大手メーカーはまずは無料でユーザーに試してもらい、それをブランド認知や購入につなげる「体験型マーケティング」に力を入れ始めている。今回は、最近目につく、従来の家電量販店ではリーチできていなかった女性をターゲットにしたリアル店舗の例をいくつか紹介しよう。
常駐するスタイリストがヘアードライヤー「Dyson Supersonic」を使ったドライブローとスタイリングを無料で施術する。また、「Dyson Supersonic」を最大3週間、自宅でゆっくりと試せる無料の製品貸出サービスを提供する。
ダイソン製品は、懸賞のプレゼント賞品としても人気だが、ヘアードライヤーはクリーナーに比べると認知度が低く、トライアルに最適だと判断したのだろう。なお、同じ横浜市内のみなとみらい地区には国内3店舗目の直営店「Dyson Demo 横浜」もオープンした。
また、以前からあった会員制度をもとに、4月2日に「CLUB Panasonic オーナーズサービス」をスタート。懸賞などを目当てに登録しただけの会員と、製品を購入したことのあるロイヤルカスタマー会員に差をつけ、愛用者との距離を近づけようとしているようだ。
美容家電メーカーのヤーマンは、再開発で誕生した複合商業施設「東京ミッドタウン日比谷」内の「イセタン ミラー東京ミッドタウン日比谷店」で、新製品「メディリフト」の先行販売を実施。「東京ミッドタウン日比谷」の注目度に目をつけたアプローチだろう。
共通点は、買う前に無料で試せること。テナント出店の場合、たまたま通りかかっただけの人を呼び込める可能性もある。しかし、こうした体験型マーケティングが全盛になると、無料の体験会・イベントのためにわざわざ交通費をかけて出向く必要がある地方都市や首都圏の郊外エリアは、居住地として選ばれなくなるかもしれない。首都圏以外の全国津々浦々でも成立してこそ、本格的な体験型マーケティング元年といえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
日本初、スタイリングサービスを無料提供
「吸引力の高いパワフルなサイクロンクリーナー」で知られるダイソンは、神奈川県横浜市の百貨店「そごう横浜店」の1階・ビューティーフロアに、日本初の「スタイリングサービス提供店舗」と銘打ち、3つのブロー台を完備した体験型店舗「ダイソンヘア」を3月16日にオープンした。常駐するスタイリストがヘアードライヤー「Dyson Supersonic」を使ったドライブローとスタイリングを無料で施術する。また、「Dyson Supersonic」を最大3週間、自宅でゆっくりと試せる無料の製品貸出サービスを提供する。
ダイソン製品は、懸賞のプレゼント賞品としても人気だが、ヘアードライヤーはクリーナーに比べると認知度が低く、トライアルに最適だと判断したのだろう。なお、同じ横浜市内のみなとみらい地区には国内3店舗目の直営店「Dyson Demo 横浜」もオープンした。
美容家電や調理家電は体験イベントや体験会が続々
パナソニックは、フェイススチーマーなどの美容家電が試せる「Panasonic Beauty SALON 銀座」、ライフスタイルを提案するショウルーム「RELIFE STUDIO FUTAKO」で、さまざまな試みを始めている。また、以前からあった会員制度をもとに、4月2日に「CLUB Panasonic オーナーズサービス」をスタート。懸賞などを目当てに登録しただけの会員と、製品を購入したことのあるロイヤルカスタマー会員に差をつけ、愛用者との距離を近づけようとしているようだ。
美容家電メーカーのヤーマンは、再開発で誕生した複合商業施設「東京ミッドタウン日比谷」内の「イセタン ミラー東京ミッドタウン日比谷店」で、新製品「メディリフト」の先行販売を実施。「東京ミッドタウン日比谷」の注目度に目をつけたアプローチだろう。
共通点は、買う前に無料で試せること。テナント出店の場合、たまたま通りかかっただけの人を呼び込める可能性もある。しかし、こうした体験型マーケティングが全盛になると、無料の体験会・イベントのためにわざわざ交通費をかけて出向く必要がある地方都市や首都圏の郊外エリアは、居住地として選ばれなくなるかもしれない。首都圏以外の全国津々浦々でも成立してこそ、本格的な体験型マーケティング元年といえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)