2019年10月に現行の8%から10%に税率引き上げ予定の消費税の反動減対策として、「住宅」に関してはかなり手厚い対策が講じられる。その一つ、かつて地デジ移行に大きく貢献した「家電エコポイント」の住宅版「次世代住宅ポイント」は、狙いとして「環境」「安全・安心」「健康長寿・高齢者対応」に配慮した住宅・リフォームの促進、そして「子育て支援・働き方改革」を挙げる。家電のトレンドとも共通するキーワードは「エコ」と「時短」だ。
新築住宅は、断熱等性能等級4以上、耐震等級2以上など、基準値以上の性能証明の認定を受けると30万ポイント付与され、さらに、「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「性能向上計画認定住宅」「ZEH(Net Zero Energy House)」のいずれかを取得すると5万ポイント加算される。
リフォーム工事のポイント上限は条件によって異なり、若者・子育て世帯(18年12月21日時点で40歳未満か18歳未満の子どものいる世帯、または申請時点で18歳未満の子どもがいる世帯)では、1戸あたり最大60万ポイントと、新築より多い。
また、次世代住宅ポイントの発行最小単位が合計2万ポイントなので、システムキッチンのフルリフォームはもちろん、キッチンの一部の機器入れ替えとトイレリフォームの同時実施といった小規模リフォームでも対象となる。前回の増税時、駆け込みが多く発生したリフォーム工事の反動減を防ぎ、同時に、良質な中古住宅を購入してリフォームして住むスタイルの浸透を目指しているようだ。なお、予算枠として、新築は1032億円、リフォームは268億円の枠を設定しており、予算額に届き次第、終了する。
この次世代住宅ポイント制度の概要を知り、推奨される住宅のスペック要件に、「家事負担軽減」が加わり、さまざまなジャンルに広がる時短家電の「時短」の重みが高まったと感じた。家事と仕事の両立を迫られ、日々の家事が重い枷となっている世帯は、いい機会なのでぜひこの制度を利用して恩恵を受けよう。(BCN・嵯峨野 芙美)
住まいの推奨仕様に「家事負担軽減」が加わる
2月18日に国土交通省のウェブサイトに掲載された資料によると、引き渡しが19年10月1日以降で、19年10月1日から20年3月31日までに工事請負契約を締結し、10月1日以降に工事着工した(完成済物件は19年12月20日までに売買契約を締結した)新築住宅を対象に、所定の手続きを行うと、合計35万ポイントを上限に、省エネ商品などと交換できる「次世代住宅ポイント」を付与する。新築住宅は、断熱等性能等級4以上、耐震等級2以上など、基準値以上の性能証明の認定を受けると30万ポイント付与され、さらに、「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「性能向上計画認定住宅」「ZEH(Net Zero Energy House)」のいずれかを取得すると5万ポイント加算される。
狙いはリフォーム工事の反動減対策と中古住宅の普及?
さらに今回、新築住宅、リフォームとも、「家事負担軽減に資する住宅設備」を設置すると、設備の種類に応じたポイントが付与される。具体的には、家電量販店のリフォームコーナーでも取り扱っている「ビルトイン食器洗機」「掃除しやすいレンジフード」「ビルトイン自動調理対応コンロ」「浴室乾燥機」「掃除しやすいトイレ」「宅配ボックス(各住戸専用タイプ)」の6ジャンル。付与するポイントは9000~1万8000ポイント。さすがに「ロボット掃除機」のような家電は対象外だが、「子育て支援、働き方改革」の一環として、日々の家事の負担軽減を後押しする姿勢は評価したい。リフォーム工事のポイント上限は条件によって異なり、若者・子育て世帯(18年12月21日時点で40歳未満か18歳未満の子どものいる世帯、または申請時点で18歳未満の子どもがいる世帯)では、1戸あたり最大60万ポイントと、新築より多い。
また、次世代住宅ポイントの発行最小単位が合計2万ポイントなので、システムキッチンのフルリフォームはもちろん、キッチンの一部の機器入れ替えとトイレリフォームの同時実施といった小規模リフォームでも対象となる。前回の増税時、駆け込みが多く発生したリフォーム工事の反動減を防ぎ、同時に、良質な中古住宅を購入してリフォームして住むスタイルの浸透を目指しているようだ。なお、予算枠として、新築は1032億円、リフォームは268億円の枠を設定しており、予算額に届き次第、終了する。
この次世代住宅ポイント制度の概要を知り、推奨される住宅のスペック要件に、「家事負担軽減」が加わり、さまざまなジャンルに広がる時短家電の「時短」の重みが高まったと感じた。家事と仕事の両立を迫られ、日々の家事が重い枷となっている世帯は、いい機会なのでぜひこの制度を利用して恩恵を受けよう。(BCN・嵯峨野 芙美)