• ホーム
  • トレンド
  • 東電EP、新キャラクターの「うさぎ」の声の主は「あの芸人」だった

東電EP、新キャラクターの「うさぎ」の声の主は「あの芸人」だった

販売戦略

2018/08/30 18:10

 関東地方に住む人は最近、テレビCMやJR山手線のトレインチャンネルなどで、東京電力エナジーパートナー(東電EP)の新キャラクター「テプコン」をよく目にするのではないだろうか。このキャラクター、かわいらしいメスの「うさぎ」をイメージしがちだが、実はオスという設定だった。

東電EPの新キャラクターの「テプコン」

ひげは電気、耳はガスの炎のうさぎ

 「テプコン」のキャラクター設定からコミュニケーション戦略や企画、展開を担当するのは、リビング事業本部 事業企画部 プロモーション企画グループの尾崎晋作氏。失礼ながら、その風貌からは、お堅いイメージの東電EPの社員のようには見えない。それもそのはず、尾崎氏は約2年半前に大手通信会社から転職してきた仕掛け人だからだ。
 
東電EPの仕掛け人、リビング事業本部 事業企画部プロモーション企画グループの尾崎晋作氏

 2016年に東京電力の電気やガスの小売り事業を分社化して設立された東電EPにとって、新しいキャラクターづくりは初めてのことだった。しかも、東京電力グループ全体で本格的なテレビCMや販促を展開するのは、2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故から7年ぶりのことだった。

 尾崎氏は、「『うさぎ』には、商売繁盛や勢いよく登る、躍進などの由来があり、春の訪れなども連想させることから、当社初の新しいキャラクターの門出にふさわしかった」と、うさぎをキャラクターに選んだ理由について語る。

 また、キャラについては「テレビCMの男性の声はナレーターではなく、テプコン自らの声で、その声の主はお笑い芸人のフットボールアワーの岩尾望さん(吉本興業)」と明かす。TwitterなどのSNSでは噂になっていたが、声の主が岩尾さんであることを公式にメディアで明かしたのは今回が初めてだという。

 当然ながら、企画段階では若い女性というキャラ設定も検討されたが、「テプコン」の性格が「ぶきっちょだけど真面目」という設定にしていたこともあって、岩尾さんがぴったりだった。
 
「テプコン」の声の主は吉本興業のお笑い芸人、フットボールアワーの岩尾望さん
 テプコンは電気が流れるひげを動かすのが特技で、最近は耳の炎を動かせるようになった。ひげと耳は電気とガスを意味し、赤い鼻の「T」は「TEPCO」の「T」からきている。16年4月の電力自由化に続き、17年4月からスタートした都市ガス自由化で、東電EPは電気をガスのセットプランを関東圏で展開している。

 今回の「耳よりセット キャンペーン」は、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の関東圏で7月18日から9月30日まで実施。期間中に電気とガスをセットで契約した顧客から、抽選で5000人に「くらしのセット」をプレゼントする。「くらしのセット」には、日常的によく使われるアイテムとして、鍋つかみと今治タオル、トートバックの3点セットを選んだ。

 同社は、電気とガスのセットプランの契約件数の目標を、18年3月期で10万件を予想していたが、実績はそれを大きく上回る15万件を獲得した。18年6月末時点では、23万件と加速度的に増えている。しかも、今回のキャンペーン期間中の目標件数は10万件。昨年度の目標を、2カ月半でクリアしようとする強気の設定で、「テプコン」の鼻息も荒くなりそうだ。