PayPay、LINE Payに対抗するヨドバシカメラの意地
2月12日から第2ラウンドのゴングが鳴ったモバイル決済サービス。ヤフーとソフトバンクの合弁のPayPayによる「100億円キャンペーン」やLINE Payによるファミリーマート限定の20%ポイント還元キャンペーンが同日から、13日はオリガミのOrigami Payでケンタッキーフライドチキン半額キャンペーン「オリガミで、半額。」がスタートした。今回は家電量販への影響が限定的とみられる中、元祖ポイント企業のヨドバシカメラが独自の「最大20%ポイント還元」の特別ポイントアップセールで気を吐く。
家電量販のモバイル決済サービスの対応状況はPayPayがビックカメラ、コジマ、ソフマップ、ヤマダ電機、エディオン、上新電機で対応、LINE Payが上新電機、ゲオ、カメラのキタムラなどで対応している。Origami Payが対応する家電量販は今のところない。
それぞれのキャンペーンは、LINE Payがファミマ限定、Origami Payがケンタッキー限定で実施し、期間はLINE Payが2月12日~21日の10日間、Origami Payは2月13日~19日の1週間といずれも短い。家電量販でのLINE Payの利用は、通常の最大5%などに限られる。
一方のPayPayは、18年12月に実施した前回は、わずか10日間で100億円分が底をつき終了してしまった反省から、今回は2月12日~5月31日までの約3か月半の長期キャンペーンを想定する。
100億円の上限に達したら終了する条件も、キャンペーン期間を長引かせるために、20%と全額還元のどちらも1回の会計で付与する「PayPay残高」を上限の1000円相当に抑えた。つまり、5000円の買い物が一番効率よくPayPay残高をゲットできることになる。
期間中の付与上限を5万円相当に設けているものの、これは1回で25万円の買い物したときに5万円相当が付与されるのではなく、5000円の買い物を50回することを想定した設定だ。
このように、少額の買い物をこまめにしてもらうことを狙ったキャンペーンであることから、ケーズホールディングスの平本忠社長は「今回のPayPayの(家電量販に与える)影響は限定的だろう」との見方を示す。なお、ケーズデンキはモバイル決済に今のところ非対応だが、対応するシステムを2月中に完成させて、いつでも稼働できる態勢を整える。
さて、前回のPayPayキャンペーンでは、値引き販売しないアップル製品などの購入を求めて顧客がビックカメラに殺到。同社の18年12月の単体売上高(速報ベース)は前年比23.3%増となり、PayPay効果が大きかった。今回は前回ほどの影響は期待できないものの、ドライヤーなどの小物商品に絞ってビックポイントも加算されることをアピールするあたりは抜け目ない。
そうした中、がぜん家電量販で注目が集まるのがヨドバシカメラだ。ヨドバシはPayPay、LINE Payのいずれにも非対応だが、最大20%ポイント還元の自前の特別ポイントアップセールを開催中で、期間はPayPayやLINE Payと完全に重なる2月8日~3月31日の2か月間の長期キャンペーンなのだ。
しかも、期間中のポイント還元総額の上限は設定されていないので、いつでも指定商品で最大20%、通常の10%還元に3%をプラスした13%のポイント還元が受けられる。もちろん、ECのヨドバシ・ドット・コムでも同じだ。
家電量販のモバイル決済キャンペーンでは、前回は「ビックカメラの独り勝ち」といわれたが、今回はヨドバシカメラの旧来型のポイントが立ちはだかるかもしれない。ポイントカードを最初に考案したヨドバシの意地が感じられる。(BCN・細田 立圭志)
家電量販のモバイル決済サービスの対応状況はPayPayがビックカメラ、コジマ、ソフマップ、ヤマダ電機、エディオン、上新電機で対応、LINE Payが上新電機、ゲオ、カメラのキタムラなどで対応している。Origami Payが対応する家電量販は今のところない。
それぞれのキャンペーンは、LINE Payがファミマ限定、Origami Payがケンタッキー限定で実施し、期間はLINE Payが2月12日~21日の10日間、Origami Payは2月13日~19日の1週間といずれも短い。家電量販でのLINE Payの利用は、通常の最大5%などに限られる。
一方のPayPayは、18年12月に実施した前回は、わずか10日間で100億円分が底をつき終了してしまった反省から、今回は2月12日~5月31日までの約3か月半の長期キャンペーンを想定する。
100億円の上限に達したら終了する条件も、キャンペーン期間を長引かせるために、20%と全額還元のどちらも1回の会計で付与する「PayPay残高」を上限の1000円相当に抑えた。つまり、5000円の買い物が一番効率よくPayPay残高をゲットできることになる。
期間中の付与上限を5万円相当に設けているものの、これは1回で25万円の買い物したときに5万円相当が付与されるのではなく、5000円の買い物を50回することを想定した設定だ。
このように、少額の買い物をこまめにしてもらうことを狙ったキャンペーンであることから、ケーズホールディングスの平本忠社長は「今回のPayPayの(家電量販に与える)影響は限定的だろう」との見方を示す。なお、ケーズデンキはモバイル決済に今のところ非対応だが、対応するシステムを2月中に完成させて、いつでも稼働できる態勢を整える。
さて、前回のPayPayキャンペーンでは、値引き販売しないアップル製品などの購入を求めて顧客がビックカメラに殺到。同社の18年12月の単体売上高(速報ベース)は前年比23.3%増となり、PayPay効果が大きかった。今回は前回ほどの影響は期待できないものの、ドライヤーなどの小物商品に絞ってビックポイントも加算されることをアピールするあたりは抜け目ない。
そうした中、がぜん家電量販で注目が集まるのがヨドバシカメラだ。ヨドバシはPayPay、LINE Payのいずれにも非対応だが、最大20%ポイント還元の自前の特別ポイントアップセールを開催中で、期間はPayPayやLINE Payと完全に重なる2月8日~3月31日の2か月間の長期キャンペーンなのだ。
しかも、期間中のポイント還元総額の上限は設定されていないので、いつでも指定商品で最大20%、通常の10%還元に3%をプラスした13%のポイント還元が受けられる。もちろん、ECのヨドバシ・ドット・コムでも同じだ。
家電量販のモバイル決済キャンペーンでは、前回は「ビックカメラの独り勝ち」といわれたが、今回はヨドバシカメラの旧来型のポイントが立ちはだかるかもしれない。ポイントカードを最初に考案したヨドバシの意地が感じられる。(BCN・細田 立圭志)