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家事をしていてもテレビの音は聴きたい、そんな人にはネックスピーカー

 部屋の掃除や台所で洗い物をしている最中も、テレビを視聴していたい。しかし、テレビのスピーカーや据え置きのワイヤレススピーカーからの音は聞きづらい。ヘッドホン・イヤホンは蒸れたり耳が痛かったりコードが絡んだりするので、着けたくない。そんな人にこそネックスピーカーが最適だ。

大きな音が出る家事をしながらいつも通りテレビの音を聴きたい場合に最適なネックスピーカー

 ネックスピーカーの先駆けになったのは、2014年に日本アンテナが発売した「INE(アイネ) NECK SPEAKER(ネックスピーカー)」。首に掛けて装着するウェアラブル型のBluetoothスピーカーだ。現在は生産中止になっているものの、amazon.co.jpでは今でも1万円を切る価格で販売されている。発売日の想定価格は8000円未満だった。現在のネックスピーカーが2~3万円で販売されているなか、1万円を切る価格は非常に安価といえる。
 
日本アンテナが14年に発売した「INE(アイネ) NECK SPEAKER(ネックスピーカー)」。現在は生産中止

 今春、ソニーの製品がテレビ番組で取り上げられ、品切れが続出するほど人気になった。そこからネックスピーカーが話題になり、現在はソニー、ハーマンインターナショナル(JBL)、ボーズの3社がシェアを争っている。全国の主要家電量販店・ネットショップから実売データを集計する「BCNランキング」によると、18年上半期(1月~6月)のワイヤレススピーカー機種別販売台数ランキングでトップに立ったのは、ソニーが17年10月に発売した「ウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1」だった。

 「ウェアラブルネックスピーカー(SRS-WS1)」は、専用送信機の送信周波数帯が2.4Ghz帯で遅延が少ない。ボーズが18年3月に発売した「SOUNDWEAR COMPANION SPEAKER」は、通話機能を搭載するうえ、柔軟に形状を変えられる設計が特徴。ハーマンインターナショナルの「JBL SOUNDGEAR」は、通話機能を備えながら、3社の中ではお手頃な価格が魅力的だ。
 
ソニーが17年10月に発売した「ウェアラブルネックスピーカー(SRS-WS1)」。
専用送信機の送信周波数帯は2.4Ghz帯

 ネックスピーカーの利点は、首にかけること。タオルを首にかけるように装着するので、耳が締めつけられたり耳の中が痛くなったりする心配がない。また、ワイヤレススピーカーのように手に持って歩く必要も、サウンドバーなど据え置き型スピーカーのように場所を限定されることもない。
 
ボーズが18年3月に発売した「SOUNDWEAR COMPANION SPEAKER」。通話機能を搭載する

 テレビの音が聞きづらい場合の補助としても活躍する。例えば、聞こえに難がある高齢者が家族にいると、テレビの音量が健聴者には大きく感じるものになってしまう。高齢者がネックスピーカーを使えば、一緒にテレビを見ているみんなが丁度いいと思える音量を実現できる。
 
ハーマンインターナショナルの「JBL SOUNDGEAR」。3社の中ではお手頃な価格

 新たなタイプのネックスピーカーも登場している。オンキヨーが開発を進めているのは、音声アシスタントを搭載する、首に掛けるタイプのウエアラブルスマートスピーカーだ。これから他のメーカーも参入してくれば、さらに市場は盛り上がることになるだろう。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。