外出先から操作、音声でスイッチオン――。現在のスマートホームといえば、スマートフォンや音声アシスタントに操作を集約している製品が目立つ。スマート家電のシンボルともいえるロボット掃除機「ルンバ」も、スマホとの連携を特徴としてうたっている。しかし、販売元であるアイロボットジャパンの挽野元社長は、「スマホと接続しなくても使えます」と力強く語る。その真意は?
「今のスマートホームはデバイスがネットにつながっているだけ。本当に便利でしょうか」と、挽野社長は現在のスマートホームの在り方に疑問を投げかける。確かに、家の鍵を開けるのも家電を操作するのもスマホでは、スマホを無くしたら家に入れない。充電が切れても同じだ。スマホに集約したら、不便になる部分もあるといえる。
だからこそルンバは、「購入後に充電して電源を入れれば自動で掃除してくれる」よう設計したという。スマホとの接続はあくまでオプション扱いとしている。
では、アイロボットが考えているスマートホームのビジョンとは、一体どのようなものなのか。挽野社長は、「ドアの前に立ったら顔や手で認識して解錠する。玄関を越えてリビングに入ったら電気が勝手につく。ソファに座ったらテレビが勝手につくなど、自分の動きを家が検知して、人が何もしなくても普通に生活できるような環境」と、米アイロボットの考えを説明する。
アイロボットのビジョンを実現するためには、家の中の位置情報が重要だ。挽野社長は、「『Google ストリートビュー』の“家の中版”といったように、どこにどの役割の部屋があるのか、という情報を家自身が把握していれば、本当のスマートホームに近づくはず」と期待する。そこで活躍するのがルンバだ。
ルンバはさまざまなセンシングデバイスを搭載しているので、家の中に何があるのか、逐一正確に把握できる。例えば、ハイエンドのルンバは動けば動くほど家の中に徐々に詳しくなり、冷蔵庫やソファの位置を把握して、細かく掃除する。「この集めたデータをスマートホームのハウスメーカーやプラットフォーム事業者と共有して連携することで、ビジョンの実現に向け前進できるはず」(挽野社長)だという。
アイロボットは元来、宇宙探査や人が入れない空間の探索などを手掛けており、高い空間認識力を強みとしている。挽野社長は、「スマートホーム構想はあくまで構想の段階。さまざまなパートナーとの連携を検討中」としているが、家の中を自立して動き回る唯一のデバイスともいえるロボット掃除機を、センシングデバイスとして活用する考えはあるようだ。(BCN・南雲 亮平)
「今のスマートホームはデバイスがネットにつながっているだけ。本当に便利でしょうか」と、挽野社長は現在のスマートホームの在り方に疑問を投げかける。確かに、家の鍵を開けるのも家電を操作するのもスマホでは、スマホを無くしたら家に入れない。充電が切れても同じだ。スマホに集約したら、不便になる部分もあるといえる。
だからこそルンバは、「購入後に充電して電源を入れれば自動で掃除してくれる」よう設計したという。スマホとの接続はあくまでオプション扱いとしている。
では、アイロボットが考えているスマートホームのビジョンとは、一体どのようなものなのか。挽野社長は、「ドアの前に立ったら顔や手で認識して解錠する。玄関を越えてリビングに入ったら電気が勝手につく。ソファに座ったらテレビが勝手につくなど、自分の動きを家が検知して、人が何もしなくても普通に生活できるような環境」と、米アイロボットの考えを説明する。
アイロボットのビジョンを実現するためには、家の中の位置情報が重要だ。挽野社長は、「『Google ストリートビュー』の“家の中版”といったように、どこにどの役割の部屋があるのか、という情報を家自身が把握していれば、本当のスマートホームに近づくはず」と期待する。そこで活躍するのがルンバだ。
ルンバはさまざまなセンシングデバイスを搭載しているので、家の中に何があるのか、逐一正確に把握できる。例えば、ハイエンドのルンバは動けば動くほど家の中に徐々に詳しくなり、冷蔵庫やソファの位置を把握して、細かく掃除する。「この集めたデータをスマートホームのハウスメーカーやプラットフォーム事業者と共有して連携することで、ビジョンの実現に向け前進できるはず」(挽野社長)だという。
アイロボットは元来、宇宙探査や人が入れない空間の探索などを手掛けており、高い空間認識力を強みとしている。挽野社長は、「スマートホーム構想はあくまで構想の段階。さまざまなパートナーとの連携を検討中」としているが、家の中を自立して動き回る唯一のデバイスともいえるロボット掃除機を、センシングデバイスとして活用する考えはあるようだ。(BCN・南雲 亮平)