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家電量販店で買うならスマホ決済と株主優待券、どちらが得?

 株主優待制度を導入している企業の株式を最低単元以上保有、権利確定日に株主名簿に記録されている株主には、クオカードや買物優待券(優待割引券)、カタログギフトといった特典が進呈される。家電量販店は、おおむね10万円以下の投資で現金代わりに使える株主優待券が1枚以上もらえるため、投資初心者おすすめの優待銘柄として紹介されることが多い。

 一方、昨年末以来、ヨドバシカメラを除く主要家電量販店は、QRコード・バーコードを活用したスマートフォン(スマホ)決済サービスを導入。キャンペーン期間中の高還元は、もはや「株主優待」を超えると感じたため、数字で検証した。なお、比較対象となるスマホ決済サービスは、2019年6月12日から25日までの2週間、主要家電量販店4社で「『オリガミで、家電。』キャンペーン」を開催するOrigami Payをピックアップした。
 
「オリガミで、家電。」キャンペーン期間中、全国の対象の店舗で家電などを購入すると、
初回10%オフ、最大3000円割引となる

家電量販店の株主優待券をゲットするには5~12万円の資金が必要

 Origami Payで支払うと、事前に登録したクレジットカード決済で2%、連携した銀行口座からリアルタイムに引き落とす銀行口座決済で、その場で3%オフとなる。クレジットカード決済の場合、登録したクレジットカード側のポイントも貯まるため、ポイントの二重取りが可能。事前チャージが不要で、1回あたりの決済上限は、銀行口座決済だと税込10万円、クレジットカード決済の場合は税込100万円となるため、高額な家電製品の支払いに利用できる。

 「オリガミで、家電。」キャンペーンの対象店舗は、エディオングループ(エディオン、100満ボルト)、ケーズホールディングス(ケーズデンキ)、ビックカメラグループ(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)、ヤマダ電機グループ(ヤマダ電機、ベスト電器、マツヤデンキ、ツクモ)。このうち、エディオン、ケーズホールディングス、ビックカメラ、コジマ、ヤマダ電機は上場し、株主優待制度を導入している。

 この5社の中で、最も優待利回り(投資額に対する割引額の割合)の高いヤマダ電機の株式100株を取得し、年に2回の権利確定月までずっと保有した場合、合計3000円相当の買物優待券(500円×6枚)が進呈される。さらに、保有期間1年半超になると、優待券の総額が5000円相当(3月末5枚、9月末5枚の500円×10枚)に増加し、優待利回りは、1年目5.9%、2年目9.8%。10%オフの「オリガミで、家電。」に匹敵する水準となった。
 

 しかし、他社の優待利回りはおおむね1~3%台で、各スマホ決済サービスの通常時の還元率と同程度だった。1000円以上の買い物につき優待券1枚しか使えないなど、利用の制限もある。ここから、2019年6月現在、最大の家計節約術は、各スマホ決済サービスの積極的な活用だといえるだろう。

 「オリガミで、家電。」の場合、各店舗ごとにそれぞれ初回10%オフとなるため、これまで行ったことのない店舗に行き、買い回りをして欲しいという狙いもあるかもしれない。スマホ決済サービスは、店舗の集客・宣伝ツールだととらえると、今後も高還元キャンペーンが断続的に続きそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


※株主優待の内容は随時改定・見直しされるため、最新情報は必ず企業のIRサイトなどでご確認いただきますようお願い申し上げます。