう。(BCN・大蔵 大輔)
「7pay」「ファミペイ」がサービスを提供
7月1日にセブン-イレブンの「7pay」とファミリーマートの「ファミペイ」がサービスの提供を開始した。それぞれのサービス開始時のキャンペーンは以下の通り。「7pay」は1日~10日に登録すると、税込160円未満のおにぎり1個の無料クーポン(引き換えは17日まで)、22日~31日に登録するとセブンカフェ1杯の無料クーポンを付与。期間中に1000円をチャージすると、同じクーポンを再度付与する。また、10月31日まで付与されるnanacoポイントが2倍の1.0%になるキャンペーンも実施する。
「ファミペイ」はバーコード決済機能「FamiPay」にチャージした金額の最大15%を還元するキャンペーンを展開。現金の場合は、2万円までのチャージに10%相当のFamiPayボーナスを付与。ファミマTカードでチャージした場合は、さらに5%相当(上限2万円)のFamiPayボーナスを付与する。期間は7月31日まで。
また、7月3日には7月5~7日と13日~15日の2回に分けて、「ファミペイすげー得チャレンジ」を実施予定。香取慎吾さんを起用したTVCMと連動し、CM放送から48時間に公式Twitterアカウントをフォローしてキャンペーン告知ツイートをリツイートすると、抽選でファミチキなど人気商品のファミペイ無料クーポンを最大10万人にプレゼントする。ユーザーのリツイート数が増えるたびに、ファミペイ無料クーポンの当選人数が増えていくという仕掛けも用意されている。
7payで不正利用問題発覚 被害総額は“5500万円”
開始初日から双方で問題が発生。期待の裏返しか、アクセスが集中し、サービスに登録できない状況が長時間にわたって続いた。翌日には状況は改善されたが、今度は「7pay」で不正利用が発覚。サービス開始わずか3日で入金と蜃気登録を停止する事態に追い込まれた(7月5日時点)。セブン&アイ・ホールディングスによると、被害額は約5500万円。約900人が第三者の不正なアクセスにより被害を受けた。なお、これらは4日6時における試算で、今後拡大する恐れもあるという。同社は全ての被害を補償する意向だ。
7月5日には経済産業省が、今回の問題においてキャッシュレス推進協議会が策定した不正利用防止のための各種ガイドラインが遵守されていなかったことを指摘。スマホ決済事業者に改めてガイドラインの徹底とセキュリティ対策の向上を促した。
おサイフケータイ15周年記念の合同キャンペーン
「7pay」「ファミペイ」の2サービスが目立った週だったが、他のサービスにもさまざまなトピックはあった。7月1日、NTTドコモなどの電子マネー推進検討会メンバー6社が展開するサービス(iD、モバイルWAON、QUICPay、nanacoモバイル、モバイルSuica、楽天Edy)は、「おサイフケータイ」15周年にちなみ、おサイフケータイ対応スマートフォンを利用したキャッシュレス推進キャンペーンを開始した。キャンペーンは、各社で時期・内容ともに異なる。iDを展開するドコモは、対象加盟店でiDを税込3000円以上使うと抽選で合計2000人に1万円分をキャッシュバックする「iD夏トクキャンペーン」を7月1日~8月31日に実施。モバイルWAONは「モバイルWAON新規ご入会・ご利用キャンペーン」を7月1日~8月31日23時59分まで実施する。
セブン&アイグループの電子マネーであるnanacoモバイルは、「nanacoモバイル新規入会で1500ポイントを500名にプレゼント!」と、おサイフケータイを使うとゲームに挑戦できるAndroid用アプリ「ラッキータッチ」の当選確率が上がる「nanacoモバイルでラッキータッチキャンペーン」を7月1日~8月18日23時59分まで実施する。
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楽天Edyは「楽天Edyアプリ新規登録キャンペーン」を7月1日~31日23時59分まで実施する。8月には各社の第二弾キャンペーンを予定しており、内容は追って発表される。
LINE Payが牛角やしゃぶしゃぶ温野菜で利用可能に
LINE Payは7月2日、コロワイドグループのレインズインターナショナルとアトムグループを加盟店に追加。牛角/しゃぶしゃぶ温野菜/居酒屋 土間土間など40ブランド以上の店舗で利用できるようになった。PayPayが現金チャージに対応、セブン銀行ATMで
PayPayは、セブン銀行と提携し、2019年7月11日午前10時から現金による「PayPay」への現金チャージに対応する。全国2万5000台以上ある「セブン銀行ATM」で、取引用QRコードをPayPayアプリで読み取って、原則24時間365日、現金から1000円単位でチャージできる。入金手数料は無料。1回当たりの入金限度額は50万円となる。提携と合わせて、「セブン銀行でペイペイ現金チャーーーーーーージがはじまるキャンペーン」を実施。期間中に全国のセブン銀行ATMの上部画面に表示されるQRコードをスキャンし、エントリーすると総額5000万円分を山分けし、最大200円相当のPayPayボーナスを付与する。期間は8月10日まで。
また、7月5日には由比ガ浜海水浴場と横浜中華街発展会協同組合との提携を発表。前者では由比ガ浜の海の家、約20店舗でPayPayに対応。これらの店舗は7月と8月に開催する「PayPayランチ」の対象で、11時~14時のランチタイムの決済であれば最大20%のPayPayボーナスが戻ってくる。
後者では、独自のキャンペーンとして最大20%のポイントを還元する「熱烈歓迎!横浜中華街おトクな夏祭り」を開催。期間は8月1日~31日。付与上限は1回の会計当たり5000円相当(ソフトバンク/ワイモバイルのユーザーもしくはYahoo!プレミアム会員は10000円相当)、月間の期間中合計上限は1万円相当。通常のキャンペーンよりも1回あたりの金額上限が高く設定されているのが特徴だ。なお、最大1,000円相当のPayPayボーナスが当たる「PayPayチャンス」の対象にもなる。
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7月2日にICT総研が発表した「2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」では、18年度に約1.1兆円だったモバイル電子マネー・QR/バーコード決済額は、20年度に2.9兆円規模に拡大すると試算。10月1日に開始する「キャッシュレス・消費者還元事業」が追い風になることも予測されるが、今回の「7pay」の不正利用は、普及のために解決しなければならない「安全性の確保」という課題を改めて示した。業界全体の動きも含め、キャンペーン情報以上に注視する必要があるだろう。(BCN・大蔵 大輔)