令和元年の初日に社長交代、サンワサプライ

経営戦略

2019/05/01 14:35

 PC・タブレット周辺機器メーカーのサンワサプライは令和元年がスタートした初日の5月1日付で、山田和範専務が代表取締役社長に就任したとする人事を発表した。山田哲也社長は代表取締役会長に就任した。和範社長は哲也会長の長男で4代目社長となる。

社長交代を発表して会長に就任した山田哲也元社長
社長交代を発表して会長に就任した山田哲也元社長

 サンワサプライは、1923年に哲也氏の祖父の創業者・山田義夫氏が足袋の縫製工場・山田商工を個人創業し、哲也氏の父親の山田重三郎氏が梱包材のダンボール工場を経営。79年にサンワサプライに社名変更し、PCやPC周辺機器の販売を開始した。

 NECの「PC-8801」が1981年に発売され、「ゲーブルがほしい」「置き台がほしい」といった顧客のニーズに応えたのがきっかけでPC周辺機器分野に参入。哲也氏は、95年12月に3代目の社長に就任した。

 山田哲也氏(当時社長)は18年4月下旬のBCNの取材で、19年5月1日に和範専務が社長に就くことを宣言していた。

 「日本の年号も変わるし、覚えやすいと思って。決算期が6月期なので5月のタイミングがよかった」と語りつつも、「PCが登場してから約30年。PCからタブレット、タブレットからスマホに移るなか、今後はアマゾンのAIによる音声認識技術Alexaに代表されるようなスマートスピーカーに変わっていくだろう。新しい流れのなかでバトンタッチした」と、新しい時代の経営を和範氏に託した。

 哲也氏は会長に就いてサンワサプライの経営を見守りつつも、5G時代の成長分野である「航空宇宙産業」を、地元、岡山の新たな産業に育成しようと活動している。

 17年11月27日、サンワサプライの本社がある岡山県倉敷市で、市長や商工会議所のメンバー、有力企業を巻き込んで「MASC(岡山県倉敷市水島地域への航空宇宙産業クラスターの実現に向けた研究会)」を立ち上げ、副理事長として活躍している。(BCN・細田 立圭志)