そういえば、OPPOのスマホってどうなったの?

 社会人になると時間の経過も早く感じるもので、2018年も残すところあと3カ月。スマートフォン(スマホ)市場も新しいiPhoneの話題が続いているが、格安スマホをはじめとするSIMフリースマホベンダーの話題は、富士通の投資ファンドへの携帯電話事業売却や、プラスワン・マーケティングの民事再生法申請など、振り返ると2018年に入ってから明るい話題が見当たらない。

 強いて挙げるとすれば、アジアでトップシェアを誇っているOPPOの日本市場参入だ。OPPOは2018年1月22日にSIMフリースマホ「R11s」を引っ提げて日本市場に参入。独自のColor OSを搭載し、iPhone Xによく似たデザインとUI、と揶揄されながらも、ファーウェイやASUSが大半のシェアを占める日本のSIMフリースマホ市場に一石を投じたという点で注目を集めた。
 
SIMフリースマートフォンのメーカー別販売台数シェア推移。
OPPOは9月にモトローラを抑え4位に浮上

 では、日本参入後の販売状況はどうだったのか。全国の家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計しているBCNランキングによると、R11sをリリースした18年2月、OPPOの販売台数シェアはSIMフリー端末市場の中でわずか0.7%ほどだったが、2018年9月末に発売となった「R15 Neo」と「R15 Pro」の2モデルによって、同月に6.2%まで上昇した。フラグシップモデルであるR11sのみの販売から、エントリーモデルのR15 Neoを中心としたラインアップ拡充が主なシェア上昇の要因と言えるだろう。
 
2018年9月のOPPO製スマートフォンの販売台数ランキング。
エントリーモデルのR15 Neoがシェアを牽引した

 他のSIMフリースマホの販売状況はというと、シャープが「AQUOS sense」の販売効果もあり、18年9月に販売数量シェア13.8%を獲得して3位まで上昇。ASUSも18年9月に発売した「Zenfone Max」が好調で、販売数量シェアが改善している。ZTEも米国の制裁解除後、ベルリンで開催された国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2018」でフラグシップモデル「AXON 9」を発表して再始動した。しかし、SIMフリースマホ市場では今もファーウェイの販売シェアが40~50%と大きい中、今後、このファーウェイの牙城を崩すのは、どのメーカーになるのか。12月の年末商戦に注目したい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。