10万円切る15インチノート投入――ファーウェイの日本PC市場 勝ち上がり戦略
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、2017年、SIMフリースマートフォン、Androidタブレットの2カテゴリで、年間販売台数No.1を獲得したファーウェイ。とはいえ、後発のPCではシェアは上位4社には遠く及ばず、1%以下にとどまる。5月10日のノートPC・タブレット端末4機種の新製品発表会のあと、ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏に、独特な日本PC市場でどうシェアを高めていくのか、今後の戦略をきいた。
昨年、販売台数が大きく伸び、好調だったタブレットについて、呉波氏は「世界的には10インチのほうが売れているが、日本は8インチが大部分を占める」といい、従来型携帯電話(ケータイ)と併用するかたちで、持ち歩けるサイズの7~8インチの小型タブレットが選ばれているのではないかと分析する。
長年、ノートPCは、NEC、富士通、東芝の3社が競っており、2018年1月~5月の累計ではNECだけが2割超のシェアを占め、頭一つリードしている。この3強を、AppleやASUS、レノボなどが追う構図だ。
そこにファーウェイは、ごくオーソドックスなクラムシェル型の「HUAWEI MateBook D」、タッチ機能に対応し、TVチューナーこそないものの、サブウーハー内蔵クアッドスピーカーと進化した「Dolby Atmos サウンド・システム」を搭載し、AV性能を強化した「HUAWEI MateBook X Pro」を続けて投入する。
税別の実勢価格は、「HUAWEI MateBook X Pro」は14万9800円/20万9800円とかなり高めだが、「HUAWEI MateBook D」なら8万7800円/11万7800円と手頃だ。呉波氏は「日本のPC市場は法人向けが6割を占める。実はファーウェイではBtoBも展開しており、両方を意識している」と明かした。
残り3~4割を占めるBtoCはオフライン(リアル店舗)とオンラインショップに分かれ、「オンラインでは、『MateBook D』のようなコストパフォーマンスの高い製品、リアルでは性能が高く、デザイン性の高いものが売れる傾向が強い」と、2製品の位置づけを説明した。日本市場の攻略法として、まずは低価格帯で攻め、その知名度をもって、ユーザーの認知や店頭での存在感を高めていきたいようだ。
他社に比べ、製品数が少ないため、PC分野では販売目標を立てていないが、過去3年間は目標どおりに推移したという。「HUAWEI MateBook X Pro」のタッチ機能や日本語キーボードは日本ユーザーの要望に応えたもの。「ノートPCにSIMカードスロットを搭載して欲しいというニーズは把握している。これまでどんどん技術を転用してきたように、タブレットにスマートフォンで培った高性能カメラを載せる可能性もゼロではない」とし、消費者からの要望はしっかり届いているので「今後もご期待ください」と締めくくった。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
Androidタブレット市場シェアNo.1 新製品でさらなる上を目指す
米Harman Kardonがサウンドチューニングを施し、底面に4つのスピーカーを内蔵したプレミアムタブレット「HUAWEI MediaPad M5 Pro」は、とくにエンタメ向けとして秀逸だ。充電式の専用デジタルペンが付属し、1台で、動画視聴、電子書籍・Webサイトの閲覧、ペンを使ったイラスト描きやプレゼンテーション資料への書き込みなど、パーソナルからクリエイティブ・ビジネスまで、幅広い用途をカバーする。昨年、販売台数が大きく伸び、好調だったタブレットについて、呉波氏は「世界的には10インチのほうが売れているが、日本は8インチが大部分を占める」といい、従来型携帯電話(ケータイ)と併用するかたちで、持ち歩けるサイズの7~8インチの小型タブレットが選ばれているのではないかと分析する。
日本市場参入から3年間の手応えは上々
今回のインタビューの中心は、2年前、2016年7月に日本市場に初参入し、今年、ついに待望のタッチパネル対応モデルを投入したノートPCだった。日本のPC市場は世界的にみてもユニークで、コンシューマ向けのBtoCでは、平均単価の低いメーカーが高いシェアを獲得しているわけではない。新品PCの場合、価格より、知名度や信頼性、サポート体制などを重視して選ぶ傾向が強いからだ。長年、ノートPCは、NEC、富士通、東芝の3社が競っており、2018年1月~5月の累計ではNECだけが2割超のシェアを占め、頭一つリードしている。この3強を、AppleやASUS、レノボなどが追う構図だ。
そこにファーウェイは、ごくオーソドックスなクラムシェル型の「HUAWEI MateBook D」、タッチ機能に対応し、TVチューナーこそないものの、サブウーハー内蔵クアッドスピーカーと進化した「Dolby Atmos サウンド・システム」を搭載し、AV性能を強化した「HUAWEI MateBook X Pro」を続けて投入する。
税別の実勢価格は、「HUAWEI MateBook X Pro」は14万9800円/20万9800円とかなり高めだが、「HUAWEI MateBook D」なら8万7800円/11万7800円と手頃だ。呉波氏は「日本のPC市場は法人向けが6割を占める。実はファーウェイではBtoBも展開しており、両方を意識している」と明かした。
残り3~4割を占めるBtoCはオフライン(リアル店舗)とオンラインショップに分かれ、「オンラインでは、『MateBook D』のようなコストパフォーマンスの高い製品、リアルでは性能が高く、デザイン性の高いものが売れる傾向が強い」と、2製品の位置づけを説明した。日本市場の攻略法として、まずは低価格帯で攻め、その知名度をもって、ユーザーの認知や店頭での存在感を高めていきたいようだ。
他社に比べ、製品数が少ないため、PC分野では販売目標を立てていないが、過去3年間は目標どおりに推移したという。「HUAWEI MateBook X Pro」のタッチ機能や日本語キーボードは日本ユーザーの要望に応えたもの。「ノートPCにSIMカードスロットを搭載して欲しいというニーズは把握している。これまでどんどん技術を転用してきたように、タブレットにスマートフォンで培った高性能カメラを載せる可能性もゼロではない」とし、消費者からの要望はしっかり届いているので「今後もご期待ください」と締めくくった。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。