サッカー日本代表も愛用 完全ワイヤレスイヤホンの最新事情
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会、日本代表は惜しくもベスト16で敗退してしまったが、帰国の途につく代表選手を見ていて記者はあることに気がついた。「AirPodsを装着している選手多すぎじゃない!?」。同じように思った人は多かったようで、インターネットには「Appleは日本代表のスポンサーなのか?」との声が溢れていた。Appleファッションの情報発信ブログ「Pleasure!!」の分析によると、実に12人の代表選手がAirPodsを装着していたそうだ。
このエピソードからもうかがえるように、ケーブルを一切排除した左右分離型の完全ワイヤレスイヤホンの人気は凄まじい勢いだ。家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、2017年9月ごろから徐々に盛り上がりはじめた市場は12月にピークに達した。その後も前年同月比で5~6倍の数値で推移している。
5月9日に案内カウンターを導入したビックカメラ新宿西口店では、導入前と比較して、Bluetoothイヤホン全体の販売台数が前年比270%まで上昇。このうち、完全ワイヤレスイヤホンは4割を占めているとのことだった。5月末の取材時点での数値なので、ボーナス商戦を経て、さらに数値は伸びているかもしれない。
同店オーディオコーナーの山本賢志主任は「年齢・性別やマニア・初心者に関係なく幅広いお客さまが関心を示している商品」と完全ワイヤレスイヤホンを評価する。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテは早くから完全ワイヤレスイヤホンの将来性に目をつけ、昨年11月にはプライベートブランド「情熱価格」から税別5980円の完全ワイヤレスイヤホンを発売。6月から展開しているファミリーマートと実証実験するコンビニでも販売したところ、予想を大きく上回る売り上げがあったという。
イヤホン・ヘッドホン専門店の「e☆イヤホン」の秋葉原店は4月に店内をリニューアルし、完全ワイヤレスイヤホンの売り場を拡張した。以前はショーケースに保管し、顧客から体験の申し出があった場合に取り出していたが、現在は誰でも気軽にペアリングして実機を試せるようになっている。
販売台数は昨年比で6~7倍と大幅に成長。2万円台の商品が売れ筋になっている。「e☆イヤホン」を運営するタイムマシンの松田信行広報戦略室長によると、支持層は幅広いが、特に女性からの人気が高いそうだ。おしゃれなカラーやデザインのモデルが増えていることに加え、ケーブルレスでスタイリッシュなスタイルがファッションとも親和性が高いのが理由だという。
「数年前と比較すると音のクオリティが格段に上がり、価格帯・デザインの選択の幅も増えたため、顧客から不満の声もほとんどない」と松田氏は語る。「強いてあげるなら」と前置きして教えてくれたのが「バッテリもち」だ。
現在販売されている完全ワイヤレスイヤホンのバッテリ時間は3~5時間程度のものがほとんど。ケースで充電できるが、電話の受信・通話もハンズフリーでこなせる利便性ゆえに、慣れてくると常時装着するようになるユーザーも多い。バッテリに物足りなさを感じることはあるかもしれない。
現在でも目を見張る成長率の完全ワイヤレスイヤホンだが、9月以降にもうひと山くるかもしれない。新型iPhoneの発売に合わせて、イヤホンジャック搭載のスマートフォンを買い替えるユーザーが大量に発生することが予想されるからだ。ジャンルの盛り上がりはじめもきっかけは2年前に発売された「iPhone 7」のイヤホンジャック廃止だった。今秋にはさらに至るところでケーブルレスのイヤホンを目にする機会が増えそうだ。(BCN・大蔵 大輔)
このエピソードからもうかがえるように、ケーブルを一切排除した左右分離型の完全ワイヤレスイヤホンの人気は凄まじい勢いだ。家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、2017年9月ごろから徐々に盛り上がりはじめた市場は12月にピークに達した。その後も前年同月比で5~6倍の数値で推移している。
専門店の「e☆イヤホン」は販売台数で前年比7倍
完全ワイヤレスイヤホンを取り扱う店舗でも、需要拡大を受けて売り場に変化が起きている。大手家電量販店のビックカメラは4月28日にラゾーナ川崎店、名古屋JRゲートタワー店の2店舗で、販売員が対面で接客を行う「フルワイヤレスイヤホンご案内カウンター」を設置。6月末時点で設置店舗は10店舗にまで拡大している。5月9日に案内カウンターを導入したビックカメラ新宿西口店では、導入前と比較して、Bluetoothイヤホン全体の販売台数が前年比270%まで上昇。このうち、完全ワイヤレスイヤホンは4割を占めているとのことだった。5月末の取材時点での数値なので、ボーナス商戦を経て、さらに数値は伸びているかもしれない。
同店オーディオコーナーの山本賢志主任は「年齢・性別やマニア・初心者に関係なく幅広いお客さまが関心を示している商品」と完全ワイヤレスイヤホンを評価する。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテは早くから完全ワイヤレスイヤホンの将来性に目をつけ、昨年11月にはプライベートブランド「情熱価格」から税別5980円の完全ワイヤレスイヤホンを発売。6月から展開しているファミリーマートと実証実験するコンビニでも販売したところ、予想を大きく上回る売り上げがあったという。
イヤホン・ヘッドホン専門店の「e☆イヤホン」の秋葉原店は4月に店内をリニューアルし、完全ワイヤレスイヤホンの売り場を拡張した。以前はショーケースに保管し、顧客から体験の申し出があった場合に取り出していたが、現在は誰でも気軽にペアリングして実機を試せるようになっている。
販売台数は昨年比で6~7倍と大幅に成長。2万円台の商品が売れ筋になっている。「e☆イヤホン」を運営するタイムマシンの松田信行広報戦略室長によると、支持層は幅広いが、特に女性からの人気が高いそうだ。おしゃれなカラーやデザインのモデルが増えていることに加え、ケーブルレスでスタイリッシュなスタイルがファッションとも親和性が高いのが理由だという。
「数年前と比較すると音のクオリティが格段に上がり、価格帯・デザインの選択の幅も増えたため、顧客から不満の声もほとんどない」と松田氏は語る。「強いてあげるなら」と前置きして教えてくれたのが「バッテリもち」だ。
現在販売されている完全ワイヤレスイヤホンのバッテリ時間は3~5時間程度のものがほとんど。ケースで充電できるが、電話の受信・通話もハンズフリーでこなせる利便性ゆえに、慣れてくると常時装着するようになるユーザーも多い。バッテリに物足りなさを感じることはあるかもしれない。
現在でも目を見張る成長率の完全ワイヤレスイヤホンだが、9月以降にもうひと山くるかもしれない。新型iPhoneの発売に合わせて、イヤホンジャック搭載のスマートフォンを買い替えるユーザーが大量に発生することが予想されるからだ。ジャンルの盛り上がりはじめもきっかけは2年前に発売された「iPhone 7」のイヤホンジャック廃止だった。今秋にはさらに至るところでケーブルレスのイヤホンを目にする機会が増えそうだ。(BCN・大蔵 大輔)