ZTEが事業を停止、端末事業売却の報道も

経営戦略

2018/05/10 17:00

 米国の制裁で部材の調達が困難になっていた大手通信機器メーカー・ZTEは、主要な事業活動の運営を停止したことを発表した。香港証券取引所の規定で開示した5月9日付の投資家向け文書の中で明らかにした。

主要な事業活動の停止を伝える開示文書(一部、強調は編集部)

 米国が禁輸対象としている製品をZTEがイランへ輸出したとして、米政府は米国企業にZTEとの取引を禁止する措置を発表していた。ZTEが製造・販売する製品には米国製のチップセットやソフトウェアが不可欠なため、米国からの部材供給が停止したことで、事業継続が困難になっているもよう。中国でのZTE直営のECサイトなどでは、すでに同社製品を購入できない状態になっている。
 
製品の販売を停止している淘宝網(タオバオ)のZTEストア

 同社はネットワーク設備と携帯電話端末の両方を手がけているが、このうち端末事業については、中国の他のメーカーへの売却を検討しているとの報道がある。

 ZTEの日本法人は現在のところ営業を継続しているが、今後の具体的な動きは未定。現在、日本語サイトのトップページ「http://www.zte.co.jp/」と「http://www.ztemobile.jp/」はグローバルサイトへ転送される設定になっている。

 ZTEの端末を取り扱うNTTドコモは現在、ZTE製品の販売を継続しているが、情報を確認し対応を検討するとしている。KDDIも、調達済みの製品は在庫を確認しながら販売を継続し、ソフトウェアアップデートなどの今後の対応はZTEに確認中としている。(BCN・日高 彰)