ここ数年で、国内のeスポーツは確実に盛り上がりつつある。週末は、毎週のようにどこかでeスポーツの大会が開催されている。また、これまでゲームと縁遠かった企業がスポンサーとして続々と名乗りをあげている。多くの人にとっては突如として発生した現象のように映っているかもしれないが、もちろんそんなことはない。市場が成長する土台を構築してきた功労者が、その裏にはきちんといる。ASUSのゲーミングブランド「ROG(アール・オー・ジー、Republic of Gamers)」は、まさに日本のゲーミングシーンの黎明期を支えた存在だ。
ROGとは、「Republic of Gamers」の略。日本語に訳せば、「ゲーマー共和国」といった意味になる。国境を越えて、ゲーマー同士が強い仲間意識を持って集まるブランドにしたい。込められた思いが現実のものとなり、現在では世界中の多くのゲーマーから信頼できる、そして何よりゲーマーとして誇れるブランドとして愛されている。
この10余年で急速に成長したROGは、オーバークロックに強くハイパフォーマンスを誇る製品として、ゲーマーやパワーユーザーからの信頼が厚い。国内外のPCゲームやeスポーツの盛り上がりを受け、マザーボードやビデオカードのパーツはもちろん、液晶ディスプレイや無線LAN、さらに去年11月に発売したスマートフォン(スマホ)ゲームに特化した「ROG Phone」など、カテゴリーを横断して日本で支持を拡大している。
16年4月、2割にも満たなかったゲーミングモデルは、19年4月に過半数を超える結果に。金額ベースでは、7割に迫る勢いだ。同社は、14年連続でマザーボードの年間販売台数No.1を獲得しており、18年に44.6%のシェアを獲得している。つまり、市場におけるかなりのシェアをASUS製のゲーミングマザーボードが占めていることになる。
また、ゲーミングノートPCにおける地位も確固たるものを築き上げている。GeForce GTX 1070以上を搭載するハイスペックのゲーミングノートPC市場において、同ブランドは18年の年間販売台数No.1を獲得。58.2%と高いシェアを記録している。いまやマザーボードだけでなく、PC本体や周辺機器に至るまでROGワールドともいうべき世界観は浸透している。
ASUSが6月14日に発表した「ROG Strix G G531」シリーズは、まさにこうしたニーズに応える新製品。エントリー向けのポジションだが、同シリーズの上位モデルに位置付けられるASUS Store限定モデルは第9世代のインテルCoreプロセッサーや高速レスポンス144hz対応の狭額縁ディスプレイを採用。上位モデルでGeForce RTX2060のGPU、スタンダードモデルでGeForce 1650を搭載している。
未来志向のデザインも見逃せない。今回、同シリーズはBMVのグループ会社であるDesignworksとコラボレーションした「ROG Face Off」というコンセプトを採用。光沢とマットの異なるテイストで構成した天板や、独特な形状の液晶ヒンジ、本体後部の吸気エリアから空気を取り込む独自の3D Flow Zoneデザインなど、随所に前衛的な意匠が施されている。
本体内部には一般的な5Vファンよりはるかに強力な12Vファンをダブルで搭載。冷却機能にすぐれ、長時間でも安心してゲームに没頭できる。キーボードのWASDキーの周辺のみ、他のキーより温度が上がりにくい設計になっているなど、配慮は細部まで行き届いている。また、タッチパッドをテンキーとして使える「Digital Numpad」や本体底面に配置されたサラウンドライトなど、ゲーミングPCとして性能・機能ともに申し分のない完成度に仕上がっている。
特筆しておきたいのが、同シリーズの日本市場に対する本気度だ。ゲーミングノートPCながら、日本語キーボードモデルやMicrosoft Officeプリインストールモデルを用意。ゲーミングだけでなく、幅広いニーズで使用することを想定したラインアップを揃えた。これまでギークたちのものだったゲーミングの世界をカジュアル層に広げる――「ROG Strix G G531」は、そんなゲーミング市場の次のステップを象徴するマシンとして重要な役割を担うことになるだろう。
(BCN・大蔵 大輔)
「ROG」誕生から13年 ゲーマー向けのマザーボードからスマホまで
ゲーマーの間で圧倒的な知名度を誇る「ROG」が産声を上げたのは2006年。当時、ASUSマザーボード部門のプロダクトマネージャーがマザーボード市場に対して感じていた閉塞感がきっかけだった。すでに成熟した同市場では、製品軸の単純な差別化で優劣がつきにくい状況が生まれていた。そこで、ゲーマーでもあった同氏が発案したのが、ゲーマーによるゲーマーのためのサブブランドだ。ROGとは、「Republic of Gamers」の略。日本語に訳せば、「ゲーマー共和国」といった意味になる。国境を越えて、ゲーマー同士が強い仲間意識を持って集まるブランドにしたい。込められた思いが現実のものとなり、現在では世界中の多くのゲーマーから信頼できる、そして何よりゲーマーとして誇れるブランドとして愛されている。
この10余年で急速に成長したROGは、オーバークロックに強くハイパフォーマンスを誇る製品として、ゲーマーやパワーユーザーからの信頼が厚い。国内外のPCゲームやeスポーツの盛り上がりを受け、マザーボードやビデオカードのパーツはもちろん、液晶ディスプレイや無線LAN、さらに去年11月に発売したスマートフォン(スマホ)ゲームに特化した「ROG Phone」など、カテゴリーを横断して日本で支持を拡大している。
ハイスペックゲーミングPC市場では年間販売台数No.1
さて、ここで日本市場におけるROGの成長を振り返ってみたい。全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」で、直近3年のASUS製マザーボードの販売台数構成比の推移を検証すると、ブランドの支持がいかに高まっているのかよく理解できる。16年4月、2割にも満たなかったゲーミングモデルは、19年4月に過半数を超える結果に。金額ベースでは、7割に迫る勢いだ。同社は、14年連続でマザーボードの年間販売台数No.1を獲得しており、18年に44.6%のシェアを獲得している。つまり、市場におけるかなりのシェアをASUS製のゲーミングマザーボードが占めていることになる。
また、ゲーミングノートPCにおける地位も確固たるものを築き上げている。GeForce GTX 1070以上を搭載するハイスペックのゲーミングノートPC市場において、同ブランドは18年の年間販売台数No.1を獲得。58.2%と高いシェアを記録している。いまやマザーボードだけでなく、PC本体や周辺機器に至るまでROGワールドともいうべき世界観は浸透している。
ゲーミングを次のステップへ 新製品「ROG Strix G G531」の可能性
冒頭で「ゲーマーの間では知らぬ人はいないほど」とROGを紹介したが、昨今のゲーミングシーンはユーザーの新規参入が加速しており、新たな受け皿が必要になっている。すなわち、これからゲーミングを楽しみたいというユーザーが選ぶべき選択肢だ。ASUSが6月14日に発表した「ROG Strix G G531」シリーズは、まさにこうしたニーズに応える新製品。エントリー向けのポジションだが、同シリーズの上位モデルに位置付けられるASUS Store限定モデルは第9世代のインテルCoreプロセッサーや高速レスポンス144hz対応の狭額縁ディスプレイを採用。上位モデルでGeForce RTX2060のGPU、スタンダードモデルでGeForce 1650を搭載している。
未来志向のデザインも見逃せない。今回、同シリーズはBMVのグループ会社であるDesignworksとコラボレーションした「ROG Face Off」というコンセプトを採用。光沢とマットの異なるテイストで構成した天板や、独特な形状の液晶ヒンジ、本体後部の吸気エリアから空気を取り込む独自の3D Flow Zoneデザインなど、随所に前衛的な意匠が施されている。
本体内部には一般的な5Vファンよりはるかに強力な12Vファンをダブルで搭載。冷却機能にすぐれ、長時間でも安心してゲームに没頭できる。キーボードのWASDキーの周辺のみ、他のキーより温度が上がりにくい設計になっているなど、配慮は細部まで行き届いている。また、タッチパッドをテンキーとして使える「Digital Numpad」や本体底面に配置されたサラウンドライトなど、ゲーミングPCとして性能・機能ともに申し分のない完成度に仕上がっている。
特筆しておきたいのが、同シリーズの日本市場に対する本気度だ。ゲーミングノートPCながら、日本語キーボードモデルやMicrosoft Officeプリインストールモデルを用意。ゲーミングだけでなく、幅広いニーズで使用することを想定したラインアップを揃えた。これまでギークたちのものだったゲーミングの世界をカジュアル層に広げる――「ROG Strix G G531」は、そんなゲーミング市場の次のステップを象徴するマシンとして重要な役割を担うことになるだろう。
(BCN・大蔵 大輔)