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空前の自家製冷食ブームで、冷蔵庫は保存庫から「調理庫」に

販売戦略

2019/03/21 17:00

 パナソニックが3月20日から販売している冷蔵庫「NR-F655WPX/NR-F605WPX/NR-F555WPX」は、業務用レベルの急速冷凍が可能な「はやうま冷凍」と「はやうま冷却」がウリだ。自前で冷凍食品をつくる空前のブームをとらえて、冷蔵庫を単なる「保存庫」から「調理庫」へと進化させた。

パナソニックの冷蔵庫「WPXシリーズ」

 現在、自宅で調理したものを冷凍して保存する「ホームフリージング」がブームだ。ベターホーム協会のインターネット調査(n=515)によると、「よくしている(53%)」「時々している(31%)」「たまにしている(12%)」を合わせて96%がホームフリージングを活用しているという。インスタグラムなどでも「#自家製冷食」「#冷凍つくりおき」などの投稿が話題になっている。

 パナソニックの新製品はここに着目し、通常は約150分かかっていた冷凍時間を「はやうま冷凍」として約30分で急速冷凍できるようにした。それが、上から2段目の右側に設置された「クーリングアシストルーム」だ。専用のファンとダクトを設けて、約8倍の大風量で集中冷却することで、食材の細胞組織の損傷を抑える。例えば、揚げ物の場合は食材の水分が衣に移動する前に冷凍させ、ジューシーなまま保存できる、といった効果が得られる。
 

 「クーリングアシストルーム」で“調理”して冷凍した料理や食材は、冷蔵室の「パーシャル」に保存すれば約1週間、冷凍室に保存すれば約1か月間保存できる。忙しい平日の夜などは、冷凍食材をレンジで温めて食べたるだけなので時短調理につながる。

 また、朝は弁当を冷ますのに時間がかかる。特に夏場は、細菌が繁殖しやすい約25~45℃の温度帯が危険だ。そんな時、弁当箱を「クーリングアシストルーム」に入れれば、あら熱をわずか5分で取り除ける。さらに、素早く冷まして25℃以下にするため、衛星面でも安心だ。前述した「はやうま冷凍」に対して、こうした使い方をパナソニックでは「はやうま冷却」としてアピールする。(BCN・細田 立圭志)