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LGイノテック、LEDで殺菌するデバイス「UV-C LED」の普及を目指す

販売戦略

2018/06/27 18:30

 韓国LGグループのLGイノテックは6月27日、LEDの紫外線で殺菌するデバイス「UV-C LED」のプレスカンファレンスを開催した。

2017年に発表した世界初の100mWの「UV-C LED」

 「UV-C LED」は、波長の違いによってA、B、Cの3つに分類される紫外線のうち、最も波長が短い200~280ナノメートルの「UV-C」を出力して殺菌するデバイス。すでにLGエレクトロニクスのインド市場向け浄水器や韓国市場向け加湿器、空気清浄機、理美容機器などに搭載し、水タンクや機器の殺菌に利用している。昨年、世界初の最大出力100mWの「UV-C LED」デバイスを発売した。
 
「UV-C LED」を搭載したインド市場向けの浄水器
 
「UV-C LED」で殺菌する理美容機器

 国内ではウォーターサーバーの水の殺菌や産業用の殺菌システムなどに採用されており、本格普及に向けて「UV-LEDフォーラム」を立ち上げ、市場開拓の可能性について探ることにした。LGイノテックの朴鍾頷社長は、「UV-C LEDは小さなデバイスで大きな殺菌パワーが得られる。以前は殺菌できなかった靴やエスカレータの手すりなども殺菌できるようになった。さまざまな機器での採用を検討しながら市場を創造していきたい」と、抱負を語った。
 
紫外線の波長の違いによって「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3つがある

 殺菌デバイスではUVランプが有名だが、サイズが10cm以上で寿命は2000~1万時間だった。また、使うには2~5分の予熱が必要たったり、オンとオフの切り替えが不可能だったり、水銀を含有するといった課題があった。

 UV-C LEDはサイズが1cm未満と小さく、省電力のため寿命は1万~5万時間と長い。また予熱が不要で、オンとオフの切り替えもでき、水銀を含まないなど環境面でのメリットがある。

 なお、315~400ナノメートルの「UV-A」は露光や素材の硬化、液晶デバイスのフィルターの接着などに使われている。また、280~315ナノメートルの「UV-B」は、アトピーなど皮膚病の治療に医療現場で使われている。