PwC、コンサルティングでeスポーツ事業を支援

経営戦略

2018/11/21 17:00

 PwCコンサルティングは11月21日、「eスポーツ事業推進室」を設立した。世界的に注目が高まっているeスポーツ関連ビジネスへの進出を目指す企業に対し、事業参入、チーム強化、セカンドキャリアの三つの領域でアドバイザリーサービスを提供する。今後1年以内に10人以上のコンサルタントを用意し、5年以内に売上高20億円を目指す。

eスポーツ事業を多角的にサポートする

 PwCの調査レポート「PwCグローバルエンタテイメント&メディアアウトルック2018‐2022」では、eスポーツ市場は、2021年には世界で1800億円に達し、選手数は1億人に上ると予測している。急速な拡大が見込まれるeスポーツ関連市場で、新規参入から収益化、事業の拡大、選手のセカンドキャリア支援までのエコシステムを形成し、日本国内のeスポーツビジネスを健全に発展させていく方針だ。

 eスポーツ推進室では、新規参入を目指す企業に対し、社内コンセンサスの形成から収益モデルの策定、チームの保有や選手のスカウティング、トレーニング施設の開設まで支援する。また、運営に必要なガバナンスの構築、リスク管理、コンプライアンスの導入や、eスポーツチームにとって重要なブランド戦略、ソーシャルメディアの活用もサポートする。

 また、チーム強化支援サービスも行う。eスポーツ選手のパフォーマンスの測定に使う要素を「能力」「性質」「コンディション」「環境」の四つに分類し、PwCの持つAI・Analyticsのケイパビリティを活用してさまざまな角度から検証。分析結果から、パフォーマンスの向上に向けたアクション計画までを手掛ける。

 セカンドキャリア支援については、セキュリティー業界へのキャリアチェンジを提案する。PwCは、eスポーツ選手とサイバーセキュリティー人材に必要とされるスキル、マインドに高い類似性があると判断。セキュリティー人材の不足という社会的な課題を解決する選択肢になり得ると期待する。

 具体的な支援としては、サーバーセキュリティーに関する研修やトレーニングの提供、キャリア構築を実施するほか、現役のeスポーツ選手として活躍しながらサイバーセキュリティー人材としてキャリアを形成する、デュアルキャリアの構築やメンター制度も導入する。