【2019年大胆予測】交通シェアリング普及へ、一気通貫で快適な生活も?
政府の成長戦略にラインアップされ、言葉が浸透しつつある「シェアリングエコノミー」。交通手段に関しては、サイクルポートから自転車を借りて返却できるシェアサイクルや、レンタカーと異なって短時間でも利用できるカーシェアリング、スマートフォンを充電できるバッテリーのシェアリングなど、さまざまなサービスが登場している。
2018年を振り返ると、シェアサイクルではメルカリグループのソウゾウが「メルチャリ」を提供。ヤフーの子会社で新規事業開拓を行うZコーポレーションも、OpenStreetに資本参加し、ヤフーグループとしてシェアサイクルという新たな領域に参入した。ドコモ・バイクシェアは、運営するシェアサイクルを中心に実証実験にも取り組んだ。カーシェアリングでは、東日本旅客鉄道(JR東日本)とディー・エヌ・エー(DeNA)が自動車を無人で貸し出すサービスの実証実験を拡大した。
サービスが充実し、利用者も増えつつあるが、いまだ普及しているとは言い難いだろう。まだ黎明期であることが要因の一つといえるが、さまざまなサービスを別々に利用しなければならないというのも「どうやって利用すればいいのか」ということにつながる。そういった点では、一気通貫でサービスを利用できる環境があれば、さらに利用者が増えるといえよう。そこで重要になってくるのが、さまざまなサービスが利用できる「プラットフォーム」や「サービス連携」といえそうだ。そこに目を付けたのが経路検索サービス事業者だ。
「乗換案内」を提供するジョルダンは、MaaS(Mobility as a Service)事業者になる方向性を発表した。18年7月に、MaaS関連ビジネスを手掛けるための子会社として「J MaaS」を設立したほか、10月には「Door to Door(ドア・ツー・ドア)」の案内を実現するサービスの提供も開始した。
J MaaSが描くMaaSのビジネスモデルは、プラットフォームを提供するサプライヤーに徹し、交通事業者やサービス事業者などとパートナーシップを組んで、ユーザーにアプリを提供するMaaSオペレーターの求めるものを全て用意するということだ。MaaSを通じたエコシステムの構築によって、さまざまなサービスを一気通貫でつなげることを目標に据えている。
MaaSという観点では、「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所(ヴァル研)も「Next EKISPERT」構想を発表。「Personalized(個の移動にフォーカス)」「Multimodal(複数の移動モードを最適に案内)」「Ecosystem(エコシステムによる価値の提供)」の三つをキーワードに、MaaS関連企業やSIerなどに次世代の移動手段を実現するためのロジックをAPIとして提供。移動に関する新たな価値を創造しようとしている。
それを実現するために、現段階でヴァル研が取り組んでいるのが「mixway」だ。電車やバスなどの公共交通とシェアサイクルを組み合わせた「経路検索」や、リアルタイムなポートの空き状況などが分かる「リアルタイムポートマップ」が利用できるスマートフォン向けウェブサイトで18年5月にベータ版を公開。複数の実証実験も進めている。
プラットフォームやサービス連携がさらに進めば、鉄道や飛行機、バス、カーシェアやシェアバイクなどを自由に組み合わせてシームレスに使えるようになる環境が整いそうだ。交通手段のシェアリングサービスが、生活の一部となって快適な生活が送れることに注目が集まる。(BCN・佐相彰彦)
2018年を振り返ると、シェアサイクルではメルカリグループのソウゾウが「メルチャリ」を提供。ヤフーの子会社で新規事業開拓を行うZコーポレーションも、OpenStreetに資本参加し、ヤフーグループとしてシェアサイクルという新たな領域に参入した。ドコモ・バイクシェアは、運営するシェアサイクルを中心に実証実験にも取り組んだ。カーシェアリングでは、東日本旅客鉄道(JR東日本)とディー・エヌ・エー(DeNA)が自動車を無人で貸し出すサービスの実証実験を拡大した。
サービスが充実し、利用者も増えつつあるが、いまだ普及しているとは言い難いだろう。まだ黎明期であることが要因の一つといえるが、さまざまなサービスを別々に利用しなければならないというのも「どうやって利用すればいいのか」ということにつながる。そういった点では、一気通貫でサービスを利用できる環境があれば、さらに利用者が増えるといえよう。そこで重要になってくるのが、さまざまなサービスが利用できる「プラットフォーム」や「サービス連携」といえそうだ。そこに目を付けたのが経路検索サービス事業者だ。
「乗換案内」を提供するジョルダンは、MaaS(Mobility as a Service)事業者になる方向性を発表した。18年7月に、MaaS関連ビジネスを手掛けるための子会社として「J MaaS」を設立したほか、10月には「Door to Door(ドア・ツー・ドア)」の案内を実現するサービスの提供も開始した。
J MaaSが描くMaaSのビジネスモデルは、プラットフォームを提供するサプライヤーに徹し、交通事業者やサービス事業者などとパートナーシップを組んで、ユーザーにアプリを提供するMaaSオペレーターの求めるものを全て用意するということだ。MaaSを通じたエコシステムの構築によって、さまざまなサービスを一気通貫でつなげることを目標に据えている。
MaaSという観点では、「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所(ヴァル研)も「Next EKISPERT」構想を発表。「Personalized(個の移動にフォーカス)」「Multimodal(複数の移動モードを最適に案内)」「Ecosystem(エコシステムによる価値の提供)」の三つをキーワードに、MaaS関連企業やSIerなどに次世代の移動手段を実現するためのロジックをAPIとして提供。移動に関する新たな価値を創造しようとしている。
それを実現するために、現段階でヴァル研が取り組んでいるのが「mixway」だ。電車やバスなどの公共交通とシェアサイクルを組み合わせた「経路検索」や、リアルタイムなポートの空き状況などが分かる「リアルタイムポートマップ」が利用できるスマートフォン向けウェブサイトで18年5月にベータ版を公開。複数の実証実験も進めている。
プラットフォームやサービス連携がさらに進めば、鉄道や飛行機、バス、カーシェアやシェアバイクなどを自由に組み合わせてシームレスに使えるようになる環境が整いそうだ。交通手段のシェアリングサービスが、生活の一部となって快適な生活が送れることに注目が集まる。(BCN・佐相彰彦)