神奈川県藤沢市にあるビックカメラ藤沢店は、フロア構成を見直し、メインの売り場を非家電商材に入れ替えた。全7フロアのうち、地下1階~2階について順次リニューアル工事を進め、3月14日にフルリニューアル。最近オープンした新規店舗と同様に、「女性でも入りやすい家電量販店」を目指しつつ、店に訪れる高齢者の声をもとに再配置したという今回のリニューアルは、狙い通り、売上増につながったという。
今回、話をうかがったビックカメラ藤沢店の川島 司店長によると、2019年12月に完成予定の藤沢駅北口ペデストリアンデッキのリニューアルに先立ち、女性や高齢者がもっと立ち寄りやすい店を目指したという。2階、1階、地下1階の3か所の店舗入り口のうち、もっとも利用者の多い2階入り口前はずっと工事が続き、営業中だと強くアピールする必要があるからだ。
2階の入り口付近は、これまでスマートフォン本体とケース、モバイルバッテリ、メモリカードなどスマートフォンアクセサリ売り場だったが、お酒の専門店「ビック酒販」と薬・日用品を販売する「ビックドラッグ」にリニューアル。頻繁に訪れている人なら一瞬でリニューアルしたとわかり、賑わいもさらに増した。
ポイントカードを活用した節約テクニックとしては、10%ポイント還元などの高額商品を購入して得たポイントで酒類や日用品などの少額商品を買うのがセオリー。その反対に、普段よく購入するアルコールや飲料などでコツコツとポイントをためて、そのポイントでテレビなど目当ての家電を購入し、それまでのポイント獲得の苦労を店員に語るケースもあるという。
酒類や薬、日用品などの非家電商材の販売強化は、ビックカメラ共通の方針。これからの家電量販店のあり方の一つの例といえるだろう。
ドラッグ・日用品売り場も1.5倍ほどに拡大した。品揃えも増やし、今までほとんどなかった女性向けのブランド化粧品や男性向け化粧品も取り揃えた。ブランド化粧品は単価が高く、購入前に実際に試したいというニーズは強い。あわせて美顔器などの理美容家電や健康グッズなども展示し、ドラッグストアではできないセット提案でメリハリをつける。
また、リニューアルにあたり、来店客の動線を解析したところ、もともと購入意向が高い場合はフロア階数は関係なく立ち寄ると判明。価格に釣られた衝動買いが減り、指名買いが中心となったスマートフォンは2階から1階に移したが、影響はなく、1階のほうが天井は高いので売り場全体がすっきりとした印象になった。
2006年8月のオープン以来、ずっと1階と2階の2フロアに分かれていたPC本体とPC周辺機器は、地下1階の1フロアに集約。マウスなどの周辺機器・アクセサリの売り場が別フロアだと不便だという声に応えた格好だ。
あわせて従来からあった、1階の自転車やゴルフ用品などのスポーツコーナーも拡張。藤沢市は、子育て支援策として「幼児二人同乗用自転車購入費補助金」制度があり、子ども乗せ電動アシスト自転車のニーズが高まっており、自転車専門店に代わって同店が受け皿となっている。スマホ同様、充電が必要な電動アシスト自転車は、「家電」の一種としてみなされつつあるともいえるだろう。
現在、藤沢店は、一般的な郊外店同様、来店者数は平日より土日のほうが多く、出かけやすい日曜午後がピークだそうだ。日用品が入り口付近にあると、他の買い物のついでに立ちよりやすく、少しずつでも買い物のたびにポイントがたまっていく。オープン後、2度目の大幅なリニューアルとなる今回は、もはや従来の家電販売の枠にはとどまらない、家電量販店、とくに駅直結型・駅ビルテナント出店型店舗の見本になるのではないかと感じた。(BCN・嵯峨野 芙美)
再開発が続く藤沢エリアの中核・にぎわいの要
藤沢市は市内各地で再開発が進み、JR東海道本線(上野東京ライン・湘南新宿ライン)と小田急江ノ島線、江ノ島電鉄の3線が乗り入れる藤沢駅周辺も、ここ2~3年、新築マンションの建築ラッシュが続く。今回、話をうかがったビックカメラ藤沢店の川島 司店長によると、2019年12月に完成予定の藤沢駅北口ペデストリアンデッキのリニューアルに先立ち、女性や高齢者がもっと立ち寄りやすい店を目指したという。2階、1階、地下1階の3か所の店舗入り口のうち、もっとも利用者の多い2階入り口前はずっと工事が続き、営業中だと強くアピールする必要があるからだ。
2階の入り口付近は、これまでスマートフォン本体とケース、モバイルバッテリ、メモリカードなどスマートフォンアクセサリ売り場だったが、お酒の専門店「ビック酒販」と薬・日用品を販売する「ビックドラッグ」にリニューアル。頻繁に訪れている人なら一瞬でリニューアルしたとわかり、賑わいもさらに増した。
酒類、ドラッグ・日用品は全店共通の強化点
とくに圧巻なのは、地下1階からメインの駅に直結する2階に移転し、ビックカメラ全店でもトップクラスの広さに拡大した酒類のコーナー。フロア素材や什器も一新し、高級感を演出。ワイン・日本酒から缶ビール、缶酎ハイ、おつみまみまで豊富に取り揃え、人気の日本酒「獺祭」も正規店の価格で買うことができる。ポイントカードを活用した節約テクニックとしては、10%ポイント還元などの高額商品を購入して得たポイントで酒類や日用品などの少額商品を買うのがセオリー。その反対に、普段よく購入するアルコールや飲料などでコツコツとポイントをためて、そのポイントでテレビなど目当ての家電を購入し、それまでのポイント獲得の苦労を店員に語るケースもあるという。
酒類や薬、日用品などの非家電商材の販売強化は、ビックカメラ共通の方針。これからの家電量販店のあり方の一つの例といえるだろう。
ドラッグ・日用品売り場も1.5倍ほどに拡大した。品揃えも増やし、今までほとんどなかった女性向けのブランド化粧品や男性向け化粧品も取り揃えた。ブランド化粧品は単価が高く、購入前に実際に試したいというニーズは強い。あわせて美顔器などの理美容家電や健康グッズなども展示し、ドラッグストアではできないセット提案でメリハリをつける。
数字に即現れたリニューアル効果 郊外店舗の新たなサンプルになるか
リニューアルの効果はすぐに数字に現れた。川島店長によると、カテゴリによっては2倍以上の販売増を達成し、予想以上の手応えを感じたそうだ。また、リニューアルにあたり、来店客の動線を解析したところ、もともと購入意向が高い場合はフロア階数は関係なく立ち寄ると判明。価格に釣られた衝動買いが減り、指名買いが中心となったスマートフォンは2階から1階に移したが、影響はなく、1階のほうが天井は高いので売り場全体がすっきりとした印象になった。
2006年8月のオープン以来、ずっと1階と2階の2フロアに分かれていたPC本体とPC周辺機器は、地下1階の1フロアに集約。マウスなどの周辺機器・アクセサリの売り場が別フロアだと不便だという声に応えた格好だ。
あわせて従来からあった、1階の自転車やゴルフ用品などのスポーツコーナーも拡張。藤沢市は、子育て支援策として「幼児二人同乗用自転車購入費補助金」制度があり、子ども乗せ電動アシスト自転車のニーズが高まっており、自転車専門店に代わって同店が受け皿となっている。スマホ同様、充電が必要な電動アシスト自転車は、「家電」の一種としてみなされつつあるともいえるだろう。
現在、藤沢店は、一般的な郊外店同様、来店者数は平日より土日のほうが多く、出かけやすい日曜午後がピークだそうだ。日用品が入り口付近にあると、他の買い物のついでに立ちよりやすく、少しずつでも買い物のたびにポイントがたまっていく。オープン後、2度目の大幅なリニューアルとなる今回は、もはや従来の家電販売の枠にはとどまらない、家電量販店、とくに駅直結型・駅ビルテナント出店型店舗の見本になるのではないかと感じた。(BCN・嵯峨野 芙美)