クリスマスパーティーや忘年会、里帰りなど、なにかと大勢が集まる機会が多いホリデーシーズン。しかし、楽しいひと時は、聞こえに悩みをもつ人にとっては憂鬱な時間になっている可能性がある。110余年の歴史を持つ、デンマーク生まれの補聴器メーカーであるオーティコン補聴器の調査によると、会話を楽しむはずのレストランで、背景騒音と周りの客たちが交わす会話が入りまじり、会話に集中したり、耳を傾け積極的に会話に参加をすることが難しくなる、いわゆる「レストランのジレンマ」が発生しているという。この状況は健聴者にも厳しいが、難聴者ならなおさら、話についていくために「努力」を強いられる。
レストランにおける騒音の問題はいまに始まった話ではない。しかし、最近ディナー客のレストランに対する不満として「騒音」が急上昇。米国でレストランの評価サービスを運営するザガット・サーベイの調査では、サービス・混雑・値段の高さ・駐車場といった項目を上回った。
なぜ騒音問題が深刻化しているのか。それにはレストランデザインの流行が影響している。ここ数年のインテリアテイストのトレンドは、無機質な印象のインダストリアルデザイン。鋼材やタイル、レンガ、テーブルや床材にチークなどの硬質な素材を採用した店舗が世界中で急増している。硬質な素材は接触により大きな音が出やすく、反響もしやすい。現在のレストランの内部は一昔前と比較して、より多くの音が、より大きな音で氾濫しているのだ。
「たしかに最近のレストランは前よりうるさくて、話しづらくなったかもしれない」と思い当たる人もいるかもしれない。ただ、問題はそれだけでは終わらない。オーティコン補聴器がこの問題をより詳細にリサーチした結果、レストランの騒音は難聴リスクにつながるほどのものであることが分かってきた。
米国オーティコン補聴器が実施したリサーチは、外部調査員の手を借りて全米10都市×5店のレストランで土曜日のディナータイム(19~20時)に騒音の計測(単位はdB:デシベル)を行い、各地域の騒音度合を比較するというもの。対象となるレストランは、大手口コミサイト、トリップアドバイザー社のレストランセレクションで最高評価を得ている店が選ばれている。
10都市中でもっとも騒音が高かったのはナッシュビル(テネシー州)のハンバーガーが人気のカジュアルレストランの82.19dB、もっとも低かったのはオースティン(テキサス州)の75.60dB。10都市の平均騒音レベルは79.17dBだった。ちなみに一般的に耳鼻科医が長時間の耳を曝露することで難聴リスクにつながると警告する騒音環境は「85dB」。つまり、ナッシュビルのレストランの環境は、この危険レベルの騒音が継続的に続いている状態にあるのだ(補足すると、ナッシュビルで記録された最大騒音は133.40dB。これは救急車のサイレンが間近で鳴っているのと同等のレベルだ)。
米国のレストランの例では、いまひとつピンとこないので、記者も先週末に訪問した渋谷の居酒屋(店名は伏せるが、50席程度のテーブル席があるごくごく一般的な店舗)で騒音レベルを測定してみた。測定したのは、オーティコン補聴器のリサーチと同じ土曜日のディナータイム(19~20時)。正直、自分の耳の感覚では「このくらいの騒音は普通」というレベルだった。しかし、実際には測定していた半分以上の時間で85dBを超えるという結果に。これは耳の健康にとって非常に好ましくない状況だ。
では、レストランに行くこと自体が耳に悪影響なのかというと、もちろんそんなことはない。オーティコン補聴器は、こうしたリスクを軽減するためにいくつかの提案を行っている。
まずは、レストランの騒音についてしっかりとリサーチすること。最近のレストランガイドや口コミサイトには騒音について情報を掲載しているケースも多い。予約の電話をする際に、スタッフに店内の騒音度合について確認するのも手だ。ディナーの時間帯も重要。店にもよるが、ピークタイムを避けるだけで静かな環境で食事をすることができる。
もし下見ができるのなら、個室やブース席はあるか、床やテーブル、椅子の素材は柔らかいか、テーブルクロスは引いてあるかなどのポイントをチェックしてみるのもよいとのこと。場所を指定できるなら、壁側や角など音の方向を限定できる位置がおすすめだ。生演奏もしくはBGMが流れている店なら、音源と一定の距離をとることも有効だろう。
難聴者の方はグループの中での席にも気をつけるとよいだろう。中央に陣取れば、それだけ多くの人の話を近い距離で聞くことができる。お互いの顔が見えやすい位置といった周囲の人の話を聞き取りやすい席に誘導するなど、ちょっとした配慮で居心地のよさはずいぶんと変わってくる。
また、難聴のある方は、こうした場での補聴器の装用も有効な手段だ。かつての補聴器は騒音抑制でうるささは軽減できても、多方向からの音の聞き取りは苦手で、指向性機能が前方以外の音を制限するように働くため、周囲の音や会話を聞き取るのが難しいという課題があった。
オーティコン補聴器の先進補聴器「Opn」は、「オープンサウンドナビゲーター」という全方位の音声を高性能チップで高速処理する技術を備えており、大人数が集まる場でも聞き取りたい音声をしっかり耳に届けることができる。
これは忘年会・新年会だけでなく、年末年始に際し、親族が一同に会する場においても同じことがいえる。聞き取りにくいということはそれだけ脳に負担をかけているということだ。自分のことはもちろんだが、久しぶりに会った親が大勢の中で居心地悪くしていたら、それは実は聞こえの悩みによるものかもしれない。耳鼻医などで現在の聴力を確認することを勧め、その上でもし聞こえの問題を指摘された場合は、先進の補聴器について検討をしてみるのもありだろう。
レストランにおける騒音の問題はいまに始まった話ではない。しかし、最近ディナー客のレストランに対する不満として「騒音」が急上昇。米国でレストランの評価サービスを運営するザガット・サーベイの調査では、サービス・混雑・値段の高さ・駐車場といった項目を上回った。
なぜ騒音問題が深刻化しているのか。それにはレストランデザインの流行が影響している。ここ数年のインテリアテイストのトレンドは、無機質な印象のインダストリアルデザイン。鋼材やタイル、レンガ、テーブルや床材にチークなどの硬質な素材を採用した店舗が世界中で急増している。硬質な素材は接触により大きな音が出やすく、反響もしやすい。現在のレストランの内部は一昔前と比較して、より多くの音が、より大きな音で氾濫しているのだ。
「たしかに最近のレストランは前よりうるさくて、話しづらくなったかもしれない」と思い当たる人もいるかもしれない。ただ、問題はそれだけでは終わらない。オーティコン補聴器がこの問題をより詳細にリサーチした結果、レストランの騒音は難聴リスクにつながるほどのものであることが分かってきた。
米国オーティコン補聴器が実施したリサーチは、外部調査員の手を借りて全米10都市×5店のレストランで土曜日のディナータイム(19~20時)に騒音の計測(単位はdB:デシベル)を行い、各地域の騒音度合を比較するというもの。対象となるレストランは、大手口コミサイト、トリップアドバイザー社のレストランセレクションで最高評価を得ている店が選ばれている。
10都市中でもっとも騒音が高かったのはナッシュビル(テネシー州)のハンバーガーが人気のカジュアルレストランの82.19dB、もっとも低かったのはオースティン(テキサス州)の75.60dB。10都市の平均騒音レベルは79.17dBだった。ちなみに一般的に耳鼻科医が長時間の耳を曝露することで難聴リスクにつながると警告する騒音環境は「85dB」。つまり、ナッシュビルのレストランの環境は、この危険レベルの騒音が継続的に続いている状態にあるのだ(補足すると、ナッシュビルで記録された最大騒音は133.40dB。これは救急車のサイレンが間近で鳴っているのと同等のレベルだ)。
米国のレストランの例では、いまひとつピンとこないので、記者も先週末に訪問した渋谷の居酒屋(店名は伏せるが、50席程度のテーブル席があるごくごく一般的な店舗)で騒音レベルを測定してみた。測定したのは、オーティコン補聴器のリサーチと同じ土曜日のディナータイム(19~20時)。正直、自分の耳の感覚では「このくらいの騒音は普通」というレベルだった。しかし、実際には測定していた半分以上の時間で85dBを超えるという結果に。これは耳の健康にとって非常に好ましくない状況だ。
では、レストランに行くこと自体が耳に悪影響なのかというと、もちろんそんなことはない。オーティコン補聴器は、こうしたリスクを軽減するためにいくつかの提案を行っている。
まずは、レストランの騒音についてしっかりとリサーチすること。最近のレストランガイドや口コミサイトには騒音について情報を掲載しているケースも多い。予約の電話をする際に、スタッフに店内の騒音度合について確認するのも手だ。ディナーの時間帯も重要。店にもよるが、ピークタイムを避けるだけで静かな環境で食事をすることができる。
もし下見ができるのなら、個室やブース席はあるか、床やテーブル、椅子の素材は柔らかいか、テーブルクロスは引いてあるかなどのポイントをチェックしてみるのもよいとのこと。場所を指定できるなら、壁側や角など音の方向を限定できる位置がおすすめだ。生演奏もしくはBGMが流れている店なら、音源と一定の距離をとることも有効だろう。
難聴者の方はグループの中での席にも気をつけるとよいだろう。中央に陣取れば、それだけ多くの人の話を近い距離で聞くことができる。お互いの顔が見えやすい位置といった周囲の人の話を聞き取りやすい席に誘導するなど、ちょっとした配慮で居心地のよさはずいぶんと変わってくる。
また、難聴のある方は、こうした場での補聴器の装用も有効な手段だ。かつての補聴器は騒音抑制でうるささは軽減できても、多方向からの音の聞き取りは苦手で、指向性機能が前方以外の音を制限するように働くため、周囲の音や会話を聞き取るのが難しいという課題があった。
オーティコン補聴器の先進補聴器「Opn」は、「オープンサウンドナビゲーター」という全方位の音声を高性能チップで高速処理する技術を備えており、大人数が集まる場でも聞き取りたい音声をしっかり耳に届けることができる。
これは忘年会・新年会だけでなく、年末年始に際し、親族が一同に会する場においても同じことがいえる。聞き取りにくいということはそれだけ脳に負担をかけているということだ。自分のことはもちろんだが、久しぶりに会った親が大勢の中で居心地悪くしていたら、それは実は聞こえの悩みによるものかもしれない。耳鼻医などで現在の聴力を確認することを勧め、その上でもし聞こえの問題を指摘された場合は、先進の補聴器について検討をしてみるのもありだろう。