ソフトバンクC&SがIoTビジネスに力を入れる理由
ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)がモジュールなどIoTプラットフォームを提供する中国Tuya Globalとパートナーシップを組み、さまざまな家電製品をIoT化する「Tuya SMART」を提供、IoT関連製品・サービスの本格的な普及に乗り出した。
また、これまでIoT関連製品・サービスを販売する場として運営してきた「+Style」を「プラススタイル株式会社」として法人化。プラススタイルでは、Tuya SMARTを使ってIoT家電として「スマートロボット掃除機」「スマート加湿器」「スマートアロマミストポッド」の3製品を開発、10月24日から順次発売する。
Tuya Smartは、製品のIoT化に必要な通信モジュールの販売とクラウド環境の構築、スマホアプリの開発をワンストップで提供。メーカーなどTuya Smartを使って製品・サービスを開発する企業は、IoT化にかかる開発期間を最短15日まで短縮可能で、開発コストも削減できる。ソフトバンクC&Sでは、このTuya Smartをさまざまな企業に採用してもらうことに取り組んでいく。
ソフトバンクC&Sの瀧進太郎・上席執行役員コンシューマ事業本部長兼IoT事業推進本部長は、「グロバールでは主要国のIoT化が活発であるものの、日本は立ち上がりが遅い」と漏らす。スマートスピーカーの所有率をみても、米国や中国などで2018年に所有予定が30%を超えているにも関わらず、日本は16%(アクセンチュア調べ)と、「日本は普及が遅れている」とかみ締める。
ソフトバンクC&Sでも、スマートスピーカーについて調査したところ、認知が40.3%の半面、現在利用が2.4%、使用意向が11.6%。瀧上席執行役員は、「認知に比べて利用・使用意向が非常に低い」という。これまで、スマートトラッカーの「Tile」をはじめ、スマート家電コントローラ、学習用ロボットなどを販売してきたが、アーリーアダプターなどITリテラシーの高いユーザーによる利用が多い。
「一般消費者が『便利さが分からない』『難しそう』と意識しているため」と認める。そこで、メーカーを巻き込んで市場にIoT関連製品・サービスを増やすというわけだ。
Tuya SMARTは、200以上の国や地域、2万以上の対応製品数、2017年の出荷台数が2000万台以上という実績を持つ。ソフトバンクC&Sでは、Tuya SMARTを単に提供するだけでなく、採用企業ごとにカスタマイズも行うという。「SDKを提供することも検討する」とのことだ。
パートナー企業と、これまでとは異なる関係を築くのは、IoTの普及を急いでいることもあるが、ほかにも理由があるといえる。ソフトバンクC&SがIT・通信関連のディストリビューターという点で、「単に製品を仕入れて流通させるという関係ではなく、メーカーとの距離をさらに縮めていきたい」と瀧上席執行役員は打ち明ける。
また、中期的には「IoTで収集したデータを生かして、ビッグデータやAIを活用したサービスの拡大を目指す」としている。ユーザー向けには、例えば外出中にロボット掃除機が自動で動いて掃除を終わらせることも可能となる。パートナーのメーカー向けには、ビッグデータをもとにAIで解析して新製品の開発につなげていくことが実現できる。もちろん、グループ内の通信事業者という機能のビジネス拡大も期待できる。
IoTの普及に伴って、ユーザーのライフスタイルがさらに変化したり、メーカーがさらに価値のある製品を提供したりと、さまざまな可能性を秘めているが、4000社の取扱メーカーと50万点の取扱アイテムを擁するソフトバンクC&Sなだけに、グループ会社を含めてIoT時代の核になることを見据えているといえよう。(BCN・佐相彰彦)
また、これまでIoT関連製品・サービスを販売する場として運営してきた「+Style」を「プラススタイル株式会社」として法人化。プラススタイルでは、Tuya SMARTを使ってIoT家電として「スマートロボット掃除機」「スマート加湿器」「スマートアロマミストポッド」の3製品を開発、10月24日から順次発売する。
Tuya Smartは、製品のIoT化に必要な通信モジュールの販売とクラウド環境の構築、スマホアプリの開発をワンストップで提供。メーカーなどTuya Smartを使って製品・サービスを開発する企業は、IoT化にかかる開発期間を最短15日まで短縮可能で、開発コストも削減できる。ソフトバンクC&Sでは、このTuya Smartをさまざまな企業に採用してもらうことに取り組んでいく。
ソフトバンクC&Sの瀧進太郎・上席執行役員コンシューマ事業本部長兼IoT事業推進本部長は、「グロバールでは主要国のIoT化が活発であるものの、日本は立ち上がりが遅い」と漏らす。スマートスピーカーの所有率をみても、米国や中国などで2018年に所有予定が30%を超えているにも関わらず、日本は16%(アクセンチュア調べ)と、「日本は普及が遅れている」とかみ締める。
ソフトバンクC&Sでも、スマートスピーカーについて調査したところ、認知が40.3%の半面、現在利用が2.4%、使用意向が11.6%。瀧上席執行役員は、「認知に比べて利用・使用意向が非常に低い」という。これまで、スマートトラッカーの「Tile」をはじめ、スマート家電コントローラ、学習用ロボットなどを販売してきたが、アーリーアダプターなどITリテラシーの高いユーザーによる利用が多い。
「一般消費者が『便利さが分からない』『難しそう』と意識しているため」と認める。そこで、メーカーを巻き込んで市場にIoT関連製品・サービスを増やすというわけだ。
Tuya SMARTは、200以上の国や地域、2万以上の対応製品数、2017年の出荷台数が2000万台以上という実績を持つ。ソフトバンクC&Sでは、Tuya SMARTを単に提供するだけでなく、採用企業ごとにカスタマイズも行うという。「SDKを提供することも検討する」とのことだ。
パートナー企業と、これまでとは異なる関係を築くのは、IoTの普及を急いでいることもあるが、ほかにも理由があるといえる。ソフトバンクC&SがIT・通信関連のディストリビューターという点で、「単に製品を仕入れて流通させるという関係ではなく、メーカーとの距離をさらに縮めていきたい」と瀧上席執行役員は打ち明ける。
また、中期的には「IoTで収集したデータを生かして、ビッグデータやAIを活用したサービスの拡大を目指す」としている。ユーザー向けには、例えば外出中にロボット掃除機が自動で動いて掃除を終わらせることも可能となる。パートナーのメーカー向けには、ビッグデータをもとにAIで解析して新製品の開発につなげていくことが実現できる。もちろん、グループ内の通信事業者という機能のビジネス拡大も期待できる。
IoTの普及に伴って、ユーザーのライフスタイルがさらに変化したり、メーカーがさらに価値のある製品を提供したりと、さまざまな可能性を秘めているが、4000社の取扱メーカーと50万点の取扱アイテムを擁するソフトバンクC&Sなだけに、グループ会社を含めてIoT時代の核になることを見据えているといえよう。(BCN・佐相彰彦)