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開始から2年…プレミアムフライデーの現状、経産省の涙ぐましい努力に涙

時事ネタ

2019/02/22 17:00

 「プレミアムフライデー」という言葉を最後に耳にしたのはいつだろうか。開始前から誰もが本当にうまくいくのか半信半疑だった政府の肝いり施策は、今では言うまでもなく下火になっている。そして、今日は2月22日、2月最終週の金曜日。第1回のプレミアムフライデーが実施されたのは、2017年2月24日なので開始から丸2年が経過したことになる。

今日で開始から丸2年を迎えた「プレミアムフライデー」。その現状は?

 ゼネラルリサーチが2月9日~2月12日に全国20~60代の男女1258名を対象にインターネットで実施した「プレミアムフライデーに関する意識調査」によると、「認知率」は9割を超えているものの、「実施された」と回答したのはわずか1割にとどまった。衝撃の結果というべきか、予想通りの結果というべきか判断が難しいところだが、「知ってはいるけど、自分には関係ない」という人が圧倒的多数であることは確かだ。
 

 実施されたと回答した人に聞いた「実施されてよかった点」は、「プライベートが充実した」が39.7%でトップ。以下、「会社や個人が成長した」「体調が良くなった」「社内の交流が増えた」「新しいことが始められた」などの項目が僅差で並んだ。

 一方、「実施されなかった」と回答した人に聞いた「実施したら何をしたいか」という質問では、45.7%が「趣味など自分の時間」、31.4%が「友人・恋人・家族などプライベートな時間」と回答。実施の有無にかかわらず、プレミアムフライデーに期待しているのは“個人”の時間の充実であることは共通しているようだ。
 

 「実施された企業がうらやましい」という声もあるかもしれないが、実は苦労も多い。アンケートでは「導入にあたっての苦労・懸念点」を問う設問もあるが、「残業・時間給など労務上の対応」に苦労したという声や「業務の圧迫」を懸念する声が多く上がった。また、「プレミアムフライデー」は働き方改革以外に消費喚起の目的もあるが、「日本経済への影響はあるか」の問いには「特に影響はない」が76.4%という寂しい結果になってしまった。

 早くもプレミアムフライデーは廃れてしまったのか。実は音頭をとる経済産業省は、毎月プレミアムフライデーのキャンペーンを実施する全国の商業施設のキャンペーン情報をひっそりと発信している。2月の一覧を見ると、小売り、飲食、サービスまで幅広い業界で多くの企業がプレミアムフライデーに紐づく施策を展開していることが分かる。
 
経済産業省のホームページでは毎月全国各地のキャンペーン情報や過ごし方の提案を発信中。
その努力は報われてほしいものだが……

 別の資料では、プランや最新動向を詳細に記したプレミアムフライデーの過ごし方提案も。「スキー・スノーボードへ行こう!」という定番から社会人の学び直しを支援する「プレ金大学」のようなユニークなものまで多岐にわたっている。
 
年間を通じて作成されていたロゴ。いろいろと努力の形跡がうかがえるだけに、
だんだんと経産省に同情の念が沸いてくる

 いずれの資料も制作者の苦労がうかがい知れる力作だけに、もっと広く発信してほしいと思わずにはいられない。その涙ぐましい努力が報われるよう、プレミアムフライデーが真に国民に喜ばれる行事に生まれ変わることを願うばかりだ。
(BCN・大蔵 大輔)