ヤマダ電機が6月下旬の株主総会後に社長交代を発表すると上毛新聞など一部で報じられた。5月7日時点、ヤマダ電機からの正式なリリース発表はないが、執行役員副社長の三嶋恒夫氏を社長に、現社長の桑野光正社長は副会長に昇格する見通し。ヤマダ電機は、16年4月の桑野氏の社長就任以来、山田昇会長と一宮忠男副会長の代表権をもつ3トップが役割分担して事業の創出・拡大を進めてきたが、三嶋氏の社長、桑野氏の副会長就任によって、この体制にも変化が生じる可能性がある。
三嶋氏は「100満ボルト」を運営するサンキュー(現エディオングループ)の出身で、同社のリフォーム事業の立ち上げやエディオン傘下入り後の事業拡大を担ってきた。2017年1月にヤマダ電機に入社後は、副社長として家電とインテリア雑貨の販売を融合させた新業態店舗を担当。昨年末の「LABI1 LIFE SELECT高崎」リニューアルオープンの記者会見では「年度内に10~15店舗、18年度中に100店舗」という目標を自ら発表するなど、存在感を示していた。
社長交代の狙いは、三嶋氏の担当領域である新業態転換の加速と不振の住宅分野のテコ入れにあるとみられる。3月には「家電住まいる館」を6店同時オープン、ヤマダ電機初となる家具のPB商品を展開するなど、順調に進んでいるようにみえる業態転換だが、その成果はまだ具体的な数値に表れていない。
むしろ転換によって生じた諸費用を理由に2018年3月期通期(17年4月~18年3月)の業績予想を下方修正するなど、足を引っ張っているのが現状だ。三嶋氏には転換を急ぐだけでなく、早期にその成果を経営数値で示すことも求められる。
また、新業態は本業である家電販売と住宅分野のシナジー効果の向上を期待されており、傘下の住宅メーカーであるヤマダ・エスバイエルホーム(S×L)の立て直しも三嶋氏にとって無視できないミッションだ。同社は2018年2月期の連結業績では当期純損益2億円の黒字予想を27億円の赤字に下方修正。長年の赤字体質を脱せず、ヤマダ電機にとって悩みの種になっているが、その重責の一部を三嶋氏も担うことになる。(BCN・大蔵 大輔)
三嶋氏は「100満ボルト」を運営するサンキュー(現エディオングループ)の出身で、同社のリフォーム事業の立ち上げやエディオン傘下入り後の事業拡大を担ってきた。2017年1月にヤマダ電機に入社後は、副社長として家電とインテリア雑貨の販売を融合させた新業態店舗を担当。昨年末の「LABI1 LIFE SELECT高崎」リニューアルオープンの記者会見では「年度内に10~15店舗、18年度中に100店舗」という目標を自ら発表するなど、存在感を示していた。
社長交代の狙いは、三嶋氏の担当領域である新業態転換の加速と不振の住宅分野のテコ入れにあるとみられる。3月には「家電住まいる館」を6店同時オープン、ヤマダ電機初となる家具のPB商品を展開するなど、順調に進んでいるようにみえる業態転換だが、その成果はまだ具体的な数値に表れていない。
むしろ転換によって生じた諸費用を理由に2018年3月期通期(17年4月~18年3月)の業績予想を下方修正するなど、足を引っ張っているのが現状だ。三嶋氏には転換を急ぐだけでなく、早期にその成果を経営数値で示すことも求められる。
また、新業態は本業である家電販売と住宅分野のシナジー効果の向上を期待されており、傘下の住宅メーカーであるヤマダ・エスバイエルホーム(S×L)の立て直しも三嶋氏にとって無視できないミッションだ。同社は2018年2月期の連結業績では当期純損益2億円の黒字予想を27億円の赤字に下方修正。長年の赤字体質を脱せず、ヤマダ電機にとって悩みの種になっているが、その重責の一部を三嶋氏も担うことになる。(BCN・大蔵 大輔)