「爆買い」の象徴だったラオックス「銀座本店」が閉店

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2018/08/24 16:30

 2015年の流行語大賞となった「爆買い」の象徴だった、東京・中央区銀座7丁目に立地するラオックス「銀座本店」が、8月31日に閉店する。賃貸契約の満了に基づく措置で、同じく銀座5丁目の中央通りに面する、ファッションや雑貨、飲食など約40店舗が入る「EXITMELSA」の5階、6階にあるラオックス「銀座EXITMELSA」に集約する。

ラオックス「銀座本店」

銀座5丁目の「銀座EXITMELSA」に統合

 銀座本店は13年にオープンし、インバウンド(訪日外国人客)向けビジネスの先駆けの店舗だった。100万円以上の高級腕時計を購入する中国人観光客を乗せた観光バスが何台も連なったり、店舗の前には購入直後の高級IHジャー炊飯器が何箱も積み重なるなどの賑わいをみせ、15年の「爆買い」現象に火をつけた旗艦店舗として、多くのメディアで取り上げられた。

 直近の8月20日も、菅義偉官房長官が18年のインバウンド数が過去最速で2000万人を突破したとコメントするなど、観光客数は順調に増え続けている。

 ただし、その中身は15年当時と大きく様変わりした。団体客から個人による観光に変化したり、それまでの富裕層から中間所得層が増え、購入平均単価は下がった。

 また、観光客が都市部から地方に波及することで、モノの消費から、体験などを通じたコト消費へとニーズが変化した。

 ラオックスでも、コト消費に対応する体験型店舗を出店。昨年7月にオープンした「千葉ポートスクエア」は、従来のモノ消費に加えて、アミューズメントやグルメ、ミュージカル、レジャーなどを兼ね備えた「体験消費プラットフォーム」を目玉に据えた。

 今回、統合してリニューアルオープンする「ラオックス 銀座 EXITMELSA」では、4言語(日本語、英語、中国語、韓国語)対応のコンシェルジュカウンターを設置したり、近隣の観光案内、SIMカード、地下鉄チケットカードの販売など、幅広いサービスを提供する。

 また、買い物中にくつろげる約33㎡の休憩スペースを用意し、アニメが描かれた壁面装飾や浴衣レンタル・着付けサービスなど、日本のカルチャーを体験できるようになっている。

 また、コスメにも力を入れて、高級感のあるゆったりとした空間で、専門スタッフによる肌診断やメイクアップなど、メイドインジャパン化粧品を提案する対面式カウンセリング化粧品エリア「JCL(ジャパンコスメラウンジ)」を設置。隣接する理美容家電コーナーと連動させて、美顔器やヘアドライヤーなどを扱う。