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機能訴求からシーン訴求へ 変わる冷蔵庫のあり方・売り方

 保存機能や省エネ性能が成熟した冷蔵庫は、いま新たな価値を模索するフェーズに入っている。国内大手メーカー5社の戦略で共通するのは、機能訴求からシーン訴求への転換を図っているということだ。新しい価値を顧客に認知させ、買い替えを後押しする提案手法に各社は知恵を絞っている。


■シャープ/東芝/パナソニック/日立/三菱
 

 シャープの健康・環境システム事業本部 メジャーアプライアンス事業部 冷蔵庫商品企画部の森元雄課長は「冷蔵庫の食材を保存する機能や省エネ設計は成熟しており、積極的な買い替え目的ではなくなりつつある。『なにか新しいことができる』というワクワク感を醸成していかなければならない」とAIoT機能の意義を語る。  

 中国・マイディアグループ(美的集団)傘下に入ってこの6月で2年を迎える東芝ライフスタイル。業績は好調で、中でも冷蔵庫「ベジータ」は昨年、450リットル以上の機種が大きく販売を伸ばしているという。  

 パナソニックは、新提案「おいしい7days」として、夫婦共働き世帯にターゲットを絞り、マイナス3℃で1週間分を微凍結で保存できるパーシャルと、野菜をフレッシュなまま1週間新鮮に保存できる野菜室の2点に絞って訴求している。  

 日立の「真空チルド HWシリーズ」は、冷蔵室独立冷却システムを採用。日立の持ち味である鮮度保持性能の向上と市場ニーズの高いコンパクト化を両立させた。  

 三菱電機はこの春、「野菜室が中央」というレイアウトの「MXシリーズ」を新たに発売し、冷凍室が中央にある従来の高級機「WXシリーズ」と併売することで、消費者に選択肢を提供する戦略に出た。

※『BCN RETAIL REVIEW』2018年4月号から転載