キーワードは「改元」「消費増税」、BSLシステム研究所の成長戦略
法改正の際、必ずと言っていいほど特需が出てくる、財務会計や販売管理などの特定業務に使用する業務ソフト。2019年10月に消費税率10%への引き上げが発表され、業務ソフトメーカーにとっては買い替え需要を開拓するチャンスが訪れている。しかも、今回は消費増税の前、19年5月に新元号の施行もあり、これまでにも増して特需になる可能性を秘めている。BSLシステム研究所も、この一連の流れを商機と捉えている。小野秀幸社長に、成長戦略について聞いた。(BCN・佐相彰彦)
小野 これまで特に目立ったことはなかったので、同程度に推移しています。ただ、今後は変化の兆しがあります。
――「改元」と「消費増税」ですね。
小野 その通りです。業務ソフトは、企業が使うものですので、新しい元号に必ずかえる必要がある。改元は、確実に特需になると捉えています。もう一つの消費増税も、税率をかえておかなければ業務に支障をきたす。こちらでも、ビジネスが拡大する機運が高まっているということです。
――現在、ユーザー企業から問い合わせなどがあるのですか。
小野 あります。絶対に対応しなければならないということで、どのように対処すればいいかなど、問い合わせがきています。そういった意味では、今まさに案件が動いていると言っていいでしょう。
――となると、今年度は昨年度を上回る見込みである、と?
小野 成長することを計画しています。ただ爆発的に、というわけではなく、じわっと上がっていくと見込んでいます。
――成長すると見込んでいる中で、懸念材料はありますか。
小野 新元号が発表されるのが1カ月前(19年4月)です。また、法改正も寸前にならないと具体的なことが発表とならない。こればかりはどうすることもできないので、そのジレンマがありますね。当社は、人材が多いというわけではありませんので、発表と同時に社員には負担をかけてしまうことを懸念していますね。
小野 家電量販店さんなどの主要な販売パートナーの方々に、“手厚く”製品を取り扱ってもらうことに取り組んでいます。家電量販店さんも、メーカーと同じ考えを持っていまして、特需が確実にあると捉えていらっしゃいます。
――競合メーカーも同じように特需を見込んでいるといえますが、その中での差別化策は?
小野 差別化を図って競合に勝つ「競争」よりも、さらに市場を盛り上げていくための「共栄」が必要だと考えています。ですので、当社単独ではなく、他のメーカーさんと協賛してパネルを作ったり、購入を促すようなコーナー作りなど、一緒に取り組むということに力を注いでいます。
――現在、リアル店舗やECサイトでのパッケージ販売が主流ですが、ダウンロード販売やクラウドサービスでの提供など、販売モデルの強化は考えていますか。
小野 実は、ディストリビューターさんなどからもダウンロード販売などの声がかかっていて準備を進めているのですが、本格的には取り組んでいないというのが実情です。ただ、オンラインでダウンロードできるという仕組みはできているので、一部提供しているケースもあります。あとは、契約形態などで決まっていくかと思います。POSA(Point Of Sales Activation)についても、採用していません。販売モデルの強化は、社内の体制を整えてからですね。
――特需を迎えるにあたって、パッケージだけでの提供というのは、販売増を目指す上で足かせになりませんか。
小野 あまり手を広げすぎると、サービスやサポートの低下につながりかねません。当社では、全て自前で一人一人のお客様と向き合っています。このスタンスを変えるつもりはなく、今後も足元をしっかりと見てサービスとサポートの質を高めていきます。信頼と安心を提供すれば、販売増につながると確信しています。
――機能など、製品の優位性については?
小野 他社は、大規模事業所向けに提供していた製品を小規模事業所でも使えるように開発しています。一方、当社は小規模事業所に特化した製品に仕上げています。ですので、間接部門の専門スタッフがいない事業所、極端に言えば管理業務の素人でも使いこなせるというのが当社製品の強みになっています。加えて、先ほど申し上げた質の高いサポート、例えば無期限で無料の電話サポートや、期間中は全て無償対応の年間保守サービスなどが強みといえます。
小野 時代に合わせて法律を改正しなければならないので、それに伴ってお客様が新しい機能を求めて、業務ソフトメーカーがニーズに応える機能を開発する。この流れは、変わりません。そのため、特需後に一旦落ち着くとは言えますが、法改正などがあれば、再び特需が生まれるというサイクルは続くでしょう。
――そういった意味では時代の流れに乗ることが重要ですね。
小野 その通りです。また、時代の流れという点ではオンラインサービスが主流になりつつあるので、ニーズが高まってくると言えます。ただ、他のソフトと比べると、少し遅い気がしますので、今は採用していないと先ほど申し上げたが、ニーズが高まった段階でオンラインに力を注ぐ、ということは十分にあり得ます。このような時代の流れに乗りながら、堅調に成長していきます。
変化の兆しが訪れている
――昨年度(17年3月期)と比較して、今年度のビジネス状況はいかがですか。小野 これまで特に目立ったことはなかったので、同程度に推移しています。ただ、今後は変化の兆しがあります。
――「改元」と「消費増税」ですね。
小野 その通りです。業務ソフトは、企業が使うものですので、新しい元号に必ずかえる必要がある。改元は、確実に特需になると捉えています。もう一つの消費増税も、税率をかえておかなければ業務に支障をきたす。こちらでも、ビジネスが拡大する機運が高まっているということです。
――現在、ユーザー企業から問い合わせなどがあるのですか。
小野 あります。絶対に対応しなければならないということで、どのように対処すればいいかなど、問い合わせがきています。そういった意味では、今まさに案件が動いていると言っていいでしょう。
――となると、今年度は昨年度を上回る見込みである、と?
小野 成長することを計画しています。ただ爆発的に、というわけではなく、じわっと上がっていくと見込んでいます。
――成長すると見込んでいる中で、懸念材料はありますか。
小野 新元号が発表されるのが1カ月前(19年4月)です。また、法改正も寸前にならないと具体的なことが発表とならない。こればかりはどうすることもできないので、そのジレンマがありますね。当社は、人材が多いというわけではありませんので、発表と同時に社員には負担をかけてしまうことを懸念していますね。
既存のパートナーに手厚く扱ってもらう
――販売面で強化していることはありますか。小野 家電量販店さんなどの主要な販売パートナーの方々に、“手厚く”製品を取り扱ってもらうことに取り組んでいます。家電量販店さんも、メーカーと同じ考えを持っていまして、特需が確実にあると捉えていらっしゃいます。
――競合メーカーも同じように特需を見込んでいるといえますが、その中での差別化策は?
小野 差別化を図って競合に勝つ「競争」よりも、さらに市場を盛り上げていくための「共栄」が必要だと考えています。ですので、当社単独ではなく、他のメーカーさんと協賛してパネルを作ったり、購入を促すようなコーナー作りなど、一緒に取り組むということに力を注いでいます。
――現在、リアル店舗やECサイトでのパッケージ販売が主流ですが、ダウンロード販売やクラウドサービスでの提供など、販売モデルの強化は考えていますか。
小野 実は、ディストリビューターさんなどからもダウンロード販売などの声がかかっていて準備を進めているのですが、本格的には取り組んでいないというのが実情です。ただ、オンラインでダウンロードできるという仕組みはできているので、一部提供しているケースもあります。あとは、契約形態などで決まっていくかと思います。POSA(Point Of Sales Activation)についても、採用していません。販売モデルの強化は、社内の体制を整えてからですね。
――特需を迎えるにあたって、パッケージだけでの提供というのは、販売増を目指す上で足かせになりませんか。
小野 あまり手を広げすぎると、サービスやサポートの低下につながりかねません。当社では、全て自前で一人一人のお客様と向き合っています。このスタンスを変えるつもりはなく、今後も足元をしっかりと見てサービスとサポートの質を高めていきます。信頼と安心を提供すれば、販売増につながると確信しています。
――機能など、製品の優位性については?
小野 他社は、大規模事業所向けに提供していた製品を小規模事業所でも使えるように開発しています。一方、当社は小規模事業所に特化した製品に仕上げています。ですので、間接部門の専門スタッフがいない事業所、極端に言えば管理業務の素人でも使いこなせるというのが当社製品の強みになっています。加えて、先ほど申し上げた質の高いサポート、例えば無期限で無料の電話サポートや、期間中は全て無償対応の年間保守サービスなどが強みといえます。
業務ソフト市場の活性化は続く
――市場の可能性は、どのように考えていますか。特需後の状況について聞かせてください。小野 時代に合わせて法律を改正しなければならないので、それに伴ってお客様が新しい機能を求めて、業務ソフトメーカーがニーズに応える機能を開発する。この流れは、変わりません。そのため、特需後に一旦落ち着くとは言えますが、法改正などがあれば、再び特需が生まれるというサイクルは続くでしょう。
――そういった意味では時代の流れに乗ることが重要ですね。
小野 その通りです。また、時代の流れという点ではオンラインサービスが主流になりつつあるので、ニーズが高まってくると言えます。ただ、他のソフトと比べると、少し遅い気がしますので、今は採用していないと先ほど申し上げたが、ニーズが高まった段階でオンラインに力を注ぐ、ということは十分にあり得ます。このような時代の流れに乗りながら、堅調に成長していきます。