10月27日に楽天が自社のECモール「楽天市場」にブランドアウトレットを開設した。楽天市場に出店しているブランド公式店のうち、59ブランドが参画し、ファッション・インテリア・キッチン用品・食料品など、幅広いジャンルのアウトレット商品を購入することができる。
日常的に楽天市場を利用している人であれば、これまでもアウトレット商品は販売されていたのでは、と思うかもしれない。事実その通りで、楽天トップページの検索バーに「アウトレット」と入力すると、大量のアウトレット商品が表示される。それでは、今回のブランドアウトレット開設の狙いはどこにあるのか。サービスを統括するECカンパニー リテール事業部 リテール戦略部 ジャパン戦略グループの松山秀勝マネージャーに話を聞いた。
「今までありそうでなかった、ひょっとしたらニーズはないのかなと思っていた」。松山マネージャーによると、企画前は社内でブランドアウトレットの必要性を訴える声はほとんどなかったそうだ。ところが「調査をしてみると意外と好意的な反応が多かったんです。メーカー側も『いいじゃないか』と。ブランドファンを増やしたいというだけでなく、過剰在庫を減らしたいというニーズもありました」。
近年、アパレル業界を中心に大量廃棄の問題が取り沙汰されることが増えている。財務省が発表した「貿易統計」によると、2018年通年のアパレル商品の総供給数量は29億点以上。一方、家計調査から推測されている国内総消費数量は13億5200万点。つまり、供給数の半分以上の商品が売れ残っている。数がさばけるECでのアウトレット売り場の拡大は、メーカーにとっても推進すべき戦略だったわけだ。
ブランドをお得に手に入れることができるアウトレットは、高い潜在需要があった。楽天が自社で独自に検索ワードランキングを調査したところ、膨大なワードがあるなか、「訳あり」が9位、「在庫処分」が32位、アウトレットが40位にランクイン(9月時点)。「お得に買い物をしたいというお客さまは非常に多かった。ただカテゴリーを横断して商品を探しにくいという状況もあった」(松山マネージャー)。
楽天のブランドアウトレットには、リアル店舗のアウトレットにはない、ECだからこその強みも数多くある。まず、商品の種類の豊富さだ。場所にアイテム数を制限されることがないので、開始時点で1万種類以上の品目を用意できた。また、アウトレット商品はサイズやカラーなどが十分に用意されていないことがあるが、ECであれば潤沢に揃えることができる。購入したい商品のサイズ・カラーの在庫を即座にチェックできるのもECならではだ。
ターゲットとするのは、リアル店舗でアウトレットを利用する主婦層だというが、自家用車を持たず遠方のアウトレットモールにはなかなか行けない若者にもリーチできそうだ。フリマアプリの台頭などで中古品市場が賑わっているが、新中古品市場にもECから新たなトレンドが生まれてくるかもしれない。(BCN・大蔵 大輔)
日常的に楽天市場を利用している人であれば、これまでもアウトレット商品は販売されていたのでは、と思うかもしれない。事実その通りで、楽天トップページの検索バーに「アウトレット」と入力すると、大量のアウトレット商品が表示される。それでは、今回のブランドアウトレット開設の狙いはどこにあるのか。サービスを統括するECカンパニー リテール事業部 リテール戦略部 ジャパン戦略グループの松山秀勝マネージャーに話を聞いた。
「今までありそうでなかった、ひょっとしたらニーズはないのかなと思っていた」。松山マネージャーによると、企画前は社内でブランドアウトレットの必要性を訴える声はほとんどなかったそうだ。ところが「調査をしてみると意外と好意的な反応が多かったんです。メーカー側も『いいじゃないか』と。ブランドファンを増やしたいというだけでなく、過剰在庫を減らしたいというニーズもありました」。
近年、アパレル業界を中心に大量廃棄の問題が取り沙汰されることが増えている。財務省が発表した「貿易統計」によると、2018年通年のアパレル商品の総供給数量は29億点以上。一方、家計調査から推測されている国内総消費数量は13億5200万点。つまり、供給数の半分以上の商品が売れ残っている。数がさばけるECでのアウトレット売り場の拡大は、メーカーにとっても推進すべき戦略だったわけだ。
ブランドをお得に手に入れることができるアウトレットは、高い潜在需要があった。楽天が自社で独自に検索ワードランキングを調査したところ、膨大なワードがあるなか、「訳あり」が9位、「在庫処分」が32位、アウトレットが40位にランクイン(9月時点)。「お得に買い物をしたいというお客さまは非常に多かった。ただカテゴリーを横断して商品を探しにくいという状況もあった」(松山マネージャー)。
楽天のブランドアウトレットには、リアル店舗のアウトレットにはない、ECだからこその強みも数多くある。まず、商品の種類の豊富さだ。場所にアイテム数を制限されることがないので、開始時点で1万種類以上の品目を用意できた。また、アウトレット商品はサイズやカラーなどが十分に用意されていないことがあるが、ECであれば潤沢に揃えることができる。購入したい商品のサイズ・カラーの在庫を即座にチェックできるのもECならではだ。
ターゲットとするのは、リアル店舗でアウトレットを利用する主婦層だというが、自家用車を持たず遠方のアウトレットモールにはなかなか行けない若者にもリーチできそうだ。フリマアプリの台頭などで中古品市場が賑わっているが、新中古品市場にもECから新たなトレンドが生まれてくるかもしれない。(BCN・大蔵 大輔)