コンピューターゲームを競技として捉える「eスポーツ」は、どうすれば日本で盛り上がるのか――。8月21日に開催されたポップカルチャーとテクノロジーのイベント「YouGoEX 2018」では、お笑いコンビの次長課長が司会に立ち、「激談eスポーツ ~eスポーツの楽しみ方 すべて教えます~」というセッションが開催。eスポーツの現状や未来について、前線で活躍する選手やストリーマー、実況者やコーチなどが議論した。
それを踏まえたうえで、「現在は、世界で活躍するプレイヤーは尊敬される。日本でも、勝った人間の扱いはスポーツ選手のようになってきた。だったら、もっと分かりやすくプレイヤーに敬意を表するということで“eスポーツ”と呼んでいるのではないか」との見解を述べた。一般的にゲームは、「遊ぶと頭が悪くなる」などと言われて世間の風当たりが強いが、そのゲームとは違う呼び名を付けることで、差異化を図ったのだという。
プロゲーミングチームのRascal Jesterで「League of Legends」部門のコーチを務めるリールベルト氏は、「世界では、フィジカルスポーツと同じように、スタジアムでeスポーツ大会を開いている。会場で見るには、チケット代を支払う必要があり、興行として成り立っている」と説明。ゲームをサッカーやラグビーのようなスポーツとして扱うことで、選手の権威だけでなく産業としても盛り上がっていることを示唆した。
「ウルトラストリートファイターIV」の世界大会で優勝した経験を持つ、かずのこ選手は「世界では競技すること自体をスポーツと呼んでいるものの、体を動かさないのに、なぜスポーツなのか、と言われているのは海外でも同じ。eスポーツに関しては、グローバルでも議論になっている。また、日本の業界では海外のeスポーツに追いつくという思いが先行しており、選手が置いていかれているようにも感じる」と現状を捉えている。
これについてアール氏は、「何年もかけてコミュニティが育ってきたが、最近は大きな企業が入ってきた。ただ、大企業はその企業それぞれが考えるeスポーツをやろうとしている。時間とともに、独自にやりたいと考える企業が増えているようにも思う。コミュニティやプレイヤーのメリットにつながることをしなければ、続いて行かない。落としどころを考える必要があるだろう」と近ごろの流れに対する懸念を語った。
「2020年には東京五輪がある。五輪にeスポーツが入る・入らないの議論ではなく、世界中の人が日本を訪れる。その時に、eスポーツイベントがかなりの大規模で行われる。そこでは、今までゲームをやっていなかった人たちがeスポーツに触れる機会もあるはず。そこに向かって、さまざまな企業が集まってきた。どのように受け取られるのか、注目している」と、アール氏は語る。
中村氏の“潜在能力”と表現するプレイヤーが、ゲームを見る楽しみを覚えれば、さらにeスポーツは盛り上がるといえよう。プロゲーミングチーム「DeToNator」に所属するストリーマーのSHAKA氏は、「さまざまなゲームをプレイしてきたが、見ることも楽しい。見たいゲームから好きな配信者を探すこともあるし、逆もあり得る。一緒に見ている人たちとの間でコミュニティが生まれて、仲間になることもある。そのうち、ゲームを一緒にプレイするようになって、今度は配信する側になる。見ることもプレイすることも楽しい」と紹介した。
現役中学生でモバイルゲーム「パズドラ」のトッププレイヤーでもある、ゆわ選手は、「ゲームにいいイメージがない。最初にゲーム大会に参加しようとしたら、親に反対された。いろんなメディアでゲーム大会やeスポーツが取り上げられて、世の中が変わればいいなと思う」と話す。
また、「プロゲーマーになると賞金がもらえるが、これは副業になると悩んでいるプレイヤーがいた。今は、賞金をもらうためにプロになるか、これまでの仕事を続けるのか、選ぶ必要がある。そういうところも改善してほしい」という、ゆわ選手が大会に出場するなかで生まれた意見に対し、次長課長の河本準一さんは、「実業団という仕組みがあるのに、なぜゲームだとだめなのか」と相づちを打った。
eスポーツとは?
ゲームの実況者として活躍するアール氏は、「eスポーツは、ゲームの勝ち負けを競い合っている、と解釈していただいていいと思う」と前置きし、「ゲームは、歴史を重ねて認知を広げてきて、真剣に取り組む人も増えてきた。しかし、ゲームは日本の社会から悪く見られがち。大会で活躍しても誇りにくい時代が続いた」と説明。それを踏まえたうえで、「現在は、世界で活躍するプレイヤーは尊敬される。日本でも、勝った人間の扱いはスポーツ選手のようになってきた。だったら、もっと分かりやすくプレイヤーに敬意を表するということで“eスポーツ”と呼んでいるのではないか」との見解を述べた。一般的にゲームは、「遊ぶと頭が悪くなる」などと言われて世間の風当たりが強いが、そのゲームとは違う呼び名を付けることで、差異化を図ったのだという。
プロゲーミングチームのRascal Jesterで「League of Legends」部門のコーチを務めるリールベルト氏は、「世界では、フィジカルスポーツと同じように、スタジアムでeスポーツ大会を開いている。会場で見るには、チケット代を支払う必要があり、興行として成り立っている」と説明。ゲームをサッカーやラグビーのようなスポーツとして扱うことで、選手の権威だけでなく産業としても盛り上がっていることを示唆した。
「ウルトラストリートファイターIV」の世界大会で優勝した経験を持つ、かずのこ選手は「世界では競技すること自体をスポーツと呼んでいるものの、体を動かさないのに、なぜスポーツなのか、と言われているのは海外でも同じ。eスポーツに関しては、グローバルでも議論になっている。また、日本の業界では海外のeスポーツに追いつくという思いが先行しており、選手が置いていかれているようにも感じる」と現状を捉えている。
これについてアール氏は、「何年もかけてコミュニティが育ってきたが、最近は大きな企業が入ってきた。ただ、大企業はその企業それぞれが考えるeスポーツをやろうとしている。時間とともに、独自にやりたいと考える企業が増えているようにも思う。コミュニティやプレイヤーのメリットにつながることをしなければ、続いて行かない。落としどころを考える必要があるだろう」と近ごろの流れに対する懸念を語った。
「2020年には東京五輪がある。五輪にeスポーツが入る・入らないの議論ではなく、世界中の人が日本を訪れる。その時に、eスポーツイベントがかなりの大規模で行われる。そこでは、今までゲームをやっていなかった人たちがeスポーツに触れる機会もあるはず。そこに向かって、さまざまな企業が集まってきた。どのように受け取られるのか、注目している」と、アール氏は語る。
国内eスポーツの未来は?
ライブストリーミング配信プラットフォームTwitchの日本第一号社員である中村鮎葉氏は、「日本の人口に対して、ゲームをプレイしている割合は高い。統計的に見ると、日本には潜在能力がある。ところが、その潜在能力を図るために、大会のチケット5万枚が売れるのか、といったチャレンジはできていない。グローバルで人気のタイトルなら、海外からも人を集められるが、日本は独自のゲーム文化が主流で閉鎖的。そこが解決できればと思う」と指摘する。中村氏の“潜在能力”と表現するプレイヤーが、ゲームを見る楽しみを覚えれば、さらにeスポーツは盛り上がるといえよう。プロゲーミングチーム「DeToNator」に所属するストリーマーのSHAKA氏は、「さまざまなゲームをプレイしてきたが、見ることも楽しい。見たいゲームから好きな配信者を探すこともあるし、逆もあり得る。一緒に見ている人たちとの間でコミュニティが生まれて、仲間になることもある。そのうち、ゲームを一緒にプレイするようになって、今度は配信する側になる。見ることもプレイすることも楽しい」と紹介した。
現役中学生でモバイルゲーム「パズドラ」のトッププレイヤーでもある、ゆわ選手は、「ゲームにいいイメージがない。最初にゲーム大会に参加しようとしたら、親に反対された。いろんなメディアでゲーム大会やeスポーツが取り上げられて、世の中が変わればいいなと思う」と話す。
また、「プロゲーマーになると賞金がもらえるが、これは副業になると悩んでいるプレイヤーがいた。今は、賞金をもらうためにプロになるか、これまでの仕事を続けるのか、選ぶ必要がある。そういうところも改善してほしい」という、ゆわ選手が大会に出場するなかで生まれた意見に対し、次長課長の河本準一さんは、「実業団という仕組みがあるのに、なぜゲームだとだめなのか」と相づちを打った。