【記者のひとこと】お金が足りない

コラム

2018/05/18 10:00

 4年間の上海駐在を経て3月に日本に帰任したのですが、私のことを気にかけてくださる心優しい方々から最近、「東京での生活には慣れた?」とよく声をかけていただきます。正直に言えば、慣れないことも多々。例えば、モバイル決済が浸透している上海では、財布をもつ習慣がなかったので、日本でも現金をもつ意識が希薄のまま。時には失敗してしまいます。

 ある大手牛丼チェーン店での出来事。牛丼並盛を食べて、会計を済ませようとしたのですが、どう数えてもお金が数十円足りません。クレジットカードや電子マネーが使えるのか確認したのですが、その店は対応していないとのこと。無銭飲食になってしまうところでした。結局、紙に個人情報とサインを記して荷物をお店に残し、店員さんの了解を得たうえで近場のATMでお金をおろして、なんとか事なきを得ました。とても恥ずかしい思いでした。

 もちろん、現金をもっていなかった私が悪いのですが、上海だったら小規模なお店でも、ほぼほぼモバイル決済が使えるのに、日本は不便だなあとも感じました。最近では、日本でもキャッシュレス化が徐々に普及しつつあるようで、大手メディアによる関連の報道も増えていますが、それは裏を返せば、まだ社会全体にとっては珍しいものということ。すでにあたりまえの存在になっている中国と比べてみると、差は歴然です。今後の大きな変化を期待しています。(真鍋武)

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